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0253・トモエが居ない間の説明と移動




 「今回のスライムはラム、オーガはリーダ、鷹はルーイよ。ちなみにオーガの名前がリーダなのは、リーダーから名付けたの」


 「リーダー?」


 「名前をつける際に色々悩んだんだけど、戦隊ものって赤がリーダーじゃない? だからリーダね。戦い方は一番前だから、とてもじゃないけどリーダーの戦い方ではないけど」


 「それもどうなのさ。名付けは自由だけど、リーダーじゃないからギリギリセーフ? 何というか、コレこそアウト寄りのアウトだと思うけど……」


 「ムムム」



 どっかのサッカー好きじゃないんだから、「ムムム」とか言われても困るんだけどね? それはともかくとして、ファルを呼び出して朝食の準備を手伝わせる。既にナツとイルもログインしてるし、ユウヤもログインしているようだ。


 フレンドコールを使い、ユウヤにトモエを連れて行くので16階からスタートだと伝えると「知ってる」という返事が来た。どうやらトモエは僕以外には既に話を終えていたらしい。何で僕には事前に話さないのかねえ?。


 そんな事を言ってもスルーされるだけなので言わないけどさ、昔からトモエはこうなんだよ。今さらだし言っても聞く耳もたないので、言ってもしょうがないから諦めてるとはいえ納得はしてないよ?。


 口には出さずに適当に会話をしつつ、寄ってきたギンとコタロウに癒される。僕の仲間じゃないけど、そこはそれ、動物と触れ合って癒されるという部分は変わらない。適当に相手をしつつ癒されているとファルが呼びに来たので食堂に行く。


 椅子に座って食事を始めたタイミングで、ナツとイルが今日の予定の確認を始める。



 「今日は朝からダンジョンに行くんだけど、トモエが居るから16階からだよね? それはいいとして戦力的にはどうなの? 特に【魔刃】と【闘刃】。トモエと仲間は使えないよね?」


 「【魔刃】は掲示板で読んだけど、【闘刃】ってなに? おそらく闘気を使うんだろうけど、そんなのが使えるの? ……なんで私が居ない時に使えるようになって、そして皆に教えて使えるようにしてるのよ」


 「【魔刃】の話になった後、【魔力転化】のスキルを持ってなくても使えるかの話になって、コトブキが練習したら使えた。その後、コツを聞いたりしながら色々してたら私達も使えるようになった。ただし、耐久力を結構消費する」


 「そうそう、思っているより耐久度が減るから使い辛いし、消費する魔力や闘気も多いから沢山は使えないの。ここぞという一撃で使うべきだね。でも相手の魔法防御とかが高いと効果は薄れるんだって」


 「うむ、【魔刃】とは魔力で作った刃とも言えるからの。当然じゃが、それだけ魔力を消費するし、そこまで消費せねば強力な攻撃にはならん。更にはそれだけの魔力や闘気を使う以上、武器への負担も大きい。当たり前の事よな」


 「だから、その辺りの事を考えて使わなきゃいけない。消費魔力や耐久力、消費する闘気や武器の素材。思っている以上に使えるけど、上手く使わないと駄目なところは魔法と変わらない」


 「まあ、どんな事でもそうだと思うけど、上手く使わなきゃいけない事は変わらないわよ。どんな武器だって、どんな魔法だって、どんなスキルだってね。それはともかく、ダンジョン攻略中に私にも教えてよ」


 「それは構わないけど、今日は16階からのスタートになるんだから攻略優先だよ? 少なくとも皆は31階まで到達してるんだし、トモエを一気に連れて行かなきゃいけないんだし」


 「確かに私だけ遅れてるんだけど、そこまで先に行ってたの? 私が行ってる深さの2倍じゃない。流石にそこまで行くのに時間が掛かるだろうし、私だけで突破した方がいい?」


 「いや、一緒で良いんじゃない? もともと私達もレベル上げがしたいから、朝からダンジョンに行く事を決めたんだし。16階からでも経験値は稼げるから大丈夫だよ」


 「うん、問題ない。ただし急ぐけど。ブラックスコーピオンの甲殻は闘気に強いから使い勝手が良い。魔力を別の事に使えるし、今まで闘気なんて【身体強化】にしか使ってなかった」


