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0248・レベル上げの予定を立てる




 流石に皆も大変で、短時間の間に苦労したからか、今は31階の魔法陣前で休憩している。まだそこまでの時間ではないんだけど、話し合った結果、今日はここまでで帰る事に。流石に疲れたとの事。


 皆もここの厄介さと同時に、レベル上げの便利さも分かったので思案中らしい。2日に1度のログインなので、出来ればレベル上げぐらいは早めたいと言ってる。まあ、次からは31階から進めるし、ラスティアが踊れば一気に集められるけどね。



 「いや、そこまでする必要なくね? それと踊りで集めてもらうなら29階の方が良いと思うぞ? あそこのホワイトどもだと強くないし、簡単に倒せるからな。代わりに<魔石・中>とホワイトオークの肉類だけだが」


 「それじゃ、お金が稼げない。少なくともブラッディキャメルの肉は高く売れる。シャープホーンバッファロー以上だし、1個で4000デルを超えてる。後、甲殻も高く売れるから、圧倒的に31階の方が良い」


 「そうだね。蠍のお肉も高く売れるけど、鋏の甲殻と一体だからか値段が凄いね。錬金術師しか使えないけど、鋏の甲殻も硬くて武器に使えるみたいだし、砂漠の方が良いよ」


 「その分、砂漠の方が敵が強くて疲れるけどな。まあ、慣れればそこまで苦労はしなくなるとは思うが……特に今日は初めてだから余計に大変だったかもしれないし、次にやってみたら変わるか。慣れるまで頑張るしかないな」



 ダラダラと話しながらダンジョン街を出て師匠の家に戻る。この辺りも人通りは増えたけど、それでも数としては少ない。2万人という人数はそこまで多くないし、このゲームは始まる場所がバラバラだから少なく感じるんだろう。


 次の第4陣がいつ入ってくるのかは知らないけど、それである程度の過疎化は解消されるんだろうか? 解消されたらされたで、今度は人が多過ぎて面倒な事も起きそうだけど……それこそMMOとも言える訳で、仕方のない事でもある。


 転移魔法陣でユウヤと別れ、僕達は師匠の家へと戻る。二人のレベルは現在34らしく、そこまで低い訳じゃない。2日に1度のログインとはいえ、そこそこレベルが上がっている方ではなかろうか? 急ぐなら豪雪山に行かずに篭もる事だけど……。



 「仮に砂漠の階に篭もるとしても次だね、当たり前の事だけど。今日はもう時間も無いし、後は料理して終わりかな?」


 「それなりにお金も貯まってるから、一度は本格的にレベル上げの日を作っても良いかもしれない。経験も必要だけど、あそこなら乱戦の経験は大きく稼げる。あそこまでメチャクチャな場所もなかなか無い」


 「だろうね。僕も今ままでで一番おかしな挙動の場所だと思ってるし、ワザとああいう配置にしてると思ってるよ。どう考えてもさ、互いが互いを呼び合うというか、巻き込む形にしてあるし」



 サンドドッグはプレイヤーを狙い、そのサンドドッグを狙ってブラッディキャメルが襲ってくる。そして血を飲んで暴走したら、暴れてブラックスコーピオンの方へ行く。どう考えても乱戦になるように仕組まれてるとしか思えない。


 それをナツもイルも体感したからか、僕の意見に「うんうん」と頷いている。まあ、誰が考えてもそう思うよねえ。そこで話は終わったんだけど、台所に料理に行ったナツはともかく、何故がイルの矢作りにつき合わされてる。


 次のログインでレベル上げをするなら、なるべく多くの矢が必要だから手伝ってと頼まれたんだけど、かなり大量に作る気なのか本気で製作している。仕方なくマイルームへ行って皆を呼び出した後、戻ってきてファルを呼び出す。


 その後は黙々と手伝い続け、結構な矢が出来た。ショートボウの矢と和弓の矢は全然大きさが違うので大変だったけど、良い勉強になったと思おう。弓道経験者から習えるって早々ない事だしね。今まで一緒にゲームをする事はあったけど、教えてもらった事はないし。



