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0345・薙刀と戦槌と腕防具




 MPを十分に回復してから転移札で飛んだ僕達は、無事に師匠の家に戻ってきた。【精密魔力操作・下級】の時よりも中級になった今の方が、MPの消費量は明らかに減っている。


 それでも2人を飛ばせる程ではないが、もう少しレベルが上がれば自分の魔力だけで2人飛ばせるようになるだろう。逆を言えば、それだけ転移にはMPを消費するという事だ。転移に高いお金が掛かる筈だよ。


 ファルを呼び出して手伝いに行かせ、ラスティアとキャスティを呼び出す。トモエや支配モンスターと共に待っていると、ファルが呼びに来たので食堂へ。師匠も含めて夕食にする。



 「そなたらサインの所に行ったのであろう? サインのヤツは何を言うてきた?」


 「依頼があるとの事ですが、まずは魔隠穴という場所の最奥まで行って魔隠石という石を取ってくるようにと言われました。それが魔隠穴を攻略した証になると」


 「ふむ。あの灯りの点かぬ【魔力感知】を鍛える為の場所か。少なくとも【魔力感知】が中級になければ出来ん仕事を依頼する気か? それともサキュリアの貴族か何かが、依頼するのに証拠を求めておるのかもしれん」


 「おそらくは証拠としての方でしょうね。何を依頼するのかは知らないけど、一筋縄じゃいかない事を依頼する気じゃない? わざわざ魔隠穴の攻略をしてこいと言うぐらいだし」


 「もしくは自分の仕事を請けるのだから、この程度の事は出来て当たり前という、無駄に格を求めるタイプかですね。そういうのは実際に居ますし、無駄にプライドが高いですから関わりたくないのですが」


 「サキュリアの貴族かどうかに関わり無く、何処にでも愚かな貴族はおるからの。何ぞ面倒な事を言うてきたら拒否して帰ってきてもよい。コトブキを下に見るという事は、師である妾も下に見るという事よ」


 「ああ、うん。<破滅>を見下した以上、破滅させられても文句は言えないわね。だって喧嘩売ってるんだし。貴族こそ知ってなきゃいけないんだけど、底抜けのバカって何故か居るのよねえ……」


 「まあ、そういう事じゃ。魔隠穴に関してはそなたらの修行になるゆえ構わぬが、妾の名に喧嘩を売ってきた者に対して下手に出るでないぞ? それは妾の名を貶める事になるからの」


 「はい。分かっていますし、そんな怖い事はしません。そもそも席を立って帰れば済みますしね」


 「まあ、そうねえ。師匠の名前は落ちるかもしれないけど、<破滅>と呼ばれる人に喧嘩を売るのは……無いと思いたいんだけど」


 「気持ちは分かりますが、本当に底抜けのバカというのは居るのですよ。何故なのか不思議で仕方がないのですが、あり得ない事を言い出す者は居るのです」



 ここでの話の流れから、何となくそういう貴族から依頼が来そうだなーと思いつつ、食事の終わった僕達はソファーの部屋からマイルームへ。そして皆を呼び出したらログアウト。リアルへと戻る。


 諸々の雑事を終わらせたらログインし、今度は魔鉄作りと腕防具作りだ。ログインする前にガントレットとか篭手とか色々ネットで調べたけど、イマイチ構造が分からないというか、分かり難かった。


 なので一番シンプルな腕防具を作る。それはマニカだ。古代ローマの剣闘士が使っていたという腕防具で、手首から肘辺りまでの金属カバーと考えれば分かりやすい。そんな簡単な物だから作ろうと思ったんだけど。


 魔鉄を腕に沿って曲げていき、腕の上部と下部の2つの金属パーツを作る。そして蝶番を作り2つのパーツの片側を蝶番でくっ付けた。もう片方の上部の端に凸部分を作り、下部の端部分にフックを取り付ける。


