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0405・暗闇ダンジョン1階 その2




 地面はそうでもないから助かるけど、僕達は壁が真っ黒な中を歩いていく。【夜目】や【暗視】はあるけど、それでも真っ黒で分かり難い壁は遠近感を狂わせる。地面の色が違うとはいえ、気をつけてないと難しい。


 曲がり角だけど、それに気付かずシグマは真っ直ぐに進んでしまい、前の壁にぶつかってしまったんだ。まさかの電撃壁で、シグマはそれなりにダメージを受けた。慌てて【ダークヒール】を使ったけど、壁から電撃を受けるとはね。



 「大丈夫か、シグマ? ……うん、大丈夫そうでよかった。それにしても壁に触れたら電撃を受けるって……厄介な罠を用意してるなぁ。挙句、僕の【罠発見】じゃ見つからないし」


 「おそらくコトブキの【罠発見】スキルが低いからでしょうね。今までそんなに罠があった訳じゃないし、ここで色々な罠を知るしか無いんじゃない? 最悪は自分でも受けたりしてさ」


 「流石に自分で受けるのはやり過ぎでしょうが、それでもある程度の罠を見聞きしたり、調べたりしなければ発見するのは難しいでしょう。実際、ここ<暗闇ダンジョン>の罠は巧みですよ」


 「レベルの高い罠って事か……で、スキルレベルの低い僕じゃ今のところ気づけないと。仕方ない、気づけない物はどうにもならないし、慎重に進んでいこう」


 「リョウカイ」 「ブル」 「クー」 「ゴン」 「カタ」 「カー」



 召喚モンスター達も気付かないって事は、罠は思っている以上の物だと思った方が良い。今までの罠なら、それっぽいのだったからか怪しんでたんだよね。それもなくぶつかって電撃を浴びたからなぁ。


 それと、ここで瀕死になるのは駄目だな。場合によっては敵を引き付ける為にやろうかと思ってたんだけど、瀕死になったら罠で死ぬ可能性が高い。流石にそれは情けないので止めて、真面目に進んで行こう。


 僕達は慎重に進み、次の曲がり角に来たと思った途端、前の壁から矢が発射されてきた。すぐにシグマが盾で弾いてくれたけど、あんな罠まであるのか。本当に色々罠があるけど、厄介すぎないかな、ここ。


 曲がり角を曲がったら再び暗闇ネズミとの戦闘だったが、今回は6匹だったので割と簡単に終了した。やはり最初の10匹超えは珍しい事だったのだろう。そこまで強い魔物でもない。



 「思ってるよりは魔物が強くないけど、レベルを考えたら高いんだよ。これってどういう事だろうね? レベルと強さが一致してない気がする。それとも、こんなものなのかな?」


 「まだ1階だし、何よりネズミだからね。レベルが高くてもネズミって事よ。ただし群れてるから、こちらの数が少ないと苦しいの。コトブキがネクロマンサーだから楽なんだと思えばいいわ」


 「ええ、ここのネズミは本来厄介なんですよ。それに暗闇ウサギが出てきてません。アレの脚力も結構マズいので、まだ1階といえども……来ましたよ!」



 キャスティの言葉通り、前方から真っ黒で目だけが赤い、シルエットがウサギっぽいのがやってきた。その数は7匹だ。結構多いな。



 ―――――――――――――――


 <暗闇ウサギ> 特殊魔物 Lv51


 暗闇ダンジョンにのみ生息する特殊な魔物。全身が黒く目だけが赤いのが特徴。非常に厄介な魔物であり、群れの数が多い。体が大きいのでそこまで攻撃を当てるのに苦労はしないが、代わりに脚力が強く突撃してくるので注意


 ―――――――――――――――



 レベル51か。と思っていたら、砲弾の如く跳んできてシグマが何とか防ぐ。しかし盾に当たった瞬間の「ガァン!」という音で、どれほどの威力だったかが分かる。正直にいって砲弾みたいな体当たりは勘弁してほしい。


 僕は仲間の邪魔にならないように【セイントバインド】に闘気を篭めて使う。蛙戦隊に効かなかった事もあり、大丈夫か疑問だったんだけど、暗闇ウサギには無事に効いた。


 そこまでの時間を拘束できる訳じゃないみたいだが、それでも止まってくれるだけマシだ。拘束されている間に、仲間達が首を刎ねてくれているので、僕は拘束する事に全力を傾ける。


