0245・【傲慢】の悪魔とは?
2000年 10月8日 日曜日 AM8:11
今日は昨日と同じく砂漠へ行く日なんだけど、ナツとイルはそこまで行けないし、今日は26階からスタートだね。再びホワイト系の魔物の階を抜けなきゃいけないけど、あそこはそこまで難しくはない。
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召喚モンスター:ファルが【石工】を習得しました
召喚モンスター:ファルが【細工】を習得しました
召喚モンスター:ファルが【器用な指先】を習得しました
召喚モンスター:セナは【身体強化】を忘れました
召喚モンスター:セナは【体幹】を習得しました
召喚モンスター:セナは【重心】を習得しました
召喚モンスター:セナは【体捌き】を習得しました
召喚モンスター:セナは【足捌き】を習得しました
召喚モンスター:ドースは【突撃】を習得しました
召喚モンスター:ドースは【吶喊】を習得しました
召喚モンスター:ドースは【跳躍】を習得しました
召喚モンスター:フォグは【身体強化】を忘れました
召喚モンスター:フォグは【疾走】を習得しました
召喚モンスター:フォグは【魔力干渉】を習得しました
召喚モンスター:フォグは【魔力放射】を習得しました
召喚モンスター:フォグは【魔力集束】を習得しました
召喚モンスター:フォグの【闘気感知】が【練気感知】に変更されます
召喚モンスター:フォグの【闘気操作】が【練気操作】に変更されます
召喚モンスター:フォグの【練気感知】がランクアップし、【練気感知・下級】になりました
召喚モンスター:フォグの【練気操作】がランクアップし、【練気操作・下級】になりました
召喚モンスター:シグマが【魔力感知】を習得しました
召喚モンスター:シグマの【魔力感知】が【精密魔力感知】に変更されます
召喚モンスター:シグマが【闘気感知】を習得しました
召喚モンスター:シグマの【闘気感知】が【練気感知】に変更されます
召喚モンスター:シグマが【闘気操作】を習得しました
召喚モンスター:シグマの【闘気操作】が【練気操作】に変更されます
召喚モンスター:セスが【足捌き】を習得しました
召喚モンスター:セスが【闘気感知】を習得しました
召喚モンスター:セスの【闘気感知】が【練気感知】に変更されます
召喚モンスター:セスが【闘気操作】を習得しました
召喚モンスター:セスの【闘気操作】が【練気操作】に変更されます
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うわー……ログイン直後に大量に通知ラッシュが来たね。それだけ色々な事をして……あれ? セナのスキル数が15個以上ある? って事は2回目の進化で、最低でもスキル数は20個まで増えてるのか。ありがたいけど、覚えさせるスキルは慎重に決めよう。
今のところは新しいスキルが無くてもやっていけている。でもスキルを覚えるなら早めの方が良いし……その辺りが悩ましいんだよね。ファルには【細工】なん……んん!? 【器用な指先】ってナニ?。
ちょっとファルに聞きに行かないといけないね。そう思って急ぎファルの所に行った僕は、ファルのジェスチャー見つつ、試しに色々やってみたところ。
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※スキル:【器用な指先】を習得しました
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何かあっさりと習得したんだけど、これってもしかしてファルが習得したから? だとしたらネクロマンサーと召喚モンスターはお互いに恩恵があるって事になるね。もしくは僕が高いレベルで模倣したからかな? 木を削る事しかやってないんだけども。
良さ気なスキルも手に入ったし、ソファーの部屋に気分よく移動した僕は、師匠のスケルトンクラフターに手を握られ連れて行かれた。食堂に着くと師匠もナツもイルも怒っているみたいで、僕は急いでラスティアとキャスティを呼び出す。
