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0269・新しい鎧




 衝撃的な一言をトモエから聞いたけど、そこはスルーしてファルを呼び出す。料理をしに行くファルを見送り、僕はトモエの話に適当に相槌を打ちつつコタロウの相手をする。何故か僕の所に来るので相手をしていると、ギンが体を割り込ませてきた。


 猫ってこういうところあるよね、って思いつつも両方の相手をする僕。それを見て愚痴ってくるトモエ。別に懐いていない訳じゃないらしいけど、何故か僕の方に行くのが納得できないようだ。僕も何故来るのか分からないんだよね、昔からだけどさ。


 ファルが呼びに来たのでマイルームへ行き、2人に声を掛けてから部屋に戻って呼び出す。朝食を食べていると今日の予定をラスティアに聞かれたので、昨日と同じく豪雪山の後は物作りをする事を伝えた。



 「昨日は革鎧に黒亀甲羅を小さくして取り付けていったんだよ。スケイルアーマーに近いのかな? 一応貼り付けるという形に近いんだけど、でもガッツリ全部貼り付けてる訳じゃないし……【錬金術】で作ってるから」


 「……ちょっと何言ってるのか分かんない。それってどういう事?」


 「スケイルアーマーっていうのは、革鎧とか鎖帷子の上から金属片とかを縫いつけたり貼り付けた物だと考えればいいよ。革鎧だけだと防御力がね、そこまでないからさ。重くなるのを覚悟で甲羅片を貼り付けて補強したんだよ」



 昨日ログアウトしてから調べたんだけど、スケイルアーマーとスプリントアーマーの違いは分からなかった。色々な情報が錯綜している感じ? 現実に本当にあったのかどうかは不明で、何とも言えない結果になったよ。多分あったんだろうけど。


 それはともかく、僕としては音が鳴っても良いから動きやすい方が良い。動きが制限されるのはちょっと……ねえ。



 「つまり……前に甲羅をつけて補強したって事? ああそういう事ね。私達のを作った後、わざわざそんな事をしてたんだ。でも音が鳴るのもあまり良くないんじゃない? 特に森の事を考えたら音がしないに越した事は無いわよ?」


 「あー、そうかー……。でも硬くて動きにくい鎧っていうのもどうなんだろう? 作って着てみないと分からないけど、糸を買ってきて実際に縫い付けた方が良いのかな? それとも錬金術で【融合】してしまった方が防御力的にも良い?」


 「スケイルアーマーとやらにする代わりに、甲羅片をより小さくして【融合】してみたらどうじゃ? それで多少は改善するであろう、あくまでも多少だが。しかし防御と音が鳴らない事を優先せよ」


 「やはりその方が良いですかね? 動きが制限されると上手く戦えないかもしれませんが……」


 「そこを怖れては上手くいくまい。制限が掛かるなら制限内で何とかしようとせい。それもまた修行よ」


 「分かりました。そちらの方向で頑張ってみます。……あっ、それはそうと2人とも。聖人達の行う城取りだけど、召喚モンスターとか使い魔は参戦出来ないんだって。だからお留守番ね」


 「「えっ!?」」


 「腹立たしいわよねー。いきなり今日知らされたのよ? 召喚モンスターも使い魔も、支配モンスターも従魔も駄目なんですって。稀人以外の参戦は認めないって」


 「えー……何よ、それ。面白そうなのに参加出来ないとか、冗談でしょ? 本当に?」


 「まあ、駄目だと言われるなら諦めましょう。神様がそうお決めになった以上は何かあるのでしょう。私達が参加すると都合の悪い何かが」


 「ぶー……。まあ、諦めるしかないかー。文句言い続けて粛清隊が来たら怖すぎるし」


 「そこまで言い続けるのもどうかと思いますけどね?」



 そんな会話の朝食も終わり、豪雪山に行って素材を確保する。それが終わったら師匠の家に戻り、各素材の精錬などを済ませて少し休む。ファルを呼び出すついでにマイルームへ行き、昼食が出来たら呼ぶ事を話しておく。