 結果、そこまで被害が出る事も無く、勝つ事が出来た。それにしてもネズミはともかく、ウサギで既に相当強いんだけど? 明らかに強さがおかしい気がする。特にウサギ。



 「あのウサギはああいう魔物なのよ。理不尽な威力をしてるけど、あれが暗闇ウサギだからどうしようもないわ。諦めて対処しましょう。それに昔より楽よ? 味方も多いし、出来る事も多い」


 「私もそうですね。やはり前で盾を使ってくれる仲間が多いと安定します。盾の数が少ないと苦しいですから、昔に挑んだ時に比べれば楽ですよ。まあ、私も色々経験をしてきましたから、そういう意味でも違うのですが」


 「それでも、よ。とにかく戦って慣れるしかないわ。ウサギも初見だと大変だけど、それでも上手く拘束できてたし、簡単に首を刎ねてたじゃない。あれ、真面目に削り合いすると本当に大変なのよ?」


 「それなりに体が大きいので当たりやすいのですが、代わりに耐久力は高いですからね。それに【魔刃】や【闘刃】が使えるのが大きいです。そこが昔とは一番違うところでしょう」


 「首が刎ねられるからね。昔は魔力を通した武器でもダメージしか与えられなかったし、私は鞭か短剣だったから、根本的に無理だったのよ。あのウサギに近付くのは難しかったし、鞭じゃダメージしか与えられないし」


 「私は剣でしたけど、変わりませんでしたよ。相手を切り裂くというよりは、叩きつける事でダメージを、っと来ましたよ。混成です」



 今度はネズミとウサギの混成部隊だ。どっちも5匹は居るので、また大きな群れだなー。ここって、こんなのばっかりなのかな? だとすると複数の敵に対処する攻撃が必要だ。


 つまりは範囲攻撃なんだけど、すぐに乱戦化するので活躍させるのは難しい。開幕にキャスティとエストが【光魔法】を使ってダメージを与えてくれるぐらいか。後は味方に当たらないような魔法しか使えない。


 ネズミもウサギも突撃してくるので、一定の距離を保てないんだ。距離があれば範囲魔法でダメージを与えられるんだけど、距離が近いと自爆してしまう。ここって思っている以上に大変だよ。


 僕は相も変わらず拘束して回り、その間に仲間達がどんどん倒していってくれた。幾ら突っ込んで来るといっても、1匹1匹に対処しつつ着実に倒せば戦闘は終わる。そうやって戦っていくしかないとも言えるけど。



 「おつかれー。いまだ採取ポイントも何もないけど、戦闘はそれなりに順調かな? まだそこまで慣れてないとはいえ、それでも危なげなく勝利してるとは思う。このまま緊張感を持って進もう」


 「ハイ!」 「ブル!」 「クー」 「ゴン」 「カタ」 「カ!」


 「戦闘はそこまで難しくもないし、勝てるんだけど……。確かにコトブキの言う通り、採取や採掘をするポイントが無いみたいね? 1階からそれなりにあったような……」


 「そうですよね? 私もそういう記憶がありますが、何故か見つかってませんし、中の構造が大きく変わったのでしょうか? 流石に何百年と来ていませんので、私の記憶とは違うようです」


 「それは仕方ないよ。流石に2人が知ってる<暗闇ダンジョン>と……」



 目の前には採掘ポイントと思われる光点があるんだけど、そこってどう見ても壁だよね? <暗闇ダンジョン>では、これが普通なのだろうか? ちょっと悩みながらも聞いてみると……。



 「それが普通なんだけど、私は昔と違って【採取】とか【採掘】とか【伐採】とか持ってないのよね。だからポイントが分からないのよ。普通の場所なら何となくで分かるんだけど、ここ真っ黒な壁だから」


 「私もそうです。長くやってきましたから、見ただけで何となく分かるんですよね。ここのように真っ黒だと無理ですが」



 2人とも、元々【採取】や【採掘】に【伐採】を持ってたんだね。それは知らなかった。


 でも、悪魔とか天使が、ねえ……?。


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― 新着の感想 ―
背水を使い込むと即死耐性みたいなスキル生えそう
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