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0254・31階に到着




 ダンジョンに着いたので入るものの、1階からスタートとなったので慌てて脱出。外に戻り、トモエはラムとリーダとルーイを<召喚の宝珠>で送還。再びダンジョンの迷宮魔法陣を踏むと16階からになった。


 やれやれとなったけど、あの3体の事はどうする気なんだろうか?。



 「あの3体の事はどうする? 流石に1階からっていうんじゃ、今日のレベル上げが潰れかねないから勘弁してほしいが、とはいえ連れて来れないとトモエも困るんじゃないのか? まあ、答えは予想ついてるけど」


 「明日コトブキに連れて行ってもらうから大丈夫よ。1階からだし、コトブキなら<オーク玉>欲しさについて来るでしょ」


 「止めてくれる!? せっかくコトブキが使い切ったのに、また手に入ったらどうしてくれるのよ? アレの所為で何度酷い目に遭ったと思ってんの!」


 「そうです! ボスを倒す為とはいえ、どれだけあの悪臭を受けたと思っているのですか!? もう2度とゴメンですよ!!」


 「ここまで拒否られるくらい使ったのかよ、コトブキ。流石にそれはどうかと思うぞ? 勝つ為に仕方ないのは分かるけど、物事には限度というものがあるからな?」


 「言いたい事は分かるし僕もそう思うけど、背に腹は変えられないっていうか……使いきれば無いんだから、使って無くすよねって感じかな? それに無傷でボス部屋を越えられるアイテムだし」


 「まあ、そういうアイテムである事は否定しないけどよ。アレの臭いはシャレにならないぜ? 悪臭爆弾とか汚物玉とか、酷いのになると最臭兵器とか言われてるからな」


 「その表現になるのは本当によく分かる。アレは臭すぎるし、敵味方が耐えられるように作られていない。少なくとも、こちらは絶対に被害を受ける。嗅覚が無い者は大丈夫だけど、それは敵しかあり得ない」



 会話をしながらでも余裕で突破していく僕達。当たり前だけど、こんな階層で止まる事なんて無い。なので一気に進んでいき、20階のボス戦。オークリーダーどもを瞬殺して先へと進む。


 オークリーダーさえ潰せばザコばっかりなので、人数が多い以上は突破出来て当たり前でもある。そのまま急ぎ足で先へと進む。


 海と岩場の階層も欲しい物は無いので、必要な敵だけ倒して突破していく。そうして25階、ホワイトゴブリン10体と戦う。


 今回もなかなかの強者だったが、魔法で隙を作り【闘刃】で首を刎ねると途端に形勢がこちらへ傾く。後は皆も隙を見て致命の一撃を繰り出していき勝利。最後はセスがエストックで心臓を穿って終了した。



 「その剣ってレイピアって言うんだっけ? 何かヨーロッパの決闘で使われた剣だったと思うけど……」


 「違う、あれはエストック。メイルという鎖帷子を貫く為に使われてた剣。でも、普通は全長で1メートルくらいの筈で、あんなに短くはない。たぶん使いやすさを優先して短くしてあるんだと思う。そもそもリアルじゃないし」


 「正解。セスがそこまで踏み込む必要はないし、牽制の意味合いも強いんだ。もうちょっと長くてもいいのかもしれないけど、どちらかと言うと盾を優先してもらいたいし、闘気で強化すれば済むから」


 「むっ、黒亀甲羅? ………もしかして砂漠の先に進んだ?」


 「うん。砂漠の次の地形は森だったよ。そこで完全にストップ。今はそこから先に進めない。それを痛感したし、師匠には地道に力をつけろって言われたよ」


 「コトブキがハッキリ無理って言うのは珍しいし、物凄く怖いんだが? いったいどんな化け物が居る階層なんだよ」


 「いや、化け物なんていないよ? 居るのはハイフォレストチキンの雄と雌なんだ。鳴くと周りから一斉に魔物が集まってくるから、殲滅するまで呼ばれ続ける羽目になる。それが40階に着くまで続くんだと思う」


