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0259・28階の宝箱




 トモエに取られたので諦めて先へと進む。これはもう言ってもしょうがないし、そこまで欲しい物でもなかったので諦められる。これで欲しい物だったら戦争だけど、そこまでする程の物じゃない。なので25階へと進んだ。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 24階にアクセがあったので、そこから進むと25階のボスとなる。それにしても陸地の繋がっていない所に宝箱を置くなんて何を考えてるんだろう。僕は【魔闘仙】だから取ってこれたけど、他の種族だったらどうにもならないよね?。



 「私も次のランクになれば【飛翔】スキルの復活は出来るけどね。それまでは無理かな? かつては無理だったでしょうけど、封印されてるだけなら次くらいに復活できるんじゃないの? キャスティも」


 「そうですね、一時的ではあるでしょうが翼を生み出す事は可能でしょう。まあ、だからといって無理に使うものでもないので、なんとも言えませんが。私の場合は貴女と違って物理的に翼を持つ訳ではありませんからね」


 「それでも私達は小さな翼だからね。翼人族みたいに本当に物理的な力のみで飛んでる訳じゃないわよ。ほぼ魔力を使って飛んでるだけで、翼なんて精々方向を変えたりするぐらいしか無理よ」


 「それって私も出来るの?」


 「ええ。トモエもサキュバスである以上は可能よ。ただし結構な魔力を消費するから、空中を自在に飛べるなんて無茶は考えない方がいいわ。すぐに魔力切れで墜落する事になる。そもそも【飛翔】出来るランクに達した者がよくやる失敗なのよね」


 「飛べるので喜んでいたら、魔力が尽きて地面に叩き落されるという事ですね。そもそも天使の翼でも飛行するには魔力を使いますから、そこまで飛び続けるなんて事は無理です。悪魔の星に来た後、屍人の森まで飛んでこれたのは、魔力のゴリ押しで高く飛んでの滑空でしたし」


 「空を飛ぶって凄いけど、そうそう飛び続けるなんて事は無理なのねぇ」



 ボス前で休憩してるけど、こんなダラダラ話してて大丈夫なのかと言いたくなる。ここのボスは連携が凄いホワイトゴブリンなんだけど、もう忘れ……違う、トモエは知らないんだ。前は皆が2回目だったし、【魔刃】が使えたから苦労しなかっただけか。


 僕は話を切ってホワイトゴブリンの説明をし、ここのボスは明らかに実力が違う事を伝えておく。獣王国の正騎士レベルの連携をしてくる事と、それを崩す為には焦らない事。この2点をトモエの支配モンスターにも伝えておいた。


 その後25階のボス部屋に入ってボス戦。早速リーダがやらかした。前方のホワイトゴブリンが引いたので前に出たら、左に居たゴブリンからあっさり攻撃を受け、盾を持つ左手を痛めた。すぐに【ヒール】を使って治したけど、ゴブリンだからって舐められても困る。


 すぐにリーダも真剣な表情で戦い始めたけど、最初の侮りで一気に形勢が不利になってた可能性もあるんだ。オーガだからなのかは知らないけど、もう少し慎重さを持ってほしいね。多少でもいいからさ。


 盾で流して態勢を崩させた瞬間、セスが持つエストックがホワイトゴブリンの喉に向かう。当たる直前、エストックの剣身から魔力が螺旋の渦を巻いて現れ、ホワイトゴブリンの喉を突き抜ける。更に螺旋する魔力が穴を広げ、最後にはホワイトゴブリンの首を刎ねて飛ばす。


 回復も出来ない一撃を見舞ったセスは、隙を見せないように瞬時に右手を引き盾を構える。どうも訓練場で色々やられているらしく、驚くほどの成長をしているようだ。逆にそこまで成長する特訓というのも、よくよく考えると怖ろしいものに思える。


 おそらくセナ辺りが相手をしているんだろうけど、そのセナはヌンチャクを振るいながら【魔刃】で首を刎ねた。殆ど【魔刃】を出さず、ヌンチャクの先に首が切れる長さギリギリしか出していない。


 相手のホワイトゴブリンはヌンチャクを引いてかわしたものの、伸びた【魔刃】まではかわせなかった。むしろセナが意図的に攻撃し、ギリギリでかわさせたという方が正しいのかもしれない。そう思うほど綺麗に首を飛ばした。


 それを見つつ僕は笹穂槍の穂先に纏わせるように【魔刃】を生み出し、相手を袈裟がけに切って離れる。槍の間合いで刀のように使いつつ臨機応変に対処していると、最後の1体になっていた。後はリーダが倒せば終わる。