 適当に過ごしているとファルが来たので昼食を食べ、終わったらマイルームへ行ってログアウト。リアルでの雑事や昼食を終わらせたら再びログイン。午後からの物作りを開始する。


 まずはマイルームの倉庫からお金を取り出してソファーの部屋へと移動。皆を連れてゼット町へ。襲ってくる魔物以外はスルーして進み、周囲の景色を見ながら歩きゼット町に到着。


 門番に挨拶しつつ中に入ると、真っ直ぐ武具屋に行って革鎧を見る。アップデートで商品が追加されているのか、ファングベアの革鎧とか、ブラウンタイガーの革鎧とかが売っている。何の皮か分からない革鎧とは違うらしい。


 僕は店主にソフトレザーの革鎧を聞き、その中から体を動かしやすそうな鎧を選択。皆の分を購入した。先ほどあったブラウンタイガーの革鎧だけど、ソフトレザーだから皮鎧だろうか?。


 僕、ラスティア、キャスティ、ファル、セナ、セス。6人分の革鎧を購入し、それ以外は特に買う物も無かったので帰る。またもやテクテクと歩きつつ、たまにはこういう日もいいなと思いつつ師匠の家へと戻った。


 師匠の家のソファーの部屋からマイルームへと移動し、囲炉裏部屋で皆の革鎧を補強していく。まずは自分の物だが、師匠が言っていた通りに甲羅片を小さくして【融合】する事にした。時間が掛かるけど仕方ない。


 今日も午後からは物作りなので時間はあるし、昨日の夜にフリーズベアの皮は手に入っている。それも含めて色々作っていこう。



 ―――――――――――――――


 <鎧> 茶虎革と黒亀甲羅のスケイルアーマー 品質:6 レア度:2 耐久460


 ブラウンタイガーの革鎧にブラックトータスの小甲羅片を取り付けた鎧。しっかりと取り付けられているので音はしないが、甲羅片の所為で革鎧よりは体を動かしにくい。ただし高い防御力を実現しているので、優秀な鎧ではある

 防御力18(闘気強化時20)


 ―――――――――――――――



 昨日作ったスケイルアーマーっぽい鎧とは雲泥の差だなー。元々の鎧が良い物だからだろうけど、この調子で作っていこう。それと昨日の鑑定結果が<革鎧>だったのは、おそらく甲羅片が大きすぎたんだと思う。昨日より小さくしたらスケイルアーマーって出てるしね。


 5人分の鎧が終わり、次は皆の分のブーツなどだ。これもファルやセナなど順番に作っていき、夕方までには終わらせる事ができた。


 昨日作った革鎧は【粉砕】して壊したが、購入した物はプレイヤーマーケットに流す事にした。第3陣なら買うかもしれないし、中古品なので値段が相応に下がっている。だから売れるだろうと思って出したんだ、イベント前だしね。



 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました

 サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました

 サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました

 ※【錬金術】スキルに【均質】が追加されます


 使い魔:ラスティアのサブ職業:踊り子・下級のレベルが上がりました


 使い魔:キャスティのサブ職業:農家・下級のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 流石に個数が多かったのか随分とレベルが上がったなぁ。それと甲羅片が細かかったからかな? 上がる分には良いんだけど、正直に言って疲れたよ。細かい作業が多かったし。リアルなら眼とか肩とかの疲労が凄かっただろうね。


 ファルが呼びに来たのでマイルームへと行き、農地に移動してキャスティに声を掛ける。次にベッドの部屋に居るであろうラスティアに外から声を掛け、夕食なのを伝えてからソファーの部屋へ。


 2人を呼び出すと、何故かラスティアは踊りのポーズのまま固まっていた。その後はまた怒り始めたが、今日は声を掛けてるから怒られても困るんだけどね? キャスティでさえジト目で見てるよ。


 流石にそれで声を掛けたのが事実だと分かったのか、「ゴホンッ」と咳払いして食堂に行ったけど。


 何で声を掛けたのに聞いてないんだろう? それだけ集中してるのかな?。


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