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0265・情報を掲示板へ




 砂漠の階を歩き、魔物と戦う。36階の森とは違い、31階の砂漠には皆も慣れてきている。なので素早く倒していけるんだけど……。



 「しっかし、まさか血を飲んで暴走してたブラッディキャメルまで、闘気バインドで気絶させられるとはなー。本当に色々やってみないと駄目だ。とはいえフラグの話が事実なら、今やっても意味が無いのかもしれないけどさ」


 「もしかしたらだけど、ああいう石碑は他にも色々な場所にあるのかもしれない。知られてないならダンジョンの中かもしれないけど、強引に突破したら石碑が見つからないままになってるかも」


 「ナツの言う通りの可能性もあるから、掲示板に情報として出しておいた方が良いと思う。その方が恨まれないで済むし、秘匿している連中がいても出してくれるかもしれない」


 「流石にバレたら糾弾されるでしょうし、更に言えば悪い意味で有名になる恐れもある。悪い意味で有名になると本当に面倒くさいから、そうなる前には出すと思う。証拠のSSも付けて出しておこうか?」


 「トモエかイルに頼むよ。ナツは慣れてないし、僕は読み専。ユウヤは鍛冶師スレぐらいだろうし。色んなスレに書き込んだりしてるのはトモエとイルだから、2人の方が拡散するでしょ」


 「「う、うん……分かった」」



 何か妙な感じだけど何かあったのかな? 僕は掲示板には書き込まず、戦ってる方が楽しいから書き込んだりはしない。イルは前から掲示板に割と書き込むタイプで、トモエはモフモフの情報収集の為に積極的に交流してる。


 ゲームの楽しみ方は人それぞれだから良いんだけど、掲示板にもおかしなのが居るから僕はゴメンだね。だいたい普通にゲームしてるだけなのに<ダークマター>氏みたいに関わってくる連中が居るんだ。昔から変わらないけど、鬱陶しい限りだよ。


 ブラッディキャメルを見つけたら、即座に闘気バインドで気絶させる。その間に他の魔物を倒すのだが、【フリーズズプラッシュ】が強力だ。先の尖った氷が飛ぶんだけど、散弾のように飛ぶ御蔭で多数がヒットすると重傷と言えるくらいのダメージを与えてる。


 流石にサンドドッグは大きい魔物ではないので仕方ないが、ブラックスコーピオンは一撃で瀕死か死亡までいった。大きい魔物は全弾ヒットしやすいので、こういう魔法の場合は助かる。ただしセスの手元から氷の散弾が飛ぶので、最前線でしか使えないけど。


 逆にサンドドッグに対して有効だったのは【サンダーウェブ】の方で、ウェブの名前の通り、蜘蛛の巣のような雷の網が広がって飛んでいく魔法だった。近くだと当たり辛いうえ、何かに当たると網が閉じていってしまう。


 ちょうど良い大きさの時に敵に当たらないと最も広がらないので難しいが、思っているよりも広範囲を巻き込めて、今までで一番状態異常確率が高い。こちらも思っているよりも使え、戦闘がグンと楽になった。



 「むしろこの【サンダーウェブ】って魔法を上手く使って36階を突破できないもんかね? コトブキが持ってる【羅刹】ってスキルで魔法を強力にして、範囲魔法で一気に倒すとか無理か?」


 「出来なくはないかもしれないけど、それまでMPが保つかな? 何だかんだといって1つの階層毎に魔物はそれなりに居るし、それを集めようにもハイフォレストチキンの鳴き声が聞こえる範囲までだよ」


 「そのうえコトブキの【羅刹】は敵を沢山倒さないと上がらない。その敵を倒すので苦労してる。範囲魔法なんて乱戦中は使えない。味方への被害が大きすぎる」


 「あー……そうか、そりゃ駄目だな。やっぱり真面目にレベル上げて先へ進めってこったな」



 そろそろ師匠の家に戻る時間になってきたので、僕達は足早に移動して脱出し、ダンジョン街を出て戻る。師匠の家の前でユウヤと別れたら、師匠の家に入ってブラッディキャメルとハイフォレストチキンの肉に卵を渡す。


