0408・いつものメンバーで行く事に
夕食も終わり、ソファーの部屋からマイルームへと転移したらログアウト。リアルでも夕食やお風呂に雑事を終わらせたらログイン。今度は物作りを始める。まずは魔力金属からだね。
その後は属性金属を作り、適当に短剣やトンファーにヌンチャクなどの比較的小さい物を作って流す。最後には大型の物も作る事になるだろうが、今は小型の物で腕を上げたい。下手な時から大きな物を作っても仕方ないしね。
作った物はプレイヤーマーケットに流し、残しておいた物はユウヤに優先つきで流しておく。買うか買わないかは知らないけど多分買うだろうと思う。後はメールでも送っておけば、気付くでしょ。
少なくとも優先は1時間もつから、ログアウトしてないみたいだし大丈夫だと思う。それじゃ、やる事も無くなったし僕もログアウトするかな、本日はここまで。
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2000年 11月8日 水曜日 AM8:21
本日も再び<暗闇ダンジョン>に行くんだけど、おそらくイルは連れて行く事になると思う。他の知り合いが行くかどうかは分からないけど、少なくともイルは行くと言ってたからね。連れて行くしかない。
ログインして囲炉裏部屋に来た僕は、ファルとキャスティの作成した物を売りに出し、売り上げを回収して倉庫に入れる。相変わらず属性金属の武器は全て売れてるけど、そんなに欲しがる物かな?。
急に売れなくなって残るのが一番困るんだけど、そういうのが無ければいいなー……。ま、今から心配しても仕方ないか。なるようになるさ。
終わったので3人に声をかけ、ソファーの部屋に移動したらラスティアとキャスティとファルを呼び出す。後はいつも通りファルに朝食を任せ、皆に挨拶したら、ソファーの部屋でゆっくりと掲示板を確認する。
「今日もいつも通りの材料集めと、それが終わったらどうする? 私はどうしようか迷ってるのよね」
「迷ってるって?」
「コトブキについていって<暗闇ダンジョン>ってトコに行こうかと思ってさ。どうも魔法陣の登録をしたら途中から進めるみたいだし、なら今の内にある程度の地点まで進んでおいたほうが良いと思うのよ」
「後で進むとなったら面倒臭いからだね。でも、思ってるより敵のレベルが高いよ? そこまで奥には行けない気がするけど……」
「それは分かるのよ、でも後でってなると絶対に面倒臭いと思う。そもそもランダムに構造が変わるうえ、魔物が大量に出てきて、経験値が一切貰えない場所なの。いつ行っても面倒なら、時間のある内に行っておきたいのよ」
「後で自分だけ1階からは大変。しかもソロではまず無理なのが分かってる。もちろん実力が相当ついてから行くなら進めるだろうけど、結局限度がある。行ける所まで進むには仲間が必要」
ファルが呼びに来たので食堂に移動し、その後も話を続けていく。
「そうなると、皆が行く間に私も行っておいた方が良いのかな? 大量の魔物が出てくる場所なんてなかなか突破できそうもないし。それに、罠系のスキルも上がるみたいだからなぁ……」
「意外にナツが消極的なのに驚く。もしかして何かあった?」
「別に何も無いけど……何と言うか、ガチャっていうのがさー。あんまり良い物が当たる気がしない。私、運が良い方じゃないし」
「ああ、そっち系……。んー、でも大丈夫じゃない? 奥に行けば行くほど良い物が出るみたいだし、結局は運より実力が正しい気もする。もちろん奥の方でも確率は低いんだろうけど」
「そうじゃの。聖結晶ならまだしも、真魔結晶や伝説級金属の素材は確率が低い。まあ、あれらはそもそも出る事の方が驚きでもある。それ程の代物でもあるからな、取り合いになっても殆どの者は手に入れられまい」
「でしょうね。仮に誰かが伝説級金属を作れたとしても、素材の少なさに嘆くぐらいよ。むしろ<暗闇ダンジョン>なら低確率でも出る可能性があるだけに、そっちの方が入手確率は高いんじゃない?」
「かもしれませんね。元々伝説級金属の素材など、星の果てにでも行かないと手に入りません。そのうえ極僅かな量しかなく、それが取り合いになっても不思議ではないのです。特に稀人だと……」
「死んでも復活するからの、どう考えても取り合いにしかならん。あれらは長い年月をかけて生成される物であり、大量に幾らでもある訳ではない。そう考えると、確かに<暗闇ダンジョン>の方が良いかものう」
「うーん……なら今の内に進んでおいた方が良いかな? 後で進むってなったら絶対に面倒臭いし」
そんな会話もあり、ナツも一緒に行く事になった。<魔石・中>は皆に用意してもらうとして、まずはユウヤと合流していつも通りに採掘していこう。午前中は急いで終わらせたいところだね。
ユウヤと合流した僕達は、魔隠穴へと出発し急いで採掘をしていく。ユウヤも行く事になったので全員が急ぎ気味に歩いている。それでも出てくる魔物を積極的に倒すのは、ここのゴーレム達は<魔石・中>を落とすからだ。
僕が【爆力】を使って囮になり、後は皆が素早く倒していく。そうやって楽に進んで採掘し、終わったら入り口へと戻る。その後は師匠の家へと飛び豪雪山へ。必要な分を掘ったら次はバイゼル山だ。
今日はラスティアとキャスティも掘ってくれているので少し量が多い。1回1回は大した事がなくても、積もれば大きな差になる。ありがたい事だね。
採掘が終わったら師匠の家に戻る。今はお昼前だから、十分早かったようだ。師匠の家のソファー部屋からマイルームへと飛び、ラスティアとキャスティ以外を戻す。2人は適当に過ごすみたい。
僕は精錬作業をある程度進めたらソファーの部屋へ。ファルを召喚して昼食の準備へと行かせる。まだ時間には早いみたいなのでマイルームに戻り、再び精錬の続きを行う。
最近は失敗なく出来ていると思うんだけど、惰性で行わず集中して行い、少しでも品質を上げたいところだ。その割には一定以上の品質には上がらないんだよねえ……どうすればいいんだろうか?。
やっぱり回数を熟さなきゃいけないのか、それとも他に何か理由があるのか……。師匠は何度も何度もやれと言っていたから、おそらくは回数が足りていないんだと思う。というか思いたい。今のところは工夫の余地が見つからないんだ。
これ以上の工夫をしろと言われたら、何をしていいのか分からないからね。使っている物の品質を上げるくらいしか余地が無いと思うんだけど、今以上の品質の物がそもそも手に入らないしなー。
よし、とりあえず精錬作業は終わった。そろそろソファーの部屋へと戻ろう。もしかしたら昼食が出来てるかもしれない。
そう思って移動すると、ちょうどファルが呼びにきたところだった。まさにギリギリだったね。安堵しながら食堂に行き、席について昼食を食べる。
「そういえば、そなたら<暗闇ダンジョン>へ行くと言うておったが、浅い階層は走りぬけるようにな。10階層というのは長いぞ。採取などをしておっては、とてもではないが時間が足りん。浅い階層では良い物も無いでな、一気に進め」
「昨日コトブキから石とかしか出なかったって聞いたから、わざわざ掘ったりする気は無い。流石に要らない物を手に入れても仕方がないから」
「石とか若木とか雑草だっけ? 後の方でも出てきそうだけど、良い物が銅鉱石とかでしょ? なら掘るだけ無駄よね。さっさと先へと進んだ方が良いに決まってる」
まあ、誰しもが当たり前に思う事だね。そんな必要のない物しか出ないところで、時間を無駄に使っても仕方ないし。
247話の誤字報告、ありがとうございました




