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0301・新たなアップデート内容




 2000年 10月19日 木曜日 AM8:19



 今日はログイン出来る日だ。昨日はアップデートの為の休みだったので、一日授業を受けていた。残りは本当に僅かになってしまったので、このままゲームをしていても今年度分の授業は終わるだろう。


 今日は全員がログインするので、適当にダラダラしようという事になっている。場所は師匠の家に決まったけど、何故かは知らない。まあ、師匠なら怒らないとは思うし大丈夫だろう、きっと。


 公式イベントの最後の最後に【生命力操作】なんていうスキルを得たけど、アレって結局どういうスキルなのかイマイチ分かってないんだよね。説明も見てないし、何となく<死王>関係に特効だと思うんだけど……。


 ここで悩んでいても仕方ないから、とりあえずログインして色々しなきゃいけない事をしていこう。


 ログインしていつもの囲炉裏部屋。僕はとりあえずプレイヤーマーケットを覗き確認するも、売り上げは無かった。まあ、公式イベント終了後にマイルームに飛ばされてのログアウトだったからね。


 その後に売れていたら売り上げはあっただろうけど、皆も公式イベント後だからプレイヤーマーケットで売り買いなんてしないだろう。僕も疲れていて、売り上げの回収とかしたらさっさとログアウトしたぐらいだったし。


 そんな事を考えていたら、ラスティアとキャスティがやってきた。2人は何か言いたい事があるらしいけど、何だろう?。



 「ここ最近、神の作った特殊な場所で聖人どもと遊んでたのはいいんだけどさ、私達ずっとここに居る羽目になってるのよ。そろそろ流石に一度戻りたいと思うのも当然じゃない?」


 「あー、ごめん。昨日はそもそもこちらに来れなかったんだよ。事情があって今日ようやく来れたぐらいだし、今日からはいつも通りだけど、まずは師匠の家で集まる事になってる」


 「まあ、戻れるなら構いません。ここは誰にも襲われませんが、代わりに閉じられた世界とも言えます。出来る事が大してないので、色々と息が詰まりやすいのですよ。流石の私達も大変です。召喚モンスター達はそうでもないようですが」


 「あの子達はあんまり気にしないでしょうし、いまだに何かの修行したり昼寝してたりと、好き放題な暮らしをしてるだけだしね。あれはあれで良いと思うけど、私達には耐えられないわ」



 プレイヤーマーケットなどの確認も終わったので、僕は呼び出す事を言って師匠の家に転移する。ソファーの部屋に来た僕はファルを拠点切り替えしようとして固まった。……あれ? パーティって最大8人だよね? そして使い魔は別枠……。


 ファルを連れて行けるじゃん! 僕を合わせても召喚モンスター含めて上限ギリギリで問題ないんだよ! あー! 失敗した!! 今まで多くの経験値を稼がせる事ができた筈なのに!!。


 僕がド級の勘違いをしていた事をファルに謝ると、ファルは仕方がないという感じで許してくれた。いやー、完全にやっちまった感が酷い。どれぐらい酷いかと言ったら、使い魔2人に召喚モンスター、更にはトモエとナツとイルからもジト目を喰らってるぐらい。



 「流石に無いわー。勘違いしてて連れて行ってなかったとか、流石にどんな初歩的ミスよ。コトブキ、骨2、グール、馬、タヌキ、幽霊、鎧。ちょうど8人だから問題なくパーティー組めるわねえ」


 「召喚モンスター達の言い方はどうかと思うけど、確かにちょうど8人だね? コトブキ君らしからぬ失敗だけど、挽回は出来るから良いんじゃないかな。失敗も碌に無いと、それはそれで怖いしね」


 「失敗した事が殆ど無いと、極僅かな失敗で駄目になる。立ち直りが早いのは良い事だけど、失敗しないと立ち直り方も分からない」


 「流石の僕だってそれなりに失敗はしてきてるよ。皆には見えないかもしれないけどさ、悶絶するほど恥ずかしい失敗も無い訳ではないしね。それはともかくとして、ユウヤはまだ来てないの?」


