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0379・3度目の死亡




 豪雪山からバイゼル山へと戻り「ホッ」と一息吐くアマロさんと共に、バイゼル山を巡って鉄などを掘る。そして師匠の家へと戻ると昼食の時間だった。早く回ったと思ったけど、やはりそれなりに時間が掛かるようだ。


 ファルを料理に行かせ、僕は熊の毛皮をアマロさんから受け取って繋げていく。【変形】させたり【融合】させたりして完成したのは、きぐるみのような物だった。それでも<耐寒・中>が付いていたので十分だろう。


 アマロさんはそれを見てちょっと微妙な表情だが、背に腹は変えられないと受け取った。代金として鉄鉱石を多少貰ったから十分だ。あの程度なら片手間で作れるし、魔鉄作りの為にも鉄鉱石は必要だからね。


 昼食が出来たとファルが呼びに来たので食べに行き、終わったらマイルームへ。一旦ログアウトして現実へと戻り、昼食と雑事を終えたら再びログイン。


 午後からは運営ダンジョンの攻略へと向かう。突破する方法は見つけたのだから、そろそろ突破しておきたい。マイルームでその事をラスティアとキャスティに話し、準備を整えたら運営ダンジョンへ。


 僕達は36階から再びスタートし、三角の葉っぱを確認しながら階段へと向かう。すぐに発見し37階へと移動。再び三角の葉っぱを確認して、階段の方角へと進んで行く。


 当たり前だが階段は見つかり、次は38階へ。順調に進めているものの、妙に引っ掛かる。このまま40階まで行けそうだけど、それ自体はトラップなんじゃないだろうか? 例えば、何か隠されてるとかさ。



 『その可能性はないかな? 何かこのまま三角の葉っぱに従い続けると、重大な失敗をしそうな気がするんだよね。猛烈に誘導されている感があってさ、嫌な予感がする』


 『言いたい事は分からなくもないけど、実際に何かある可能性は高くないわよ? それにまたウロウロするのってしか思わないし、いい加減に終わらせましょうよ』


 『私はコトブキが嫌な予感を覚えるなら調べた方が良いと思います。こういう時の感覚というのはバカに出来ません。直感に従って助かったという話はよくありますからね。何も無くても思い過ごしで済みますが、何かあった場合はどうするんです?』


 『まあ、それはそうなんだけど………分かった。気は進まないけど、探しましょうか。でも、階層中をウロウロ探すんじゃないわよね?』


 『北に行ってみようと思うんだ。三角の葉っぱが次への階段、ハートの葉っぱが戻る為の階段の方角。なら北見草は要らないよね? 何故か北見草があるのが不思議でさ、もしかしたらコレも必要なんじゃないかなって思うんだ』


 『成る程。確かに言われてみれば、北見草がある理由がありませんね。突破するにも戻るにも、北を知る意味が無い。それでも何かしらの意味があるとすれば、北に何かある場合ぐらいですか……』


 『まあ、言ってる事は分かるわね。何の根拠も無く適当な事を言ってる訳じゃないみたいだし、とりあえず北に行きましょうか』



 【念話】での話を止め、僕達は北へと向かって森を進む。森といってもジャングルのような森だけど、その中を掻き分けて進んで行く僕達。


 ポイズンブラッドフロッグもパープルスネークも既に慣れたもので、対処は簡単だし、毒を受けても治す事が出来るので安全に戦えている。そもそも仲間達はアンデッドな訳で、仲間達に任せれば毒なんて受けずに済む。


 北に行っても何も無かったので多少ウロウロするものの、何かがあるようには思えないので、三角の葉っぱに従って次の階層へ。39階に到着すると、再び同じように北へと向かう僕達。


 僕としてはこの階が一番怪しいんだけど、だからと言って何かありそうな感じはしない。唯の思い過ごしだったのか、それとも37階に何かあったんだろうか? あそこでは何も探してないしね。


