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0332・素材集め中




 2000年 10月25日 水曜日



 今日は3人がログインする日なので、支配の魔女の所へは行けない。それはそれとして、さっさとログインして準備を整えよう。


 ログインして囲炉裏部屋。プレイヤーマーケットの売り上げを倉庫に入れ、倉庫から売るものを取り出してプレイヤーマーケットへ売りに出す。ラスティアとキャスティに声を掛けたら、師匠の家のソファー部屋へと移動。


 既に4人が楽しそうに話していたものの、そこにラスティアとキャスティを呼び出し、ファルの拠点登録を変更する。ファルにはいつも通り朝食を頼み、僕はソファーへ。


 足下にギンが来たので抱き上げ、膝に乗せてやると丸くなった。猫って寝るの好きだよね。



 「おはよう、コトブキ君。トモエから聞いたけど、サキュリアに行く事になったんだって? 私達も行ければ良いんだけど……」


 「おはよう、コトブキ。流石に転移札っていうのを持ってないから無理。魔石はあるから貰えれば転移できるけど、流石に転移する道具は難しい」


 「おはようございます。そんな道具があるんですね。私はまだレベルも低いですし、あってもMPの消費量的に使えなさそうです」


 「まあ、無理じゃない? 魔石を大量に持ってたら使えるでしょうけど、戻ってくるのも大変だろうし」


 「おはよう。そもそも転移札って人数制限ないんだから、ナツとイルは僕達が転移させれば一緒に行けると思うけど? パーティー組んでたら行けるんじゃないかなぁ……?」


 「あー………確かに行けそうね? じゃあ、コトブキお願いね」


 「は? 何を言ってるのさ? ナツかイルのどっちかはトモエと一緒に決まってるじゃん。どれだけ魔石を消費するか分からないんだから、片方の分はトモエが負担しなきゃ駄目でしょ」


 「えー………まあ、分かったわよ。流石に自分はMPだけで行けるだろうから、後は一人分の魔石かぁ。多分大丈夫だと思うんだけど、どうかなぁ……」



 会話中にファルが呼びに来たので食堂へ。朝食と聞くとギンは僕の膝から降りて、さっさと食堂に駆けて行ったよ。現金なもんだ。


 食堂の椅子に座って朝食を食べ始めると、師匠から話があった。



 「コトブキよ。魔力金属の作成はどうなっておる? あれから話もせんから上手くいっておるのか、それともやっておらぬかは知らぬが、練習は続けるようにな」


 「すみません。前に魔銅の品質8が出来て以降は、近くのダンジョンと神のダンジョンの攻略をしてました。そろそろ魔鉄を始めようかと思ってます」


 「それならば良いが、腕を上げるにも時間が掛かるでな。焦らずに腐らずに続ける事だ」


 「はい」


 「そういえば私も運営ダンジョンに行ってこないとなぁ。コトブキは何処まで進んだの?」


 「僕は36階までだね。そこが雨の降りしきるジャングルだったから、そこで止まってる。ラスティアとキャスティも連れて行かなきゃいけないし、攻略はまだ先かなぁ……。とりあえず、31階からの断崖をもう一度攻略ってとこ」


 「断崖?」


 「ネタバレするけど、31階からは幅5メートルぐらいしかない断崖の上を進んで行くんだよ。出てくるのはウィンドゴーストとクレイゴーレムとロックゴーレム。そして落ちると当然死ぬ……と思う」


 「いやいや、死ぬと思うって、落ちたら死ぬに決まってるでしょ」


 「それが落ちた事が無いから分からないんだよね。あと強風が吹いてるから、飛行系の魔物は飛べない。敵だってゴーストなくらいだし」


 「確かに。鳥系の魔物じゃないって事は、それぐらいの強風が吹いてるって事だもんね。後、ゴーレム」


 「ゴーレムに関しては避けられるよ。動きが遅いから無理に倒す必要は無くて、敵の攻撃を回避しながら走って逃げれば済む。ただしウィンドゴーストは魔法を使ってくるうえ、倒してもドロップが崖下に落ちるだけ」


