0310・ゾンビ・バード
朝食を終えた僕達は防寒具を着て豪雪山へと出発。いつも通りに転移していき、着いた豪雪山を右に進んで行く。適当に魔物を倒しながら進み、一応掘ったら林へと【ダークウェーブ】。今日も一体だけアイストレントが居た。
エストは何故か習得していた【浄化魔法】を使って、適度にダメージを与えているようだ。少しでも戦闘に貢献すれば経験値は入るので頑張ってほしいところだ。MPが無いと飛ぶ事も出来ないので、魔法まで使うのは地味に厄介なのだが、上手く使っているらしい。
右側が終了したら戻り、次は左側。慣れていないエストはともかくとして、他のメンバーは慣れきった行動なのでさっさと済ませてしまい、洞窟へと戻る。今日はアイストレウッドが3本なので調子は良かったと思う。
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召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
召喚モンスター:エストのレベルが上がりました
おめでとうございます。召喚モンスター:エストは進化が可能です
召喚モンスター:エストの【浄化魔法】に【クリーン】が追加されました
召喚モンスター:エストの【浄化魔法】に【セイントバインド】が追加されました
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ハイ・スケルトンバード:体の大きさは変わらず強化される形での進化となる。とはいえ体が脆い事に変わりはないので、物理攻撃には注意しよう
スケルトン・バードランナー:体が大きくなり足が太く強化される。飛べるものの走るのが速く、嘴や足での攻撃など物理攻撃力も高いのが特徴
ゾンビ・バード:肉が付いて耐久力が上がる代わりに、飛ぶのに必要な魔力が増える。どちらをとるかはネクロマンサー次第である
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この中だとゾンビ・バード一択なんだよねー。まずハイ・スケルトンバードは無い。このまま進化していっても、おそらくそこまで変わらないと思う。最後にはプテラノドンの骨格標本みたいになるかもしれないけど、最終系が見えているとも言える。
次にスケルトン・バードランナーだけど、こいつはもうダチョウになるのが何となく分かってしまう。もしくはドードーかな? 僕はクズじゃないから殴る蹴るの暴行をしたりしないけどね。
となると残るはゾンビ・バードしかないんだよ。消去法と言えなくもないけど、これだと進化の幅が広いから選べるのは多そうなんだ。何になれるか分からないけど、楽しみがある方を選びたい。では、ポチっと。
エストに肉が付いたけどボロボロだなぁ、帰った後でマイルームに行って<腐った肉>を与えておこう。それじゃあ、そろそろ帰ろうか。いつまでも遊んでると嫌われるよ、セナ。
「バサバサ、モコモコ!」
あぁ、うん。そうだね。羽根が生えたからか、その感触が良かったみたいだ。毎回触り過ぎて嫌がられるのは、何処かの誰かさんソックリだよ、本当。
師匠の家に戻りソファーの部屋からマイルームへ。防寒具を脱いで仕舞ったら、エストに<腐った肉>を食べさせて肉体を修復させる。それが終わったら倉庫に素材を入れて、再びソファーの部屋へと戻る。
声を掛けておいたラスティアとキャスティも移動させ、ファルをこちらに呼び出す。エストは進化したので新たに5つのスキルが持てるんだけど、何を持たせるべきだろう、ちょっと悩む。飛ぶんだし魔法系を充実させた方が良いだろうか?。
「そうねえ、私達の中では誰も持ってない【火魔法】か【水魔法】ってとこじゃない? もしくは【光魔法】かだけど、アレも役に立つと言えば立つから良いかもね」
「そうですね。【光魔法】を持っているのは私だけですし、鳥タイプの魔物は大抵の場合【風魔法】を持っています。むしろ【風魔法】を持たず【浄化魔法】しか持っていないというのは、非常に珍しいですよ?」
「うーん……そうなのかもしれないけど、【風魔法】はドースが持ってるしねえ。被っても良いんだけど、飛ぶ魔物に【風魔法】ってありきたり過ぎると思う。もっと安定して飛ばせるなら闘気も使わせればいいし」
「まあ、鳥系の魔物の中には闘気で強化して突っ込んで来る魔物も居るけど、コトブキはそれをさせたいの? 体が大きく爪が鋭い魔物じゃないと難しいわよ?」
「そうじゃなくて、地上から【風魔法】とか受けるとバランスを崩すだろうから、そういった際に強化して立て直せないかなと思ったんだよ。【浮遊】スキルも持つけど完璧じゃないだろうしね」
「確かに飛行系の魔物を落とすための常套手段ですね、【風魔法】は。それを強化してですか……考えとしては分からなくもありませんけど、どうなんでしょうね?」
エストの育成方向を考えているとファルが呼びに来たので昼食へ。その昼食の席で、ゾンビ・バードを見た師匠が珍しくアドバイスをくれた。
「ふむ、ゾンビ・バードにしたか。そこから先は色々あれど、コトブキなら特殊な種族に進化させる事ができるのやもしれんな。妾の配下にも仙力や心力を使える者はおるが、妾が魔女だからか特殊な進化はせなんだ。案外、魔闘仙であるコトブキならば特殊な進化をするかものう」
「ああ、ネクロマンサーの種族でも変わってくるかもねえ。そもそも仙人がネクロマンサーって珍しいっていうか、今まであったかしら?」
「私は聞いた事がありませんね。そもそも天使の星にはネクロマンサーが居ませんし、居るのは悪魔の星だけです」
「妾も知らんから言うたのだ。仙人の連中はどちらの星にもおるが、隠れ里に住んでおるうえに数が少ない。しかも大抵は【闘士】の者だ。仙人連中は妙に素手で戦う事を好む奴が多いから仕方ないのだが、何故であろうな?」
「殴り合いが好きなのか、修行の為には【格闘術】を鍛え上げるのが良いのか……。そもそも仙人じゃないから分からないし、案外、仙人の連中も分かってなかったりして。昔から何となくで続けてるとか?」
「何ですか、その微妙に有りそうで無さそうな理由は? 私も仙人に関しては詳しくないので何とも言えませんが、少なくとも昔から同じなら理由があると思いますよ? 何の意味も無いのに続けるほどマヌケでもないでしょう」
「それはそうだろうけど、知らない以上はマヌケの可能性もあるしねえ」
「それより午後からはマリアの依頼を熟しに行くのであろう? 分かっておらぬなら慎重に確認しておいた方が良いぞ。本当に叛意を持つのかどうかは知らぬがな。それらも込みでコトブキ達を送り込みたかったのかもしれん。あれも女王として色々考えておるし」
「ええ。とはいえ、何となく見下しているだけな気もしますが……」
どっちの可能性も否定できないというか、どっちの可能性もありそうなんだよね。他種族は例外無く見下すというのもありそうだし、叛逆の為の準備を見られても困る、というのもありそうだ。
創作物にありそうなパターンとしては両方ともだから、どっちかは何とも言えない感じ。とはいえ第一は依頼内容だから、森と山の調査の方が重要だけどね。
それに……ワザとああいう態度をとっているっていう可能性も考えてる。僕達というか勲章を手に入れる為の試練? としての嫌がらせ。それも有りそうなんだよねー……。




