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0375・運営ダンジョン36階




 昼食を食べた僕はソファーの部屋へ行き、マイルームへ移動した後でログアウト。現実へと戻る。


 昼食を食べ、雑事を熟すと再びログイン。マイルームへと戻ってきた僕は、運営ダンジョンへと出発する。やはり雨の降りしきるジャングルを突破しておかないと、なんだか落ち着かない感じなんだよね。


 運営ダンジョン36階に着いた僕達は、再び雨の降りしきるジャングルへと踏み出す。前回は<北見草>というのを発見したんだっけ? とにかくそれを見て北を確認しつつ進んでみよう。


 36階に出てすぐ、<北見草>を発見したラスティアが教えてくれ、それを元に北へと進んで行く僕達。ポイズンブラッドフロッグやパープルスネークを倒しつつ、真っ直ぐ北へと進んで行く。


 毒をもつ厄介なモンスターであるものの、それ以外に強い部分は無く、そこまで苦戦するような相手でもない。そんなモンスターをアクティブスキルを使って適当に倒しつつ進んでいると、北の果てまでやってきた。


 これ以上先には進めないので東か西に行くしかないんだが、どちらかに行った段階で階段まで戻れるか疑問がある。少々悩んだものの、思い切って東へと行く事に。


 そのまま進んで行くものの、そこまで魔物も出てこない為、比較的楽に進む事が出来ている。どうもマップの端は魔物の出現が少ないらしい。マップの端なんて滅多に行かないから知らなかったよ。


 東へと歩いていくと再び突き当たりにまで到達した為、今度は南へと進む。なんだかウロウロするだけで結局進めなさそうな気もしてきたなー。このジャングル、本当に厄介だよ。


 多少の戦闘をしながらも真っ直ぐ進み、再び透明の壁に突き当たるまでやってきた。このままこんな事を繰り返しそうだけど、今のところはしょうがない。そう諦めるしかないね、これは。


 西に進んだものの透明の壁にぶつかり、今度は北へと進む。そして北でも端にぶつかったので、仕方なく東へと進んで行く。もはや何も無いだろうという事も分かっているが、それでも進むしかない。


 何となく見たような見てないような場所に着き、これでおそらくマップの端には階段が無い事が確定。どうしたものかと頭を悩ませる事に。


 それ以前に、どうやって階段まで帰っていいかも分からないし、<北見草>で北が分かるようになっただけなんだよね。どうしてそれで攻略できると思ったのか? 北が分かった程度で攻略出来るほど、ジャングルは甘くない。



 (本当に困ったぞ? どうやって帰ればいいかも分からないし、どうやって進めばいいかも分からない。とにかく今は南へと向かってみよう)



 僕は「ザーーー!」と雨の降りしきる中、ジェスチャーで南へと行く事を説明。この場にとどまっても仕方ないので出発する。<北見草>を確認し南へと進んで行きつつ魔物を倒す。


 マップの端より出現頻度は高いが、慣れているので毒になる事もなく進んでいくと階段を発見。まずは滑り込んで休憩する。


 階段に入った途端「ザーーー!」という音は無くなり、なんだか安心している自分が居る。VRなので耳鳴りが起きたりとかはしないが、なんだかまだ雨の音が聞こえるような気がするね。



 「それにしても、前回<北見草>を見つけたから突破できると思ってたけど甘かったわね。ジャングルの中だからか似たような場所ばっかりだし、北に行っても何も無かったし」


 「少なくとも階層の端には何も無いという事は分かりました。だからと言って何処にいけば良いのかはサッパリですが……。ここまで厄介だとは思いませんでしたし、まだ36階なんですよね」


 「そういえばそうね。37、38、39とあるのに、まだ36階でコレなのよ。嫌になってくるわね、本当。ここまで厄介って、神はいったい何を考えているのかしら?」


 「何か攻略方法があると思うんだよね。ウロウロしてたらいつの間にか攻略できていた……っていうのもおかしいし、神が作ったダンジョンで行き当たりばったりは流石に無いと思うんだ」


