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0258・新しい仙術とアクセサリー




 師匠の家に戻り昼食を食べたらログアウト、リアルへと戻る。昼食と雑事を熟したら再びログイン。どうやらリーダは【闘気操作】は学んだらしい。マジックオーガとはいえ、やはりオーガなんだろう。トモエはガッカリしてるけど。


 その表情はすぐに止め、外に出てリーダに声を掛けるトモエ。高性能AIだと人間の表情から読み取るからね、表情1つで関係が悪化するゲームもあるくらいだ。気を付けるに越した事はない。かつてトモエもやらかしてるし。


 再びダンジョン街へと歩いて移動し、21階からスタート。周囲を探索しながら進んで行く。ここは海と岩場の階層なので宝箱は無さそうだが、案外こういう階層に限って宝箱があったり「ピュー!」するんだよ。


 ドースの鞍の上に降りてきたルーイは、嘴で方角を指し示す。それを見てすぐに理解したトモエ。



 「あっちに空箱があったのね? ………うん、間違い無いと。………あれって見えてるけど、どうやって行くの? あの小島に宝箱があるみたいだけど、どう考えても泳いで行くしかないわよね? このマーマンの海を」


 「流石にそれは……無理じゃない? 幾らなんでも海の中はマーマンの方が絶対に有利だよ。確実にこっちが殺されるだろうし、相手に地の利がありすぎる。水の上が走れるなら行けるかもしれないけどさ」


 「それって何処の<にんじゃ>よ。普通の忍者は<水蜘蛛>って道具を足に着けるんじゃなかった? 何の道具もなく走って行くのは、忍者じゃなくてNINJAでしょ。もしくはニンジャ、または仮面の忍者?」


 「そう考えると<にんじゃ>って多いよねえ。影の軍団も忍者だし、火影も忍者。仮面の忍者もそうだし、ハ○トリくんも忍者だもん。<にんじゃ>が渋滞を起こしてるよ」


 「あんた達さ、訳の分からない事を話し「あっ!?」てないで……」


 「確か<亜仙>や<仙人>の者達が水の上を走っていませんでしたか? 昔、そんなのを見たような記憶があります。生憎、私は飛べば良かったので、やり方を聞いた事はありませんが……」


 「仙術って事? だったらコトブキなら出来るんじゃない? ちょっとやってみなさいよ」


 「やれって言われて、すぐに出来るような事じゃないと思うんだけどね?」



 とりあえず<亜仙>や<仙人>が使えるって事は、おそらく高度な仙力は使わなくて済むんだと思う。ランクが上がったから魔力や闘気も使いやすくなったし、おそらく仙力を循環させるくらいなら何とか可能だと思う。


 岩場の端に座り、海へと足を下ろしてみて水の上に立てるか確認する。仙力を体に循環させてみてるけど、足は沈んでしまって立つ事は出来ない。普通の仙力では無理なのか、それともやり方が間違っているのか。


 少し考え方を変えて、仙力を足に集中させる事にした。言うなれば下半身にのみ仙力を循環させる。すると僅かに水から抵抗を感じた。速く走れば水の上を走れるかも。



 「下半身にのみ循環………コトブキ、足の裏にのみ集中させられませんか? 足の指先から踵へ、そして指先に戻るように循環させるんです」



 足の裏にのみ……。そうやって足裏にのみ循環させつつ水に足を着けると、地面と同じく硬い抵抗を感じる。そのまま体重を掛けて立つと、水の上に立つ事が出来た。まさか本当に水の上に立てるとは思わなかったよ。



 ―――――――――――――――


 ※スキル:【魔仙術】に【仙歩】が追加されます


 ―――――――――――――――



 おお! スキルとして覚えたか。剣術スキルなんかと同じく、幾ら覚えても【魔仙術】である以上スキル欄は1つしか消費しない。こういうのは覚えても損にならないから助かるね。それにしても、やっと2つ目の【魔仙術】かぁ。


