表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/560

0030・サブ職業のクラスアップと種族進化




 革の剣帯には武器を差し込む箇所が最初から左右に1つずつある。正しくは鞘裏の部分を差し込んで固定する所なのだが、セナに言ってそこにトンファーを差し込ませる。次に木の棒を取り出して、それを50センチにして二本作る。


 最後に片方の先端に丸く穴を空け、そこに麻縄を通してから縄の先端を【融合】すればヌンチャクの完成だ。それをセナに渡すと振り回し、何度か自分やドースに当ててしまったがコツは掴んだようだ。器用は低くないし大丈夫だろう。


 <屍人の森>の師匠の家に続く道で出てきたゾンビに対して振り下ろし、綺麗に頭を潰したので気に入ったようだ。トンファーと違って麻縄の部分で離れている為、更に手や腕を痛めずに済むだろう。よほど気に入ったのか、まだ振り回してる。


 師匠の家に戻り、ソファーのある部屋の隅にお金を置かせてもらう。これでお金が無くなる危険は無い、ある意味で一番安心な金庫だ。そもそも持っていても意味無いし、これから先デスペナルティを受ける可能性も出てくる。実は未だにデスペナルティは無いままだ。


 ベータ時代にも無かったのだが、正式版でもデスペナ無しだとは思えない。こういうゲームでデスペナが無いと、ゾンビアタックを始め色々出来てしまう。流石にそれを運営が許すとは思えない。ここまで無いとなると、職業レベルが一定以上になったらだろう。


 師匠の家で夕食をとり、そういえば女王が来ていて昼食は無かったなと思いながら、ソファーに寝てログアウト。リアルで雑事を熟したら、課題を終わらせていく。シズは大丈夫かな? 後で五月蝿く言わなきゃいいけど。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 7月31日 月曜日 AM8:17



 昨日は帰ってきていない両親は、そのまま仕事に行ったようだ。御蔭で楽が出来ているが、明日の洗濯物は多そうだなぁ。それはそうと、雑事は終わったのでログインしよう。


 師匠の家で朝食をいただいた後は、<屍人の森>の中層へと向かう。その間にも復活している枝を落とし、石を集めては投擲用の石球を作っていく。この武器はもう手放せない物になりつつあるなー。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・見習いのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 おっと、オッサン盗賊どもでそれなりに経験値を稼げていたらしい。流石にそろそろ終わりそうな気がするが……そう思い中層に近付いていると、その時が来た。



 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・見習いのレベルが上がりました

 新たな錬金術スキル:【破砕】を習得しました

 サブ職業:錬金術師・見習いは規定のレベルに達しました。新たな職業を選択して下さい


 おめでとうございます。職業の見習い期間を終了しました。これよりデスペナルティを解禁します、詳しくはヘルプを御覧下さい


 ―――――――――――――――



 やっぱりそうか。見習い期間の間はデスペナルティは無いけど、メインかサブのどちらかの見習い期間が終わるとデスペナが解禁される。そして……うわぁ、きっついなコレ。デスペナが思っていたよりも重い。


 ・死亡した後、死亡転移登録されている場所へ飛ばされるが、デスペナルティという状態異常を受ける。

 ・状態異常:デスペナルティ開始時は、能力値の1割しか発揮できない。その後、10分毎に1割の能力値が戻っていく。全ての能力値が発揮できるようになると、状態異常:デスペナルティは解除される。

 ・状態異常:デスペナルティ時、能力値の4割が発揮できるようになるまで、HPやMPにスタミナなどの自然回復はしない。

 ・死亡時、ランダムに選ばれた武具が破損する。耐久力が0になると全損扱いになり壊れてしまう。これにはアクセサリーも含まれる。ただしアバター専用の着せ替えアイテムは含まれない。

 ・死亡時、経験値が一定量減少する。ただしレベルダウンは発生しない。これにはテイムモンスターや召喚モンスターも含まれる。

 ・死亡時、所持金の何割かを紛失する。その割合はランダムで一定ではない。ただし最低2割は絶対に紛失する。


 以上がデスペナルティの内訳だ。流石にデスペナルティだけあって重い。しかし、デスペナが長い間無かった反動かと言いたくなるぐらいに重い。まあ、決まってる事なんで諦めよう。


 次に考えなきゃいけないのは、次のサブ職業なんだけど……<錬金術師・下級>以外は他の職業があるだけだ。鍛冶師とか薬師とか。別に他の職業なんてする気が無いので、<錬金術師・下級>を選ぶ。



 ―――――――――――――――


 サブ職業に錬金術師・下級が選択されました

 新たな錬金術スキル:【分離】を習得しました


 ―――――――――――――――



 よーし、デスペナを受けるようにはなったけど、サブ職業がクラスアップしたし幸先は良い。この調子で中層での戦闘を熟そう。今ある壊れそうな石球は11個だ。ボーンファングベアを3頭、もしくは4頭は倒せる筈。


 それじゃ、行くぞ!。



 「カタ!」 「う!」 「ガチ!」



 僕達は気合いを入れて中層へと侵入した。今回の第一モンスターはすぐに見えた。まだこちらには気付いて無いっぽいので、先に鑑定しておこう。



 ―――――――――――――――


 <ゾンビダークタイガー> アンデッド Lv4


 生前は強力な虎の魔物だった個体。死した後、【闇魔法】が使えるようになっているので注意


 ―――――――――――――――



 マジで? 魔法もちかぁ……それっぽい魔法使いじゃなく、近接戦闘が強そうな魔法使いだな。とにかく、いつも通りに……先手必勝!!。



 「ギャウ!? ……グルルボァッ!?」



 尻にぶつけてやって気付いたのはいいけど、こっちに向かって唸る余裕なんて無いでしょうに。そんな事をしてるから石球を2発も喰らうのさ! おっと、本気でキレて襲ってきたっぽい。僕の方に来たけど、僕の前に素早くファルが出て盾を構える。



 「グラァッ!! ガアッ!?!!?」



 ファルの盾に爪で攻撃した刹那、セナのヌンチャクが頭に降ってきて行動キャンセルになった。セナ、完全に狙ってたね? 後は皆でボコるだけだ。一気に殺るぞー!!。


 ……結局、このゾンビ虎も良いところが全くなく沈んだ。哀れではあるが、こっちも死ぬ訳にはいかないんで成仏してよ。なむなむ。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました

 おめでとうございます。召喚モンスター:ファルは進化が可能です


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました

 おめでとうございます。召喚モンスター:セナは進化が可能です


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 おお! ついに2人の進化の時が来た。とりあえず浅層に戻ろう。こんな所で迷ってたら殺される。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 よしよし、戻ってこれた。これからじっくり考えるんだけど、まずファルは3種の魔物に進化可能だ。それが、コレ。



 ―――――――――――――――


 ・スケルトン・ファイター・下級:近接戦闘のスケルトン。打撃に弱いので注意が必要

 ・スケルトン・マジシャン・下級:魔法使いのスケルトン。魔法が使えるものの、フレンドリーファイアに注意

 ・スケルトン・クラフター・下級:生産活動が出来るスケルトン。休まずにコツコツ物作りをしてくれるが、拠点が無ければ大した事はできない


 ―――――――――――――――



 さて、どうするか……?。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