 「でしょうね、私もそう思います。つまり<北見草>以外にも私達が見落としている何かがあるという事。北が分かるのと、ソレが分かれば攻略出来る筈」


 「もう一度行くしかないわね。しっかし、ここまで厄介なダンジョンをよく作り出すものよ、神は。ここってソロで突破しなきゃ行けないんでしょ? 本来は」


 「そうだね。召喚モンスターや使い魔と契約してる人は別だろうけど、それ以外はソロで攻略しなきゃいけない場所だよ」


 「だったら、そこまでおかしな階層にはしていない筈。何かしらの気付けば明白なヒントが隠されてないとおかしい。ソロなんて方向感覚も簡単に狂うし、私達以上に大変よ」


 「明白なヒントですか……。もう一度探すしかありませんね。今度はゆっくり移動していきながら、何かしらのヒントがないか丁寧に探しつつ進みましょう」



 キャスティの言葉を最後に、再び僕達はジャングルへと踏み出す。今度は簡単には進まず、じっくりと周りを探りながら進み、少しずつ北へと進んで行く。


 <北見草>がある以上は、少なくとも方角は分かるようになっている。何処に居ても北が分かるので、少なくとも迷う事は減る。しかし、それだけと言えばそれだけなんだ。


 北が分かったからといって、次の階層への階段が分かる訳じゃない。だからこそ、うん? ……これ、南を指してる? 何でこの葉っぱは南を指してるんだろう?。


 <北見草>は木の葉の形をした至って普通の植物だ。それの先が北を向いているんだが、ハート型の葉っぱを持つ植物は南を向いている。僕はラスティアとキャスティにジェスチャーでそれを教える。


 ラスティアとキャスティも知らない植物だったらしいが、全て南を向いているのは間違いなかった。他の植物も確認してみると、三角の形をした葉っぱの植物は、何故か南東を向いている。


 三角の葉っぱの植物は、木に巻きつく蔓のような植物だ。その蔓から三角の葉っぱが生えているのだが、それが南東を指し示している。



 『何となくなんだけど、三角の葉っぱのヤツが次の階への階段で、ハート型の葉っぱのヤツが戻る為の階段の方角を指し示しているんじゃないかな?』


 『ビックリした。【念話】を使うなら使うって言いなさいよ、……いや、この雨じゃ無理か。とりあえず言いたい事は分かったから、その通りに行ってみましょうか』


 『ええ。それにしても、まさか<北見草>以外にも怪しい植物があったとは……。見た事もありませんが、ダンジョン攻略の為だけに作られたような気がしてきました』



 僕達は蔓に生えている三角の葉っぱを頼りに進むと、あっさりと階段を発見。進むことはせずに戻る事にする。次はハート型の植物を見て、その通りに進んで行くと、こちらもあっさりと階段を発見した。


 僕達は階段へと戻り、水分を飛ばしながら話をする。



 「階段を進んでも良かったんだけど、迷って無駄な時間をそれなりに使っちゃってるし、明日一気に攻略しようと思う。だから今日はここまでにしておこう」


 「まあ、コトブキがそれでいいなら良いけどね。攻略方法も分かったし、次は気楽に進めるわ。それにしても、あんなおかしな植物は見た事が無いから、絶対にここだけの物よ」


 「ですね。流石にあんな形の葉っぱを持つ植物は見た事がありません。<北見草>のように北を指し示す植物ならともかく、階段を指し示す植物なんて明らかにおかしいですからね」



 確かに。あれはゲームでしかあり得ない植物だと思う。それはともかくとして、この後は物作りだね。アマロさんの矛と属性金属だけど、まずは魔銀かな?。


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― 新着の感想 ―
北見草はまだあり得るみたいな書き方してるけど、磁場が植物の成長に影響を与えることはあれど、葉のみ全てが一方角しか向かないってかなり異常では。
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