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0268・公式イベントの新たな情報




 ソファーの部屋に移動すると、そこにはトモエが居て話しかけられた。どうもリナとリーダの武器と盾を作ってほしいらしい。片手斧と棍棒と盾だけど、盾は白曜石で作ってほしいらしく精錬も頼まれた。


 仕方ないなと思いつつ、精錬した後で聞いていく。シグマには半月型の戦闘用の斧を作ったけど、リナは何が良いのか分からなかったので、適当に買ったカッパーウッドの残りを色々な形の斧に変えて振らせる。


 最終的にリナが納得したのは三日月型のタイプで、何故かリーダはまさかりが好みのようだ。……いや、聞いてないんだけど?。


 まずは柄を作り、その先端の方に横に伸びた棒の部分を作成する。その先に三日月型の刃を作り、その刃の部分に黒亀甲羅を被覆したら完成。甲羅部分が重いので先端に重量が寄るが、そもそも斧とはそういう物なので問題なし。


 ついでに柄の先の方や、横に伸びた棒部分にも被覆して重量を増やしておく。あまり重くしすぎると使い勝手が悪いが、この程度なら身体強化でどうにでもなる。その後はリーダの武器だが、本人に様々な事を聞いた結果、大きめのメイスとなった。


 通常のメイスと違ってオーガ仕様のメイスと言ってもよく、長さは1メートル20センチもある。これを片手で使うのだから、流石はオーガだと思うよ。そもそも柄もオーガの手に合わせて太いし。今までの棍棒、合ってなかったんじゃないかな?。



 ―――――――――――――――


 <棍棒> 雪怪木と黒亀甲羅のロングメイス 品質:7 レア度:3 耐久530


 スノートレウッドとブラックトータスの甲羅を使って作られたフランジ付きのメイス。その長さに遠心力を加えた威力は高く、更にフランジの刃に力が集中する事で、相手の頭を兜ごと簡単に叩き潰す

 攻撃力22 破壊力8


 ―――――――――――――――



 これはもう攻撃力じゃなくて破壊力の武器だね。棍棒は元々そうだけど、これは完全に破壊用の武器だ。相手の頭をカチ割る為にあると言っても過言じゃない。そんな事を思いつつも作成は終わり、トモエは2人をマイルームへと連れていった。


 それを見届けた僕はファルに呼ばれたので食堂へと行き、ラスティアとキャスティを呼び出す。前回と同じく踊りと中腰の状態で召喚されたからか怒られ、謝罪した後に食事を始める。それを見て師匠が呆れていた。



 「そのマイルームとやらに行って声を掛けるのも2度手間だから分からぬでもないし、時間的にそろそろ呼び出されると分からんのか? 食事時なのじゃから呼び出しても構うまい。努力など見られても今さらであろうが」


 「そうは言うけどねー、小さいところにも個人の技術ってあるのよ? そういうのを見られたくないっていうのも分かるでしょ」


 「お主の場合は見られる事が前提なのだからして、見るなとは言えまい。仮に練習を見るなと言うたところで、踊り子はそなただけぞ。ならば尚の事さしたる問題では無かろう。見られて恥ずかしがる必要などない」


 「私としては作業が放ったらかしになるので止めてほしいですね。戻って農地を見ると何をしていたか忘れる事があるんですよ。細かい事だと覚えていない事もありますし……」


 「いきなり呼び出したコトブキが悪いという事で、この話はお終いね」



 僕が悪いのかな? 何だか理不尽な気がするけど、今日は声を掛けてなかった……か。だったら僕が悪いし、言われてもしょうがない。いつも呼び出してるからわざわざ……という考えは良くないし、声はちゃんと掛けないといけなかったね。


 ただ、そういうマナーに関してトモエにはあまり言われたくはない。だからこそ話を打ち切ったんだろう、このままじゃ自分に飛び火するから。


 夕食後、ソファーの部屋からログアウト。リアルでの諸々を終わらせてログイン。今日は防寒具を着て豪雪山へと行く。夜の豪雪山にはどんな魔物が出るのか見た事がないのと、あわよくばフリーズベアが出ないかと思って転移。