 後はマニカを着けた後、凸部分にフックを引っ掛ければ落ちずに装備可能………うん、片手で着けられた。今度は右手のマニカも作って…………よし、完成だ!。



 ―――――――――――――――


 <腕防具> 魔鉄のマニカ 品質:6 レア度:4 耐久620


 腕に嵌める簡易的な防具。簡単に着脱可能ではあるが、防御力は十分にある。手首から肘辺りまでしかカバーされないが、他の防具を併用するならば特に問題は無いだろう。魔鉄である為、闘気で強化する事も可能である

 防御力16(闘気強化時21) 魔法防御力15(闘気強化時20)


 ―――――――――――――――



 ……腕部分だけとはいえ、防御力も魔法防御力も高いなぁ。流石は魔鉄と言うべきなんだろうけど、これはブリガンダインかスケイルアーマーを作るべきだろうか? でも音が五月蝿そうだし、どうしようかな?。



 「ジー………」



 あのさ、セナ。口で言うのは止めようよ。作るぐらい別に良いんだけど、セナは格闘系武器だから有った方が良かったのかな? だとしたら僕のミスだな。リーチが短い武器なんだから、むしろ必要だったか。そこは反省しよう。


 セナの分も作り、着け方を教えるとすぐに理解したようだ。マニカを着けてそのまま訓練場に行ったけど、他の仲間は何か言ってくるかな? そんな事を思いつつ、明日用の魔石を確認する。


 結構な量があるから大丈夫だと思うんだけど……。ま、明日になってからじゃないと分からないか。とりあえず残りの素材も魔鉄にしていこう。


 ………結局、誰も来なかったね? 良いんだけど、何か肩透かしを受けた気分。まあ、気を取り直して物作りをしよう。



 ―――――――――――――――


 <長柄> 氷怪木と魔鉄の薙刀 品質:6 レア度:4 耐久780


 アイストレウッドの柄と魔鉄の刃で作られた薙刀。その切れ味と威力は高く、魔鉄製という事を鑑みても優秀である。属性金属ではない為、癖が無く非常に使いやすい

 攻撃力31 破壊力1


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <槌> 氷怪木と魔鉄のウォーハンマー 品質:6 レア度:4 耐久820


 アイストレウッドの柄と魔鉄の槌頭で作られたウォーハンマー。その重さを使った威力は十分であり、破壊力も然る事ながら高い耐久力も魅力。属性金属ではない為、癖が無く非常に使いやすい

 攻撃力25 破壊力7


 ―――――――――――――――



 薙刀の攻撃力が高いなぁ……。流石は長柄武器というしかないけど、片手武器で破壊力7のウォーハンマーも凄い。とりあえずラスティアとキャスティに渡して交換しておくか。2人の持ってたのは……捨てよう。


 耐久力も落ちてるし、良い物でもない。後はスノートレウッドと黒亀甲羅なんかを使って適当に武具を作ろう。そろそろこのランクの武具も卒業だし、丁度いい。他のプレイヤーが買ってくれるかは分からないけどね。


 【昏睡眠】を使いつつ精力的に物作りをしたものの、流石に夜も遅いので素材を使いきる前に寝る事に。本日はここまで。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 10月27日 金曜日 AM8:22



 今日は3人を連れて魔隠穴にいく日だけど、今日一日での突破は無理だろう。まずは中級に上げる事を考えなきゃいけないし、それをするには時間もかかる。唯でさえ3人はログインが隔日だからね。


 プレイヤーマーケットの売り上げを………何か凄い売れてるんだけど? 1日の最高売り上げを更新したんじゃないかな、これ。


 ビックリするけど、このレベルの武器ぐらい作ってる人は居ると思ってたんだけどなー。もしかして居ない?。


 とにかく売り上げを入れて、ファルとキャスティの作った物をプレイヤーマーケットに流す。いやぁ、それにしても驚きだよ。あんなに売れるなんて。


 もうちょっと早めに売り出しておいた方が良かったかな?。


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