 「なにそれー……もしかして倒すだけ損?」


 「衝撃を受けるタイプの魔法もあるから、油断してると崖から落ちるかも。ただし、倒す意味も薄いという嫌がらせモンスターかな?」


 「あるあるだけど、実際に出てくると面倒臭いタイプ。とにかく走り抜けるのが一番と見た」


 「だね。攻略した後だからこそ僕もそう思うよ。まあ、僕は全部倒して進んだんだけど」


 ((((やっぱり……))))



 朝食後、いつも通りユウヤと合流して豪雪山へと行くんだけど、ラスティアとキャスティのライダースーツを見て、ナツが騒いでいる。トモエは自分が着たら云々と言い、イルは魔法防御の事を考えてるみたい。



 「幾らなんでもこれは駄目だよこんなハッキリ体の線がでてるのなんて私は絶対良い事じゃないと思うしこれを作るなんてコトブキ君はいったい何を考えてるの」


 「コトブキ、あそこまでのライダースーツにする必要あったか? もう少しガッチリした硬めのにすりゃ、ここまで五月蝿くなかったと思うぞ?」


 「そんな事を言われても……って感じかな。とりあえず作ったのを見たラスティアが「自分に対する挑戦だ!」って言って着に行ったんだよ。で、ジャケットとズボンより魔法防御力が高いからキャスティも納得して、って感じ」


 「ああ、あっちの方が魔法防御が高いのか。そりゃ仕方ないな。防御力とか魔法防御力とか重要だし」


 「そうそう。それに体のラインが出るのがイヤなら出ない服を着ればいいだけよ。私は自分の体に自信があるし? 何よりそもそも【色欲】の悪魔だもの。私がアピールしなくて、いったい誰がアピールするのよ?」


 「何だろうな? 妙な説得力があるのは……」


 「【純潔】の天使も着てるのはどうかと思うけど、魔法防御が高いなら仕方ない。そして何より、あそこまでの物なら納得する」


 「何をそう納得するのか知らないけど、ちょっと大きすぎてアンバランス?」


 「それを言わないで下さい。そんな事は私自身が一番分かっています」



 もう危険な事も無い場所だからって余裕だね。そういう余裕を持ち過ぎてるとミスに繋がったりするんだけど、最低限の緊張感は持ってるみたい。それなら良いんだけど……。



 「あ、痛っ!? ……このぉ、アイススライムーーー!!」


 「ナツはブツブツ言って集中してなかった。ここは魔物が出る場所なんだから、最低限の緊張感は持たなきゃ駄目」


 「あんた達に緊張感があったかどうかは別だけど、最低限の警戒は行えてたみたいね。まあ、こういうのは慣れだけど」


 「そうですね。慣れれば自然に出来る事なんですけど、ナツには難しかったようです」


 「ううー……」



 何だか面倒臭そうなので僕とユウヤは関わらない。豪雪山が終わったら皆をウェズベア森へ行かせ、僕とファルとシグマとユウヤはバイゼル山で鉱石掘りだ。それが終わったらウェズベア森へ。


 ウェルズベアーとグリーントレントを十分に狩ったら師匠の家に戻り、ソファーの部屋でセナ用のライダースーツを作成して渡す。セスはジャケットとズボンの方が良いらしい。骨だと締め付けられて逆にキツイのかな?。


 セナが着てきたのでジャケットとズボンが余ったが、それは予備としてマイルームの倉庫に入れておく。魔法防御力が付いた装備なんて揉め事の元だし。


 ファルに呼ばれて昼食を食べに食堂に行き、皆と一緒に食べる。午後からは魔力金属作りか、それとも運営ダンジョンなんだけど……どっちにしようかな?。


 さっさと運営ダンジョンを突破した方が良さそうなんだよね。スカルモンド地方のダンジョンが40階までだったし、運営ダンジョンの方も40階で終わりっぽいんだ。


 すぐそこまで来てる以上は、ダンジョンの方を早めに終わらせよう。そう思い、全員をマイルームに呼んだら攻略を説明する。今回はラスティアとキャスティに、フォグとエストは確定で連れて行く。


 後は誰にしようかな?。


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