 「コトブキに教えるとすぐに真似される。それだと私のアドバンテージが無くなってしまう。見て真似する事は出来るけど、それだけだと真髄は学べない」


 「そうなんだよね。僕は真似するのは得意だけど、そこから先には到達出来ないからなぁ。所詮は物真似と言えば、それまでなんだけど」


 「それでも真似が得意なら学ぶ時間は短縮出来る。それも才能だけど、だから嫉妬を受ける。武道をしている者の中には、面倒な嫉妬をする者も多い。そもそも手本の真似をするのが始まり。なら真似が得意なのは優秀な事」


 「そうなのかな?」


 「そう。だから真似する事が下手な者は、得意な者を貶す。特にコトブキの場合は、真髄を知らないのに真髄を含めた動きまで真似できる。普通は手本の真似をしても、そこまで真似する事は出来ない」


 「ふーん……」



 まあ、何となく言いたい事は分かる。僕としては十分なレベルまで真似できれば別に良く、大半の事でそれ以上は望んでいない。戦いの事は別だけど、それは近接戦闘に限っているので、遠距離は一定レベルで構わない。


 それ以外には今のところ、全力で模倣しようと思うものは無いんだよね。だから<BUSHIDO>や<ナイトロード>をずっとやってる訳で……まあ、この事はもういいや。


 ファルが呼びに来たので僕はイルと食堂に行き、椅子に座って食事を始める。ナツが料理を作っていたからか、何故かカツがあるね? これトンカツじゃないだろうし、ラクダカツかな?。



 「そうだよ。せっかくブラッディキャメルのお肉があるんだから美味しく料理しようと思って、色々悩んだんだけどシンプルにカツにしてみたの。卵とかパン粉とか普通にあるし、脂も売ってるから」


 「<解体師>だったら猪系や牛系の魔物から脂もドロップする。だから売ってるのは分からなくもないけど、脂は種類によって臭味も出るから難しい」


 「大丈夫。前に使った事あるし、試食した時に美味しかったから。流石に不味い物を出したりなんてしないよ」



 ナツとイルが話している間も、師匠は黙々と食べている。少なくとも食べている以上は、口に合わなかったという事はないのだろう。僕も味わいながら食べたけど、普通に美味しかった。


 ただ、せっかくならカツ丼が良かったという思いはある。このゲームには米もあるんだし、カツ丼が作れた筈だけど……この中で食べるのは男の僕だけかな? そう考えるとカツ丼が良かったとは言い出し難いね。


 そんな夕食も終わり、ソファーの部屋へと行ってマイルームへ。ラスティアとキャスティを呼び出したら、倉庫にお菓子を追加してログアウト。リアルでの諸々を済ませたらログイン。今日も屍人の森で<澱み草>を抜く。


 フォグとセスと浅層から順番に抜いていき、次は中層へと行く。連日抜いているからか、そこまで生えてはいないようだ。試しに【セイントエリア】を使ってみたら、【クリア】よりもゆっくりと萎びるだけだった。


 範囲がそれなりにあるので、ダメージを受けたアンデッドが向かってきてしまったものの、敵を集めるには便利かとも思う。それと【セイントエリア】内でアンデッドを武器で倒しても、普通に<浄石>がドロップする事が分かった。


 別に重要だったり優秀な情報でもないんだけど、範囲内にアンデッドを集めれば大量に<浄石>を手に入れられるだろう。多分でしかないし、いちいち狙ってやったりしないけどね。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:フォグの【浄化魔法・下級】に【セイントエリア】が追加されます


 召喚モンスター:フィーゴの【浄化魔法・下級】に【セイントエリア】が追加されます


 ―――――――――――――――



 ハイレイスになって【憑依】中にも魔法が使えるようになったからか、意外とちょこちょこセスから出て使ってるよね。その御蔭かな?。


24・41・79・114話の誤字報告、ありがとうございました

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