「それで? 何故ここまで遅くなったのだ。事と次第によっては許してやらんでもない」
「あー、そのー……はい、すみません。ファルが【器用な指先】というスキルを得ており、物作りだけじゃなく戦闘にも役立ちそうだと思って教えてもらってました」
「………はぁ。まあ、どうせそんな事だろうと思っておったわ。種族の格が上がっておるので許してやるか。それにしても【魔闘仙】は【魔闘仙・弐格】というのだな」
「「えっ!?」」
ナツとイルがビックリした顔をしているので、僕は2人に昨日レベル40になり種族進化を果たした事を説明した。2人も目標がレベル40だと分かったようで喜んでいるけど、能力値の減りに愕然としている。
「そこまで愕然とせずともよい。確かに能力としては落ちているが、生き物としての格は上がっておる。魔力の器や闘気の器、それに筋肉の密度や反射などもそうだ。上の位階に上がるほど己を制御するのは難しくなるが、代わりに基礎的な能力は向上する」
「数字には見えない能力があり、そこが向上しているから能力が減っても戦える?」
「うむ。見え辛い力が向上しておるからの、それを駆使すれば十分に戦える。それよりも肉体そのものが変化しておる以上は、それに慣れるのが先じゃ。どんな道具も使い熟せなければ意味は無い」
「私達も頑張ってレベル上げをしなくちゃいけないね。いや、経験値の高い所へ行けば上がるんだから、重要なのはサブ職業のレベルかな?」
「戦闘で上がらないのはサブ職業。ならそちらを優先して上げた方が良いとは思う。でも全体的に上げていくしかない。何より経験が大事。促成栽培は中身がスカスカ」
「それは農業でも変わりません。適切な肥料の追加と見極める目がなければ、促成栽培をしても美味しい野菜は出来ませんから。小ぶりなぐらいならマシで、中がスカスカだったり歪んでいたり、最悪は苦味ばかりの野菜になってしまいます」
「人間種でいえば増上慢だったり捻くれ者になったりじゃな。傲慢……は、ちょっと違うの。アヤツは面白いだけじゃし」
「面白いって……まあ、見ている分には面白いけどね。自分が一番輝いていると勘違いしてるから、絡まれると面倒臭いのよ。それなりに人気のある奴だから余計に始末に負えないのよねえ」
「分かります。天使の星に来た事がありますが、そこでも一定の人気はありましたからね。しかも注目が集まれば集まるほどテンションが高くなって、面倒臭さがアップしていくんですよ」
妙に嫌われているというか面倒臭いと言われてるので、気になった僕は聞いてみた。すると、何とも言えない人物像が返ってくる。物凄く分かりやすく言うと、自分が最高のアイドルだと勘違いしている人物。それを思い浮かべたよ。
実際、非常に美しい人物らしいが、とにかく自分が最高だという自信に満ち溢れているそうだ。アイドルなので格好よく敵を倒す為の強さも持つという、訳の分からない人物でもある。徹頭徹尾、全ての物は自分を輝かせる為にあると思っているらしい。
つまりあらゆる物が脇役で、主役は自分という事だ。確かに【傲慢】ではあるんだろうけどね……。何だろう、この聞いているだけで疲れてくる人物像は。
「それにあいつは色々な事を言われても、全ては美しい自分に対する嫉妬だと思うから、聞く耳を全く持たないのよね。あまりにも酷いんで、一番最初に封印されたくらいよ? それを笑ってたら、後で私も封印されたんだけどさー」
「あの者は本当に色んな者との相性が最悪ですからね。見ているだけで絡んで来ないのならいいのですが……。あー、そう言えばエルフェリアの連中とも相性は最悪でしたね。エルフがどれだけ罵倒しても、まったく気にしていませんでしたし」
「ボクの美しさに嫉妬してしまうのは仕方ない事さ、大きな心を持って接してあげないと。って、ナチュラルに言う奴だからねえ。相手の神経を逆撫でするのが本当に得意というか、天然でやらかす奴なのよ」
「「「………」」」
流石<七大罪>において一番の悪と言われるだけはある。とにかく関わりたくない、そうとしか思えないね。