 「「「「あー……」」」」



 皆もその辛さが理解出来たのか、ゲンナリした顔をしている。運営ダンジョンにはチキン歌手が居るから分かるんだろう。フォレストチキン系は仲間を呼ぶからなぁ。他の魔物とは違う、非常に鬱陶しい魔物だ。しかもそれなりに強いんだよ、ハイクラスは。



 「仲間を呼ぶ奴が強いって、ただ面倒臭いだけじゃねえか。本当に厭らしい配置にしてあるが、レベル上げには便利なんだよなー。そこらで一旦止まって、レベル上げをしろって事なのかね?」


 「多分そんなところじゃないの? もしくは早々簡単に攻略出来ると思うなよ、って誰かが言ってるのかも。あえて誰とは言わないけど……」



 ホワイトゴブリン10体を倒したら一旦外へ。午前中の戦いで皆はレベルが一つ上がったらしいけど、僕達は何も無し。


 少し早めに師匠の家に戻り、早めの昼食とする。師匠の家に着いたらファルを呼び出し、他の皆は家の外で適当に過ごしていてもらう。


 師匠の分は後で……と思っていたら、師匠も食堂にやってきた。お昼には少し早いけど良いんだろうか?。



 「別に多少早かろうが然したる問題でもあるまい。それよりダンジョンに戦いに行ったのではなかったのか? 大して疲れているようには見えんが……」


 「まだ目的の階層には到達していないんです。なので今は目的の階まで移動している最中ですね。……あ! そうだ。師匠、ハイフォレストチキンの肉と卵はどうしましょう?」


 「そういえば昨日えらく愚痴を言っておったが、愚痴を言っておる以上は倒したのじゃな。ふむ、あの肉も美味いからの…………両方獲ってまいれ。それを続ければ鍛えられるじゃろう。素材的にも丁度良かろうしな」


 「ブラックスコーピオンもブラックトータスも優秀な素材ですから使えますが、ブラックスコーピオンで必要なのは尻尾と鋏かな? 特に鋏は食材だし」


 「海老は色々な料理に使えるし、美味しいから良いよねー」


 「海老じゃなくて蠍だけど、美味しいなら何でもいい」


 「真理だね」



 何処がどう真理なのかは知らないけど、昼食の終わった僕はソファーの部屋でログアウト。リアルでの昼食と雑事を終わらせ、部屋に戻ってログイン。皆が揃うまでトモエと一緒に待つ。


 師匠の家の前で適当に遊んでいるとユウヤが来た。どうやらリアルの方が終わって早めにログインしたみたい。ユウヤも含めて遊んでいると、師匠の家からナツとイルも出てきた。


 再びダンジョンまでの道を歩き、ダンジョン街に着いたら迷宮魔法陣へ。26階から始め、ホワイト系の魔物を倒しつつ先へと進む。29階は数が多いがラスティアに踊ってもらい、こっちから動いて殲滅する。


 30階のボスであるブルーオーガは慣れたもので、サクサクと倒して終了。ようやく31階に辿り着いた。長かったけど、今日はここでレベル上げするしかないね。



 「アレがブラッディキャメル? 確かにどう見てもラクダね。サンドドッグも近くに居るし、聞いていたと……こっちに来る前に向こうを襲いに行ったんだけど?」


 「おそらくだけど、アクティブになってる……つまりこっちを見つけたサンドドッグを襲うんだと思う。こちらを見つけていないサンドドッグを襲ったところは見た事が無いからね」


 「そう聞くと、見つからなければ素通り出来そうね?」


 「無理でしょう。そもそも地面の振動でこちらを見つけるブラックスコーピオンが居ます。仮に完全に身を隠す事が出来ても、振動を起こさないように移動するのは難しいですよ」


 「ああ、確かにそうね。あの蠍は見てる訳じゃなかったんだっけ。色々な意味で厄介な配置にしてあるし、派手に殲滅していった方が早いかー。それに考えなくていい分、精神的にも楽だしね。戦闘は大変だけど」


 「そういう意味での精神的負担はありますよ。特に森の方に」



 キャスティがそう言うと、ラスティアはかなりの渋面をした。実際ハイフォレストチキンの所為で大変だったからね。気持ちはよく分かる。


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