 豪雪山に着いたら右へと行ってみると、早速フリーズベアが出た。やっぱり夜なら出るみたいだ。豪雪山に出現する魔物なのに、洞窟にしか出ないっておかしいって思ってたんだよ。今は1人だけど、フリーズベア相手でも六角棒で十分戦える。


 頭をカチ割るか、【闘刃】螺旋突きを喉元へ突きこんで倒し、皮や牙や爪などをゲットしていく。一応短剣の事もあるので、牙や爪が得られる事は悪い事じゃない。短剣などは魔力系にしておいた方が無難な気もするし、全部を闘気系装備にしても使い勝手は悪いだろう。


 どちらもを使える様にしておいて、適宜変えていくのがベストかな。僕の場合は棒手裏剣が白曜石製だし、そっちでも戦えるでしょ。後は魔法もあるから問題ないしね。問題は棒手裏剣で【魔刃】を使うと、どの武器カテゴリーなのかって事ぐらいか。


 どのカテゴリーになるかは知らないけど……っと、左に来たらスマッシュタイガーか。ならこっちは行く必要ないね。さっさと戻ろう、夜は寒い。


 師匠の家に戻った僕は、さっさとソファーの部屋からマイルームへ。囲炉裏部屋で横になり、目を閉じてログアウト。本日はここまで。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 10月14日 土曜日 AM8:27



 今日は本来3人がログインする日なんだけど、明日の公式イベントの為に今日は勉強するそうだ。明日をログイン日にして、公式イベントを楽しむんだって言ってた。


 ログインすると、オープニングの前に公式イベントの新しい情報が流れる。それを流し見していると、とある情報の一点が目に留まる。それは”今回の公式イベントはプレイヤーのみの参加”と出ているからだ。


 召喚モンスター及び使い魔、そして支配モンスターや従魔は連れて行けないと書かれている。つまり正真正銘プレイヤーしか参加出来ないルールみたいだ。明らかにサモナー系やテイマー系は不利になるんだけど、何でこんなルールに?。


 ………ああ、分かった。飛行系の魔物が居ると簡単に偵察出来るし、そうするとイベントがつまらなくなるからだ。だからプレイヤーのみとなってるんだな。ようするに偵察も何かもを自分達でやれと言いたい訳だ、運営は。


 気持ちは分かるし、斥候系のビルドをしてる人からすれば活躍出来るのはこういう時だしね。そこで活躍の場が奪われたら腹立たしいだろうし、禁止にした運営の考えも分かる。文句は出るだろうけど、仕方ないね。


 ログインしてプレイヤーマーケットを確認。売り上げを倉庫に入れて、ファルとキャスティの作った物をプレイヤーマーケットに流す。それが終わったらソファーの部屋へ移動。するとトモエが早速とばかりに愚痴ってきた。



 「コトブキ見た? 公式イベントの情報! 今日いきなり支配モンスターは連れて行けませんってさ。昨日言いなさいよ! って思わない? 最初から情報として出しなさいよ、まったく!!」


 「言いたい事は分かるんだけど、トモエのルーイみたいに、空を飛んで偵察とかされたら困るからじゃない? 斥候が何の役にも立たなくなるし、絶対にクレームがいくと思う。それを考えると仕方ないよ。それに戦えない訳じゃないでしょ? 【魔刃】と【闘刃】が使えるんだし」


 「まあ、そりゃそうだけどさー……」


 「鞭から出せるんだから有利なんだし、その辺で怒りを治めたら? 何の為の斥候職か斥候ビルドか分からなくなるじゃん。逆にサモナー系とかテイマー系の風当たりが強くなるよりはマシだよ」


 「あー……確かにそうかも。ここは引いておいた方が良いわね。おかしな奴等に粘着されても困るし、最近は掲示板におかしな書き込みも増えたし」


 「おかしな書き込み?」


 「書き込み不能ギリギリを狙った悪質なヤツ。どうも規制されるかどうかのラインを探ってるっぽい? そんな感じの書き込みはチラチラ見るようになったわね。それと<暗黒同盟>とかいう厨二病クランが解散したらしいわよ?」


 「……それって確か、ダークマター氏のクランじゃん」


 「そのダークマターがクランマスターを止めたらしいのよ。何でも<深淵の魔女>に弟子入りして、暗黒より更に深い場所に到達したからだってさ」



 ダークマター氏の厨二病が悪化してる!?。


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