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0026・屍人の森・中層




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 サブ職業:錬金術師・見習いのレベルが上がりました


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 <武器> 石と木の槍 品質:2 レア度:1 耐久60


 石と木で作られた槍。簡素ながら使えなくはない

 攻撃力2 破壊力2


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 よーし! 品質が2になった! ようやくまともに使えるっぽい武器になってきたよ。とりあえず耐久が60あれば簡単には壊れない。今までは耐久が30とかだったもんなー、本当に酷かったよ。耐久値は思っている以上に大きい。


 耐久の最大値が低い武器は、そもそも根本的に壊れやすいんだ。耐久値が高い物ほど、ちょっとした事で壊れにくい。つまり、耐久値が減りにくいんだ。武器を多く壊してきたからこそ分かった事なんだよ。それに……。



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 おめでとうございます。全プレイヤーの中で初めて一定の期間内に一定数の武器を壊したので、称号【破壊魔】を獲得しました


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 それは獲得しちゃいけない称号のような気がするんだけど? ……あーっとそういう効果? 何だか微妙なような、それでいて使えるような……。【破壊魔】の称号の効果は、武器が壊れる最後の一撃の破壊力を2倍にするというものだった。


 破壊力2倍は凄いが、確定で武器が壊れるという何とも言い辛いものであり、更に任意で壊せる訳じゃない。あくまでも最後の一撃の破壊力が2倍になるだけだ。最後の一撃用の武器は自分で用意しなきゃいけない。……狙ってもいいけど、微妙だなぁ。


 石と木の槍は武器だからスタックできないし、だから活かすほう……ちょっと待てよ? 投擲用の石にも耐久ってあったよね? しかもそっちの方が破壊力が高かった筈。そっちなら99個スタック出来るじゃないか!!。


 何か急に脚光を浴びる事になった投擲用の石だけど、上手く使えば物凄く優秀な武器になる筈。今から壊れそうな投擲用の石を集めておこう。ボス戦か何かがあるなら、そこで使える。きっと素晴らしい威力を出してくれるだろう。ついでにもっと良い物を作っておかないと。


 そう思い、今度は投擲用の石も真剣に作り始める。最初からやっとけって? ぶつける物に気合いを入れて1つずつ丁寧に作る人なんてまず居ないよ。唯でさえ何回か投げたら壊れるのに、そんな真剣に作る必要も無かったし。まあ、今は違うけど。



 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・見習いのレベルが上がりました


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 真剣に作ってぶつけ過ぎたのかレベルが上がった。だいたい一度敵にぶつけたら、後は仲間の誰かの攻撃で沈む。完全な作業になっているからか、3体がつまらなそうにしている。とはいえ、真剣に戦ってくれないと困るんだけど……。



 ―――――――――――――――


 ここから先は屍人の森・中層となります


 種族レベルと職業レベルが低いので危険ですが、進みますか?


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 あれ? 今までと文言が違うぞ? <高確率で死亡>から<危険です>に変わってる。となると死亡確率は大分落ちたという事かな? 多少の壊れかけ投擲石はあるし、ちょっとだけ行ってみようか? 3体も暇してるし。


 3体に行くか聞き、頷き合った僕らは中層へと侵入していく。明らかに浅い所に比べて暗くなった感じがする。空気が澱んでいるというか、あからさまに瘴気のような空気感の演出だ。


 そんな中を【魔力感知】と【闘気感知】を駆使して進む。すると第一村人、じゃなくて第一モンスターを見つけた。向こうはまだこちらに気付いていない。まずは鑑定してみる。



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 <ボーンファングベア> アンデッド Lv3


 生前は熊の魔物だったアンデッド。咬みつきに注意


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 れ、レベル3……何かおかしいな? レベルは低いけど凄く強そうだし、レベルを間違え……もしかして進化してる? 最初が<ボーンベア>で次が<ボーンファングベア>とか……? いや、でもそれしか考えられないしなぁ。


 とりあえず壊れかけの石は7個ある。1つはこっちに向けている尻にぶつけて、2個目は顔面に直撃させる。その後は襲ってくるから、ファルは防御を固めて。そして隙を狙って左右の僕とセナが攻撃。上手く硬直させられたドースがラッシュ。いいね?。


 そう言うと3体も了承した。明らかに3体とも緊張しているので、あのボーンファングベアが格上なのは明らかだ。しかし戦ってみないと分からない。よし、落ち着いて……せーの!!。



 「ゴッ! ……ガァッ! ガボォッ!?!!?!」



 尻の骨にぶつけてダメージを与えた後、こちらを向いた瞬間に顔面に投げたつもりだったのだが、相手が口を開けて咆哮しようとした瞬間、口の中に直撃した。もちろん骨なので喉に詰まったりはしないが弱点扱いなのだろう、激しく悶絶している。


 それを隙と見た僕達は一斉に突撃。ファルは顔面を殴り、僕は槍で殴りつけ、セナは肋骨をトンファーで殴り、ドースは足の関節部分を踏みつけている。タコ殴りにしていると、足の方から「ベキィッ」という音が鳴り、ボーンファングベアの足の骨が砕けた。


 その事で咆哮しようと口を開けた瞬間、ファルが棍棒で思いっきり殴りつけた。それで行動キャンセルになったのだろう、ボーンファングベアは硬直する。ナイスだファル!!。


 結局、その後はもう片方の足の骨をドースが砕いた時点で勝利となった。なかなかに耐久の高い敵だったし強かったものの、ノーダメで勝つ事はできた。



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 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました

 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


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 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー見習いのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました

 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました

 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました

 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


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 もう一頭居たので倒すと一気にレベルが上がった。やはり進化済みの魔物なんだろう、驚く程に経験値が多い。しかし、ここで終わりだ。浅層部に戻ろう。流石にファルの武器とセナの武器が壊れた以上は戻るしかない。


 2頭目のボーンファングベアは途中から殴る蹴るだったけど、こっちがダメージを受ける始末だった。ファルの盾とドースが居なかったらどうなっていた事やら。マジで全滅してたんじゃないかな? 進化個体は強すぎる。危険だと言われる筈だよ。


 2度の戦闘で石も消費したし、これからは石を溜めつつ武器も作っていかなきゃ。目標が出来ると楽しいな。今、間違いなく僕はゲームを楽しんでいる。そんな気持ちとは裏腹に、出来る限り速やかにコソッと中層を出るよ。


 そう声を掛けて素早く中層を後にした。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 その後は棒を使って2人の武器を作り、枝を打ちつつ木の棒を作っていく。木の棒は武器カテゴリーではあるもののスタックは可能だ。武器ではあるが素材でもあるのでスタック可能となっている。他にもこういう系統のアイテムはありそうだ。


 それはともかく棍棒は品質3、トンファーは品質2で作成できた。師匠のスケルトン・クラフターが作ってくれたのは品質8なんだよね。今はそこまで無理とはいえ、自分の槍もそうだけど品質は上がってきた。このまま頑張りたいところだ。


 そろそろ昼なので師匠の家に戻ったのだが、何やら家の前で誰かと話してる? ……誰がはっ!?。


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