0335・魔鉄作り
前回魔銅を作ってから、魔力金属は作っていない。たまたま何だけど、今回はしっかりと作成する。とはいえ時間が時間なので長々と作成できる訳じゃない。
とはいえ、どうしてもこんな時間になってしまう。午前は素材集めをしなければいけないし、午後はダンジョン攻略だ。どうしても空いている時間が夕食後~寝るまでしかない。
まあ、それはいいとして、魔鉄の作成に取り掛かろう。まずは魔炭の板を取り出して、そこに精錬した鉄とフリーズベアの爪を粉にした物とアイススライムの抜け殻を置く。そしてゆっくりと【合成】すると……。
「うん、やっぱり失敗したね。一度目は上手くいかないと思ったけど、「ギュン」じゃなくて「グン!」って感じだったよ。予想以上に反応が速いというか、力強いというか……」
急に来るのは変わらないけど、魔銅の時と比べて反応の速さと力強さがある。これに合わせるのも大変だ……!?。
「こっちもこのパターンか。「グン!」と来た後に「フッ」と遅くなる。ジェットコースターみたいに緩急つけるの止めてほしいなあ」
失敗したけど素材は残っているので再び開始する。「グン!」となって、「フッ」と落ちるのにも対応し、ぬあぁぁぁ!!!。
「いやいやいやいや。「グン!」と来てさぁ! 「フッ」と抜けるじゃん。そこまではいいよ! でもさ、「ギュ!ギュン!」ってなに!? その反応おかしくない!?」
失敗しすぎたんだろう、魔炭の上の素材が壊れて朽ちた。失敗しすぎるとこうなるって分かっただけいいか……。それにしても反応がおかしいというか、物凄くムカツク反応の仕方をするなぁ。
気を取り直して、再び素材を置いて始める。今回は慎重に、慎重に…………出来た! 「ギュ!ギュン!」て部分は殆どラストの反応だったよ。アレを超えれば終わりだったんだね。
―――――――――――――――
<金属> 魔鉄 品質:7 レア度:4
魔力金属の鉄。魔力の流れがスムーズであり、更に魔力に対する耐性を持つ。しかしそれ以上に闘気に対する耐性を持つという、不思議な魔力金属
―――――――――――――――
「成功したね。もうちょっと頑張って量産しておくか。さっきので要領は分かったし。完成させる事が出来れば、後は数を熟すだけだ」
僕は幾つもの魔鉄を作っていくが、最初に作成したのと同じである、品質7を超える物は作り出せなかった。納得はしたものの、今の素材と腕ではこれ以上は無理という答えしか出ない。
悔しいものの、レベル上げを頑張るしかないなと気持ちを新たにした。
―――――――――――――――
サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました
サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました
―――――――――――――――
せっかく魔鉄を量産したんだから、それで武器を作ってみるっていうのは当たり前だよね。そう思い、魔鉄を大量に使って武器を作成する。上手くいくかどうかは知らないけど、とりあえずやってみよう。
―――――――――――――――
<槍> 魔鉄の笹穂槍 品質:6 レア度:4 耐久770
総魔鉄製の槍。穂先は笹穂型で、切る事も突く事も行いやすい。魔鉄を使っているので闘気に強く、魔法使い系に重宝される品。ただし生体素材に比べて重量が重くなりがちなのが玉に瑕
攻撃力27 破壊力2
―――――――――――――――
―――――――――――――――
<棒> 魔鉄の六角棒 品質:6 レア度:4 耐久820
総魔鉄製の棒。ただの棒なので様々な使い方が出来る。魔鉄を使っているので闘気に強く、魔法使い系に重宝される品。ただし生体素材に比べて重量が重くなりがちなのが玉に瑕
攻撃力25 破壊力6
―――――――――――――――
アイストレウッドの物と比べて攻撃力は1しか違わない。しかし破壊力が1高いのと、耐久力が100以上増えている。流石にこの違いは大きい。特に耐久の高さは、物凄く魅力だ。
そのうえ金属製なので、研ぐと最大値が落ちるものの耐久力を回復できる。僕は研ぎのスキルを持ってないけど、修理に出せば回復してもらえるだろう。練習の為にも壊して新たに作るんだけどさ。
こうなってくると他のメンバーのも作っておかないと五月蝿いか。寝るのが遅くなりそうだけど仕方ない。
―――――――――――――――
<格闘> 魔鉄のトンファー 品質:6 レア度:4 耐久790
魔鉄製のトンファー。攻防一体の武器ではあるものの、魔物と戦うには工夫が必要な武器。魔鉄を使っているので闘気に強く、魔法使い系に重宝される品。ただし生体素材に比べて重量が重くなりがちなのが玉に瑕
攻撃力25 破壊力4
―――――――――――――――
―――――――――――――――
<格闘> 魔鉄のヌンチャク 品質:6 レア度:4 耐久770
魔鉄製のヌンチャク。持ち運びやすく、なかなかの威力がある武器。しかし魔物と戦うには工夫が必要。魔鉄を使っているので闘気に強く、魔法使い系に重宝される品。ただし生体素材に比べて重量が重くなりがちなのが玉に瑕
攻撃力26 破壊力5
―――――――――――――――
―――――――――――――――
サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました
―――――――――――――――
今日は何だか一気に錬金術師のレベルが上がったな。魔銅に比べて魔鉄の難易度は高いのかな? 魔銅の使い道はあまり無いんだけど、魔鉄の使い道は多いからね。特に武具関係に。
すぐにレベルは上がりにくくなるだろうけど、それでも現状では経験値の入手効率が良さ気だ。プレイヤーマーケットに流す事も考えて、何度も作成していこう。ま、とりあえずセナに渡しに行くか。
……訓練場に居たセナに渡したけど、早速振り回してたよ。まるで玩具をもらった子供みたいだ。毎回ああなんだよねえ、セナは。
ま、いいや。本日はここまで。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2000年 10月26日 木曜日 AM8:19
今日もログインなんだけど、朝の雑事の最中にシズと話し合って、そろそろサキュリアに行く事になった。ナツやイルにユウヤも連れて行きたいところだけど、まずは僕達だけで行って話を聞く。
呼び出しがあった訳だし、無視している形にもなっているしね。これ以上の遅れは流石にマズい気もする。
ログインして売り上げを回収。倉庫に入れて、売り物を流しておく。ラスティアとキャスティに声を掛けたら、師匠の家のソファー部屋へ。そのまま2人を呼び出して、トモエも混ぜて話し合う。
「<支配>の所に行くって訳ね。確かに無視してる形になってるとも言えるけど、仕方がない部分もあるでしょ。こっちでやる事も色々ある訳だし」
「そうなのよ。流石に師匠は分かってくれるとは思うけど、他のがねー」
「とりあえず、行ってみるしかないのでは? 私としては何かと戯れているイメージしか無い人物ですが……」
「そうね。トモエほどじゃないけど、若干似てる部分はあるのよ。アイツって生き物好きだし」
「私はモフモフが好きなのであって、生き物全般が好きな訳じゃないから。そこは全然違うから!」
「知らない、分からない人からしたら、違いなんて無いよ。あくまでもトモエの拘りなだけで、他の人からしたら興味無い部分だろうしね」
「興味無いとか言ってくれるじゃない。モフモフ好きの同士達が黙ってないわよ?」
だから過激派とか言われるんだし、趣味じゃない人にモフモフ好きの理屈を押し付けるのは止めなよ。




