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0384・遂にボス戦へ




 バイゼル山を巡り、鉄や銅などを掘っていく。ここでもそれなりの人数でウロウロしているが、魔物が弱すぎるのか近寄ってもこない。あのクソヤギですら、僕達を見かけるとすぐに逃げ出してしまうくらいだ。



 「あのクソヤギが挑発して来ずに逃げていくなんてね。かつては鼻で笑ってバカにしてきたのに。変われば変わるもんだと思うけど、ああいうの程、強さを敏感に感じ取ったりするのかな?」


 「リアルならそんな感じじゃね? 相手をバカにしたりする奴ほど、相手を見てやるだろ。それは人間も変わらねーけどさ。だからこそ情けないんだが、やる奴はそんな自覚も無いしな」


 「そんな、あるあるはどうでもいい。それよりコトブキは運営ダンジョンの突破、大丈夫? 死んだ所の攻略を進められそう?」


 「は? コトブキ、お前死んだのか? ……いったい何があったんだよ。そう簡単にお前がやられたりしないだろ」


 「運営ダンジョンの40階ボスに挑んだんだけど、真っ暗で何も感知できず、額に衝撃を受けたら死に戻ってた。おそらく36階~39階の間に何かあったんだと思う。ボスとちゃんと戦えるようになるギミックが」


 「あー、謎を解かないとボスとすら戦えないタイプか。あるあるだけど、一度ボス部屋まで行かないと分からないからな。それで、探すのはこれからか?」


 「これからも何も、昨日ボス部屋に行って殺されたからね。まだ探してもいないよ。今日帰ってからだね、攻略は。それが終わったら一息吐くから、物作りに本腰を入れる事になるけど、今は運営ダンジョンが先かな」


 「まあ、そこはコトブキの好きにすりゃいいけど、死んだかー。珍しい事もあるもんだと思うけど、無い訳じゃないしなぁ。しかし規定の何かをしないと戦う事すら出来ないボスは厄介だぞ」


 「36階~39階はそもそもジャングルだしね。鬱蒼としたジャングルで土砂降りの雨が降っている中を調べるんだから大変だよ。雨の音が五月蝿すぎて会話も出来ないし……って、もしかして音で隠されてる?」


 「音ねー……。もしかして隠されてるものは、動いてるのか? だから動く音を隠す為に土砂降りの雨が降ってる……。そんな可能性もあるな」


 「だね。そうなると厄介だし、果たして見つけられるんだろうか?」



 バイゼル山で採掘を終え、僕達はそれぞれの場所に戻る。ユウヤは昨日売った属性金属を色々加工してみるそうだ。まだ手をつけておらず、師匠であるシャルロットさんに色々と習ってるらしい。


 僕達は師匠の家に戻り、マイルームへと仲間を戻すと、代わりにファルを呼び出し昼食の手伝いに行かせる。僕はマイルームから魔纏石を出して来たので、師匠のスケルトン・クラフターに言うと倉庫に案内された。


 前回と同じく魔纏石を売ってお金を貰うと、他の皆も魔纏石を売り始める。僕は一足先に戻り、マイルームへ行って精錬だけをして戻った。ちょうど良いタイミングだったのか、ソファーの部屋にファルが呼びに来たので食堂へ。


 師匠に魔纏石を売った事を伝えたが、まだまだ足りないとの事なので、どうやら魔纏石でのお金稼ぎはまだ出来そうだ。


 昼食後はマイルームに戻ってログアウト。リアルでの昼食と雑事を終えたらログイン。今度は運営ダンジョン攻略を始める。まずは入る前の階段の場所で方針を相談しておこう。



 「出来るだけ丁寧に調べていくつもりだけど、36階は多分ないと思うから37階から調べようと思う。そもそも36階はウロウロしたしね。それはともかく、どうやって調べればいいと思う?」