 「グォォォォォォッ!!!」



 リーダは持っている棍棒を何度も何度も叩き付け、相手のホワイトゴブリンを押し潰して勝利。実にオーガらしい勝ち方だったと思うけど、マジックオーガとしては正しいのだろうか? そこはちょっと悩むところではある。



 「お疲れー。リーダが最後に締めくくったけど、アレだね。修羅スケルトンに色々教わった方が良いと思う。実にオーガらしい勝ち方だったけど、この先あれが通用するかと考えたら流石に無理でしょ?」


 「それは分かってる。今日で急激にレベルが上がってるから一気に覚えさせるつもり。あんまり詰め込むのは良くないと思うけど、リナに比べると体が大きくて強い反面、頭は良くないの。特にリナは<ワイズゴブリン>っていう種族だから」


 「<ワイズゴブリン>………って事は知恵のあるゴブリン種って事? それはまた凄いね。ホブゴブリンって元々頭が良い感じの種族なのか、それとも連携を捨てた感じ? いや、皆と連携してるし……魔法系かも」


 「ちょっと私も分かってないのよね。通常のゴブリンに比べて高い知能を持つって書かれてたけど、それが何処までなのかは分かってないし」


 「成る程ね。で、どうする? このまま30階まで行く? そうすれば明日のレベル上げに連れて行けるようになるけど」


 「そうね、このまま行っちゃいましょうか。次は草原だった筈だし、そうなるとルーイで見つけやすいでしょうし。ちょっとルーイには頑張ってもらわないといけないけど、そこまで調べるのに苦労はしない筈よ」



 転移魔法陣を登録させ、僕達は26階から進んで行く。ホワイト系の魔物を倒しつつ。よく出るホワイトオークの肉を回収していると、ジッとトモエの支配モンスター達が見てくる。なので切ってバラし、それぞれに渡していく


 何故か僕が餌付けをしている形になっているが、トモエも渡しているので大丈夫だろう。何より僕に懐く事はない筈だしね。ウチの召喚モンスター達はアンデッド系だから腐った肉しか食べないんだよねー。しかもファルとセスは骨をくっ付けるだけだし。


 適当にあげつつ先へと進み28層、ルーイが宝箱を発見。階層の端の方に宝箱が置いてあり、大きな岩で隠されていた。こんな端のしかも大岩の裏なんて確認する奴は多くないだろうね。しかも大量にホウイト系の魔物が出る前の階。


 次の階の攻略の為にも、普通は足早に通り過ぎるだろう階だ。そこの端とはねえ……そう僕が考えている間に、トモエが宝箱に向かって魔法を放つ。中から触手が出てきて暴れ出したので、全員で一斉に魔法を撃ち込んでいく。



 ―――――――――――――――


 <グレーター・トラップボックス> 魔物 Lv37


 箱の中に隠れ潜み獲物を待ち伏せする魔物。非常に鋭い突き刺す触手と、獲物を絡め取る触手の二種類を持つ。危機意識も無く開けた愚か者を貪る事で知られ、有効な対策が少ない厄介な魔物として知られている


 ―――――――――――――――



 グレーターランクのうえレベルも高いという厄介な奴だったが、何度も撃ち込む事で勝利。近付かなくても勝てた。僕とセナは棒手裏剣を全部投げたけどね。ところで何かドロップしたけど?。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


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 <巻物> 魅力強化のスクロール 品質:10 レア度:5 耐久1


 スキル:【魅力強化】を習得できる特殊なスクロール。一度使用すると消えてしまうので、使えるのは1人だけとなる。よく考えて使おう


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 <巻物> 羅刹のスクロール 品質:10 レア度:5 耐久1


 スキル:【羅刹】を習得できる特殊なスクロール。一度使用すると消えてしまうので、使えるのは1人だけとなる。よく考えて使おう


 ―――――――――――――――



 「………まあ、2つあるなら1つは私だし、私なら迷わず【魅力強化】なんだけど……」


 「なら僕は羅刹のスクロールだね。何となく役立ちそうな気がするし、こっちで良かったよ」


 「そ、そう………」



 僕としては【魅力強化】までは要らないしね、それより【羅刹】ってどんなスキルだろう?。


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― 新着の感想 ―
初回討伐時のみ倒した相手にピッタリのスキルスクロールが落ちるんじゃないかと言わんばかりの完璧なドロップよ
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