 「ユウヤは遅れてログインするみたいだから、放っておいて良いんじゃないかな? それよりもアップデートで何が変わったか見ていかないと」



 そのナツの一言で、アップデート内容のウィンドウを出して読んでいく。色々と細かい修正がされているみたいだけど、大きいのは少ない。今回はこれだけとなるようだ。



 ★★★★★★★★★★★★★★★



 ・現在2万人のプレイヤー枠を8万人増やして10万人に。多くの人がログインするようになる為、監視体制の強化を実施。問題が起きた場合には素早くGMコールを


 ・天使の星と悪魔の星にて<死王のオーラ>を持つ者が出現する。通常に比べて高い経験値を持つものの、強いので注意。場合によっては名を売るチャンスになるかも?


 ・店売りの装備の更新。新たな武具が売り出されるものの、中には特定の資格が無ければ買えない物もある。資格については様々であり一律同じではない


 ・魔物のレベルや能力などを修正。ダンジョンの魔物も含むものの、一部ボスの強化も含まれる。ボスの中には通常種と変わらぬ能力だが極めて強い者も居るので、ボスと戦う際には慎重に立ち回ろう


 ・一部NPCの好感度修正。今まで一部のNPCに反映されていなかった数値を反映するように修正。これによって急に態度が変わる場合もありますが、驚かないようにお願いします


 ・転移魔法陣の段階的解放。各国の王都には複数の転移魔法陣があるものの、今までは各国に転移する魔法陣しか使えなかった。これを段階的に解放。ただし使える者は資格のある者だけなので、頑張って資格を得よう


 ・モンスターの増加及び、新モンスターの出現。通常フィールドにおいて新しいモンスターが出現するようになっている。素材も当然違うので、色々と探してみて下さい



 ★★★★★★★★★★★★★★★



 「今回ので気になるのは<資格>かなぁ? 強力な装備を買ったりとか、色々な転移魔法陣を使うには<資格>が必要みたいだし。その<資格>というのを手に入れる為には、名前を売らなきゃいけない……んだろうね」


 「このアップデート内容を見ると、そんな感じ。でも<資格>を得る為には色々な事をしなきゃいけないんだと思うし、一律同じじゃないって書いてある。もしかして各種ギルドで有名になるとか?」


 「可能性はありそうだけど、それ以外にも色々な道があるんじゃない? そう簡単に答えを出さなくても良い気はするけど……って、コトブキ。それって確か……」


 「これは<ブラッディア血聖勲章>。この国の女王であるマリアさんから貰ったんだけど、コレも<資格>とやらの一つな気がする。一応は女王様から直接下賜される物の一つらしいから」


 「「………」」



 何というか、2人とも「またか、お前」という顔をしているね。トモエはその時に居たし何となく覚えてたんだろう、「そういえば、そんなのあったわね」と言ってる。


 そのトモエに対して2人は、「知ってたのなら、説明しておいてよ」という表情を向けている。何だろう、表情で会話してるんだろうか? 声に出せばいいのに。



 「ゴホンッ! 仮にそれが資格だとしても私達には手に入れられないし、私達は別の方法で<資格>とやらを手に入れるしかないよ。それは女王様からの依頼があってでしょ? という事は……」


 「権力者とかから依頼を請けて熟せば、<資格>とやらが手に入る可能性が高い。それが何処までの<資格>かは分からないけど……。コトブキのは高い資格っぽい」


 「そうかな? そこまでじゃない気がするけど……。この勲章、功績とかを讃える勲章じゃないらしいし。女王が若くて有能そうな人に唾を付ける為の勲章だそうだよ? 師匠はそう言ってたから」


 「「………」」



 2人が急に微妙そうな顔になったね。……ファルが呼びに来たから食事に行こうか?。


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