 それなりに渡すと残りを拒否されたので、後はプレイヤーマーケットに流して売る事にした。マイルームへと戻り、召喚モンスターをこちらへ呼んだら倉庫に素材を詰めていく。全て終わったらソファーの部屋へと戻りファルを呼んだ。


 既に結構な時間なのでギンとコタロウの相手をしていると、ファルが来たので夕食を食べに移動。食堂に行き、師匠に闘気を混ぜる魔法の事を聞くと「今ごろ気づいたのか」と呆れられた。



 「様々に試さねばならんぞ。聞いた事だけをやっていては、いつまで経っても強くはなれんし上手くもならん。己で様々に考えて工夫をせねばな。まさか【色欲】も【純潔】も知らなんだとは、そなたら本当に天使と悪魔か?」


 「「………」」


 「片や魅了という搦め手、片や力こそパワーという脳筋。この2人では仕方がないのかのー……」


 「「………」」



 どうやら2人にとっては耳が痛いらしい。石碑を見る前にやってみた事が無いから分からないけど、NPCは最初から出来たっぽいね。ただ、プレイヤーにのみ制限を課しても不思議じゃない。わざわざ大きな石碑にしていたくらいだし。


 フラグがオンにならなきゃNPCは話題にも出さない……という可能性も十分にある訳で、そうなると余計に分からないしね。石碑を読まないと無理かどうかは調べられないだろう。


 石碑の内容を知らない間は未知だし、石碑の内容を知って解禁されるなら、その時点で既知なうえ可能な事になってる。未知な状況でないと調べられないけど、未知な事をどうやってフラグをオンにせず既知にするのか。ちょっと考えても無理だろうって思う。


 検証班が動くだろうけど、調べられないっていう結論で終わるだろうね。それよりも闘気を混ぜた魔法と、どのモンスターで効果が変わるかを調べるんじゃないのかな。そっちの方が有意義だろうし。


 夕食後、ソファーの部屋からマイルームに戻ってログアウト。リアルで諸々を終わらせたら再びログイン。今日はスノートレウッドと黒亀甲羅で武器を作る。皆の武器も結構耐久度が減っていて、今の内に新しく作っておいた方がいいからね。



 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました

 サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 結構時間が掛かったけど、まさか2つもレベルが上がるとは思わなかった。それよりもスノートレウッドが結構減ったから、明日はスノートレントを倒しに行かないといけない。スノーウッドじゃ代用にはならないんだ。


 とりあえず明日の準備は終えたので、今日はここまで。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 10月13日 金曜日 AM8:31



 少し遅れたけど今日もログイン。………今週の日曜日に公式イベントねえ。毎回ここのゲームは準備に時間をくれないけど、公式イベントが起きるまでに様々なイベントが起きている筈だから、その関係かなぁ。それとも準備させない為にワザと?。


 とりあえず内容を確認するけど、今度の公式イベントは城落としみたいだ。それぞれの拠点からスタートするらしいけど、近くの城を攻めていき完全に決着がつくまでやるそうだ。開始地点の城は5つ。



 ・剣の聖人 セイディアス

 ・槍の聖人 オルテー

 ・斧の聖人 アスクード

 ・槌の聖人 メイディア

 ・棍の聖人 カムラン



 この聖人達の何処かに属し、そこで戦う事になるそうだ。フィールドは五芒星で、勝った者が多く領土を持っての独立となるらしい。どうも天使の国のフェルテス帝国が決定的に割れたらしく、その際の領土で聖人達も揉めたんだって。


 つまり今回の公式イベントは、フェルテス帝国分割イベントって事になる。天使の星の大国が崩壊する訳なんだけど、何か最初から用意されたイベントって感じ。本当に5派閥での争いなのかなぁ? そこに疑問を感じる。


 五芒星の真ん中が妙に空いてるんだよねー、ここで皆が激突? ……怪しく感じるのは気のせいなのかな。


 まあ、当日になってみないと詳細は分からないか。


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