 1つ目が全く使えないから、初めての使える【魔仙術】になる。ちょっと感動するのと同時に、今まで【魔闘仙】なのに全く仙術が使えなかったっていう現実がね……。おっと、気を取り直して確認しよう。



 ―――――――――――――――


 <仙術> 仙歩 特殊


 あらゆる所を駆け抜ける事が出来るようになる仙術。溶岩の上でさえ歩けるようになるが、熱やガスに対する対策が無ければ死ぬので注意。あくまでも歩き、走れるだけである


 ―――――――――――――――



 んん? ……【魔仙術】じゃなくて【仙術】? 高度な仙力を使ってないから、【魔仙術】じゃなくて【仙術】なのか。一旦岩場へと戻り、僕は高度な仙力を足裏に流し水の上に足を着けようとした……のだが着かなかった。



 ―――――――――――――――


 ※スキル:【魔仙術】に【空仙歩】が追加されます


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 <魔仙術> 空仙歩 特殊


 高度な仙力を使う事により、空中を駆ける特殊な仙術。過去の歴史に鑑みても、使えたのは【闘仙】と【魔闘仙】だけであった。空中を自在に駆け抜けるその姿は、全ての仙人の目標であったとも言われている


 ―――――――――――――――



 あー……やっぱり高度な仙力バージョンもあるよねー。水の上だけでもファンタジーなのに、それを超えて空中を走るとかどうなってんのさ。まさか空中で地上のように戦闘する羽目になったりしないよねえ?。



 「コトブキさぁ、さっき空中に足を置いてなかった? 何だかすっごく嫌な予感がするんだけど……」


 「最初に水の上に立ったのは【仙術】の【仙歩】。そしてさっきの空中に足を置いたのは、【魔仙術】の【空仙歩】。空中を自在に走り回ったのは【闘仙】と【魔闘仙】しか居ないんだって」


 「「「………」」」


 「とりあえず敵をかわしながら宝箱の所に行ってくるよ。ちょっと待ってて」



 3人が何も話さない間に僕は離れ、一気に水の上を走って行く。途中でマーマンが出たけど矢は僕に当たらないし、【先駆け】の効果で足は速くなっている。そこまでの時間も掛からずに小島に到着したけど、本当に島だった。


 何処とも繋がってない場所で、よくこんな場所を作ったもんだと関心する。何かの魔法があればここに来れるんだろうか? 【水魔法】なら何かあるのかもしれないけど、持ってない僕じゃ考えても無駄か。


 宝箱をインベントリに入れようとしたけど入らないので、仕方なくここで空ける。中に入っていたのはネックレスだったので鑑定もせずにインベントリに放り込んで戻る。再び水の上を駆け抜けるも、マーマンの攻撃は当たらなかった。



 「ただいまー。宝箱がインベントリに入らなかったから、仕方なく向こうで開けてきたよ。まだ鑑定してないけどネックレスだった。はい、コレ」


 「ああ、うん。…………コレが小島にあるの? いったい何の嫌がらせなのかしら。それともワザと?」



 鑑定したみたいだけど、3人とも微妙な顔をしてるね。どういう物だったんだろう?。



 ―――――――――――――――


 <装飾> 泡のネックレス 品質:10 レア度:6 耐久210


 魔力を流している間、顔の周りに大きな泡を作り出すネックレス。呼吸が可能となる他、有毒なガスなどからも身を守ってくれる。非常に有用な品だが、ダンジョンからしか手に入れられない


 ―――――――――――――――



 ……これ非常に優秀じゃない? 特にガスから身を守れるって部分。霧みないな物にして散布された毒からも身を守れるし、オーク玉の臭いからも身を守れるんじゃないの?。



 「ああ、そう考えると優秀な道具ね? オーク玉の臭いを一方的に相手に押し付けられる。まあ、臭いが効く相手じゃないと意味が無いけど、アレは多くの敵に効くでしょうしね」


 「水の中とだけ考えなければ、確かに優秀なアクセサリーですね。流石はダンジョンから手に入れるしかない品ですか……」



 一言も発さずにトモエが装備したけど、取ってきたのは僕なんだよ? 聞いてる?。


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