 「やはり北見草がある以上は、北を調べるのが常道ではないかと思います。北が分かるようになるという意味も分かりませんしね」


 「そうね。三角の葉っぱが次の階への階段、ハートの葉っぱが戻る為の階段の方角を示してる。そんな中で北見草だけが浮いてるのよね。北が分かる意味が無いから」


 「………階層に下りたら真っ直ぐ北に行って、その後ハートの葉っぱを頼りに戻ろう。そして戻りの階段まで戻ってきたら、そこから三角の葉っぱで進もうか」


 「急になんです? どうしてそんな考えに?」


 「いや、攻略するだけならハートの葉っぱも特に要らないんだよなーと思ってね。そもそもここ稀人専用で、更にソロ専用のダンジョンだし。戻るなら死亡して戻るのも1つの方法だから、必ず脱出の方角が分かる必要も無いんだよ」


 「それは……どうなの?」


 「まあ、言いたい事は分からなくもないんだけど、そもそも三角の葉っぱに気付けば攻略は出来る訳で、わざわざ戻れるようにしてあるのが少々引っ掛かるんだよ。怪しみ始めると、何でも怪しく思えてくるんだけどさ」


 「そうですね。とりあえず謎を解くのが先ですから、色々やってみましょう。何でもやってみないと、悩んでいるだけでは解決しません」


 「それじゃあ、行きましょうか。色々やってみる為に」



 僕達は36階へと踏み出し、三角の葉っぱを頼りに次の階への階段を進む。37階に下りてくると真っ直ぐ北に向かって進み、透明の壁まで着くとハートの葉っぱで戻る。


 上への階段まで戻ってきたが何もなく、三角の葉っぱで38階へ。同じ事を38階で行ったが何も無く、そのまま39階へ。そして39階、異変は戻った後だった。上への階段の前に白い蛙が出現。



 ―――――――――――――――


 <ホワイトフロッグ・ヒーロー> Lv45


 ヒーローである蛙戦隊の1匹。主に【光魔法】を担当している


 ―――――――――――――――



 「………まあ、いいか。とりあえず倒そう」



 現れた白い蛙と戦ったんだけど、セスの【サンダージャベリン】を喰らって痺れてる間に、シグマの片手斧の【闘刃】を喰らって死亡してしまった。思っている以上に弱かったみたいだけど、戦隊ものの1匹だからかな?。


 さて、これでボスに行ってもなー……という気がしている。何となくだけど、ホワイトだけじゃないと思うんだ。戦隊ものだし。


 僕は皆に身振り手振りで上に戻る事を伝える。38階に戻った僕は北へと歩きだし、再びハートの葉っぱで戻ると、予想通りに居た。



 ―――――――――――――――


 <イエローフロッグ・ヒーロー> Lv45


 ヒーローである蛙戦隊の1匹。主に【雷魔法】を担当している


 ―――――――――――――――



 やっぱり居たが、皆がボコボコにして倒してしまった。合掌。


 今度は37階に上り、再び北に行っては戻る。



 ―――――――――――――――


 <ピンクフロッグ・ヒーロー> Lv45


 ヒーローである蛙戦隊の1匹。主に【幻惑魔法】を担当している


 ―――――――――――――――



 少々厄介ではあったものの、撥ね退けて始末。次は36階に戻って同じ事を行う。



 ―――――――――――――――


 <レッドフロッグ・ヒーロー> Lv45


 ヒーローである蛙戦隊のリーダー。主に【火魔法】を担当している


 ―――――――――――――――



 む、ここでリーダーのレッドか。じゃあボス部屋は……ああ、そういう事ね。だから真っ暗で何も見えなかったのか。


 さっさと倒した僕達は一気に40階へと駆け下りる。そしてボス部屋前で休憩し、十分に休んだらボス部屋へ。


 中に入ると真っ暗だが、すぐに上からスポットライトが当たる。そこには黒い蛙が居た。



 ―――――――――――――――


 <ブラックフロッグ・ヒーロー> Lv45


 ヒーローである蛙戦隊の1匹。主に【闇魔法】を担当している


 ―――――――――――――――



 やっぱりなと思ったら、更にスポットライトが4つの場所に当たり……。


 どうやら本当のボスは蛙戦隊らしいね。


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