 「そういえば、私もそうだったよ。闘気に関しては使えるのが少なかったから、そこまで気にしてなかったけど、今まで有効活用できてなかったのが使えるから強くなったかな?」


 「闘気も魔力と同じで強い者がおる。闘気が強い者に使っても大して効かぬから気をつけよ。相手の魔力防御や闘気防御を超えるのに、半分以上も消費してしまうという事もあるのでな。場合によっては、その一撃で武器が壊れかねん」


 「それって危険じゃない? 予備の武器があるならいいけど、無いなら使っちゃ駄目なんじゃ……」


 「そうじゃ。だからこそ難しいとも言えるし、だからこそ予備の武器を持っておかねばならん。まあ、ついでに予備の武器も練習しておけという事じゃな」



 朝食が終わったのでユウヤに連絡すると、すぐに師匠の家にやってきた。何でもダンジョンの事をシャルロットさんに話したら、ブラッディキャメルの肉を獲ってこいと言われたみたい。アレの説明には古くから珍重されるって書いてあったしね。


 シャルロットさんもオリジンだから長生きなんだろうし、珍重しているんだろう。ユウヤに獲りに行けって言うぐらいだしね。


 そんな話をしつつダンジョン街へと移動していると、急に僕以外が誰も居ない方に話し始めた。誰かが居るんだろうけど、僕には分からないのでブラックリストに入れた人物なんだと思う。皆も歩くのは止めてないので、そのまま進んで行く。


 ある程度で話は終わったけど、何だったのやら? 4人とも微妙な表情をしているので、あまり良い話じゃなかったんだろうけど。



 「第3陣なのは分かるけど、面倒臭い奴等だったな。いちいち絡んで来なくていいってのと、このゲームは経験が大きいからレベルだけ上げても意味ねえっての」


 「そもそも先に始めた方が有利なのは当たり前。それだけの時間を掛けてるし、ゲームに時間を使ってる。後から始めて追い抜いてやろうと思うのは分からなくもないけど、このゲームでは難しいと言わざるを得ない」


 「そもそもさ、先に始めたのに後から来た人に追い抜かれるっていうのも、それはそれで納得できないよ? 運も含めて先に手に入れたのにさ、後から来た人にポンポン抜かれるって理不尽じゃない? それだけ時間を使ってるのに」


 「まあ、そうよね。ログインが少ないのに抜かれたならまだしも、ある程度の時間を使ってログインしているのに簡単に抜かれるのはどうかと思うわ。そう考えると、レベルだけ上げても中身スカスカなのは助かるわね」


 「さっきのは何だったの? 僕はブラックリストに入れてるみたいで、見えなかったし声も聞こえなかったんだ。皆が愚痴ってるって事は、碌な人達じゃなかったんだろうけど」


 「ああ、コトブキはブラックリストに入れてたのか、通りで何の反応もしない筈だ。さっきのは俺達の装備を見て強いって思ったのか、一緒にダンジョンに連れてけって五月蝿かったんだよ」


 「僕達の力を借りて深い階層まで行こうって事? 行ったところで戦えなきゃ意味無いと思うけど、経験値の高い所で戦えば稼げると思ってるのかな。話しかけてきた連中、時間効率を考えていない気がする」


 「そこが分かってるなら、頭の悪い提案なんてしない。MMOには一定数ああいう馬鹿がいる。時間効率とか経験値効率を突き詰めるなら分からなくもないけど、それが出来るならプロゲーマーがとっくに配信してる」


 「確かになー。このゲームの動画って、基本的にはプレイ垂れ流しだって聞くし、効率厨な攻略って無理なんだろう。隠しパラメータの事を考えたら不可能って言ってもいい」



 だろうねえ。このゲームって隠されてる要素が多すぎるから、計算が出来ないんだと思う。当然だろうし、そういうゲームだと思えば悪くない。


 古い時代のゲームって、皆で攻略情報を持ち寄ってたらしいし。


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