 そう思いつつ39階の北側を探すも何も見つからず、そのまま40階へ。ボス前で【昏睡眠】を使って回復し、いざ、ボス戦へ。


 皆と中に入ったものの真っ暗で何も見えない場所だった。【精密魔力感知・中級】を使っても分からず、【練気感知・中級】でも不明。【精神感知】にすら反応が無い。


 いったいどういう事だと思った瞬間、額に衝撃が走ったと思ったら、僕はマイルームに居た。



 「は? ……どういう事? ………って、マジかー。僕、死んでるじゃん。何か額に衝撃を受けたと思ったら、一撃で死亡とかさー……」



 ようやく自分が死亡したと理解できたのだが、その瞬間部屋からラスティアとキャスティが、訓練場から皆が出てきた。



 「コトブキ! 急にここに戻されたんだけど、どういう事!? いったい何があったの!?」


 「分からない。いきなり額に衝撃が走ったと思ったらマイルームに戻ってきてた。どうやら死に戻ったみたいだよ。つまり一撃で殺された訳だね。どうやって殺されたかすら分からなかったけど、何かが足りなかったんだと思う」


 「何か、ですか……?」


 「あのジャングルの中に多分何かがある。僕達じゃ見つけられなかったけど、おそらく何かしらの物が隠されていて、それを見つけておかないと突破出来ないんだと思う。あのジャングル、簡単には攻略できそうに無い」


 「まあ、先へ進む事が出来るようになったと思ったら、ボスがアレですからね。真っ暗で何も見えず、訳が分からないと思っていたら急にでした。まさかコトブキが一撃で殺されていたなど……」


 「コトブキが何もできずに殺されるくらいだから、おそらく何かを見つけないと、どうにもならないのでしょうね。それにしても焦ったわ、まさか殺されてたなんて」


 「しかし殺されたという事は、コトブキの嫌な予感は当たっていたという事です。やはりああいう時の直感というのはバカに出来ませんね。活かせませんでしたが……」


 「デスペナ受けててどうにもならないけど、まずは整理しよう。36階はあれだけ動き回ったんだから、多分だけど大丈夫だと思う。そして37階は何も調べてない。38階以降は、調べたけど北だけ」


 「怪しいものは無かったけど、真っ直ぐ北に行った後、階段に移動しただけよ。あくまでもその範囲しか調べてないわ。次への階段の真逆に行ってみる? それとも全部を回って完全に調べていく?」


 「流石に全てを調べるのは時間が掛かり過ぎます。北見草、三角の葉、ハートの葉。この3つがおそらくヒントなんだと思います。神の作られたダンジョンである以上、難しくとも攻略できないという事は無いでしょう」


 「流石にそれはね。神である以上、嫌がらせはしてきても攻略不能にはしないと思うわ。それは嫌がらせでもない最低な行為でしかないから」


 「僕も攻略出来ないとは思わない。攻略できないんじゃなく、次を作らないんじゃないかな? ボス戦ならボス扉の前に張り紙出しとくとか、ボス部屋が無くて脱出の魔法陣だけ置かれてるとか」


 「そうですね。わざわざ絶対に勝てない相手を置くというのも考え辛いですし、アレは必要な何かを得ていない結果と言えるでしょう」


 「それにしても、情報を得てないと死ぬボスってメチャクチャよ。ボスまでに気付いていなければ終わりじゃないの」


 「稀人は復活するし、元来あそこは稀人しか入れないダンジョンだよ。皆は使い魔と召喚モンスターだから入れただけ。そして復活する稀人相手なら、僕は普通だと思うけどね。徹底的に調べないお前が悪い、ってところかな」


 「言いたい事は分かるけど………分かるんだけどさー!」



 何故かラスティアが御立腹らしい。そして、そのラスティアを見ているキャスティは、微笑ましいものを見る目と表情をしている。


 何だろうね、この状況?。


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