表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
243/566

0243・蠍と駱駝




 ダンジョンを脱出し、師匠の家まで戻る。屍人の森の浅層で<澱み草>を抜きつつ戻っていると、師匠の家の方から衝突音などが聞こえてきた。どうやらまたバカが出たらしい。プレイヤーが1万人増えたから、中にはこういうバカも居るんだろうね。


 そんな事を考えていると、見えてきた時には誰も居なかった。どうやら殺されて拠点に戻されたらしい。誰かは知らないけど、いちいちバカみたいな事をしなきゃいいのに。そんな事を思いながら修羅スケルトン達に挨拶し、師匠の家の中へ。


 ソファーの部屋に入りマイルームへと飛んだら、こちらに召喚モンスター全員を戻す。倉庫の中へアイテムを入れて必要な素材を出したら、再びソファーの部屋に戻る。さて、今から物作りだけど、どうなるのやら。



 ―――――――――――――――


 <格闘> 雪怪木と黒蠍の甲殻のトンファー 品質:7 レア度:3 耐久520


 スノートレウッドとブラックスコーピオンの甲殻で出来たトンファー。魔力強化は出来るものの、それなりに劣化するので注意。ただし闘気とは相性が良いので、闘気で強化しよう

 攻撃力20 破壊力3


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <格闘> 雪怪木と黒蠍の毒甲殻のヌンチャク 品質:7 レア度:3 耐久510


 スノートレウッドとブラックスコーピオンの尻尾の甲殻で出来たヌンチャク。硬く強靭な素材を使っており、闘気との相性が良い。修理は出来ないものの、優秀な一品

 攻撃力22 破壊力4


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <盾> 雪怪木と黒蠍の鋏甲殻のカイトシールド 品質:7 レア度:3 耐久540


 スノートレウッドとブラックスコーピオンの鋏の甲殻で出来たカイトシールド。魔力よりも闘気で強化する盾であり、魔力を使わないので魔法使いに人気の盾。だからと言って強化し過ぎると劣化を早めるので注意しよう

 破壊力減少4(闘気強化時5) 魔法威力減少3(闘気強化時)


 ―――――――――――――――



 おっと………ああ、そういう事ね。通常の状態だと破壊力減少4で、闘気で強化していると5になると。魔法は元々魔力などを流さないと弾けないから、こういう表記になるんだね。しかし闘気で強化しても魔法は弾けるのか……。


 肉体も魔力や闘気で強化すると弾いたり出来るって事だと……そうだ、僕は既にやってるじゃん。【幻惑魔法】を解除したのだって魔力を使ってだし、肉体だって根本的には変わらない訳だ。成る程、成る程。


 闘気で強化出来る武器は魔力と相性が良くない感じだけど、代わりに魔力を消費しなくても済む。白曜石ほどは強くないけど、代わりにブラックスコーピオンを倒せば良いだけなので、手に入れやすいんだよね。スノートレウッドがネックだけど。


 それでも優秀な素材なのは間違い無いし、スノーウッドで作っても良さ気なら相当使える素材に化けるね。色々とやってみようかな。



 ―――――――――――――――


 <剣> 雪木と黒蠍のグラディウス 品質:7 レア度:3 耐久460


 スノーウッドとブラックスコーピオンの甲殻を組み合わせて作られた剣。とてもシンプルな形状をしている剣であり、稀人の世界ではグラディウスと呼ばれていた物に酷似している

 攻撃力18 破壊力2


 ―――――――――――――――



 攻撃力は低いけど破壊力が2だね? これはグラディウスだからなのか、それともブラックスコーピオンの甲殻を使ったからなのか、イマイチ判断がつかない。ちょっと困ったけど、どっちも手に入れやすい素材だから、売るのはこっちの方がいいだろう。


 とりあえずマイルームに戻り、セスに盾を渡して交換させる。スパイクシールドは悪く無いけど、敵によってはあっさりと棘が壊される事が分かった。流石にあれは使い勝手が悪いとしか言えない。棘の耐久力が低すぎる。


 代わりに闘気を使うカイトシールドにしたんだし、魔力をより使いやすくなったろう。今までなら盾にも使わなきゃいけなかったから、余裕を残しておく必要があったけど、これからは盾の魔力分は攻撃に回せる。


 大きな戦力アップにはならないけど、それでも戦力が上がる事は間違い無い。明日からも豪雪山に行って素材を収集しなきゃなぁ、予想以上に豪雪山の素材のお世話になってるよ。とはいえ、ダンジョンの中に今以上の木や石が無いんだよねー。


 魔力金属は作り方を知らないし、今の僕じゃ作っても品質は低いだろうしね。後で作る事にはなると思うけど、それでも今は魔物の素材を使って腕を磨くべき時だ。そっちも経験しないと伸びないと思うし。


 ファルを呼んで夕食の準備を手伝わせ、ついでにブラックスコーピオンの鋏の中の身とラクダ肉を持って行ってもらう。それなりに大きな蠍だったからか、鋏の中に結構な身が詰まってたんだ。食べられそうだったので渡したけど、不味かったりして。


 その後はスノーウッドを使いつつ、適当な素材を使って武器を作りプレイヤーマーケットに流す。ファルに呼ばれたので行くと、今日の夕食の中にエビチリがあった。どうやら鋏肉は中華になったらしい。



 「ふむ、見た事の無い料理じゃが、なかなか美味いのう。このプリプリしておるのは何じゃ?」


 「それはブラックスコーピオンの鋏の中の肉です。今日スカルモンド領のダンジョン、そこの31階に居たんですけど、そこで出てきました。ブラッディキャメルの肉も渡したんですけど……コレですかね?」


 「ほう! アレは珍味と呼ばれる肉でもあるのじゃが………うむ!! 独特な風味があるが美味いわ! もっと持って帰って来て良いぞ。シャープホーンバッファローも良いが、ブラッディキャメルの肉も良い」


 「美味しいわねえ。これがあのクソ鬱陶しいラクダの肉とは思えないわ。いちいち暴走して走り回るし、サンドドッグに噛み付いては血を貪るし。おかげで戦線が安定しなくてメチャクチャよ」


 「あれは本当に酷かったですよね。サンドドッグですら迷惑そうな顔をしていましたし、そんな事はお構いなしに暴れますし、更にはブラックスコーピオンまで現れてメチャクチャでした。本当に酷かったです」


 「明日からは適当な遠距離攻撃で誘き出すべきだよ。あいつ傷を負うと突っ込んで来るから、ブラックスコーピオンの事を考えても、ブラッディキャメルを動かした方が良い。最悪でも今日のように2匹で殺し合いだろうしさ」


 「ブラックスコーピオンは自らの上を通る者を襲うからのう。そこに人間種かどうかなど一切の関わりは無い。唯ひたすらに殺して喰らうだけじゃ。己の毒で殺して喰らう、蠍系の魔物は主にそういう生態をしておる」


 「あの砂漠には当分お世話になりそうだなぁ。更に先へと進んでも良いんだけど、それはそれで……相手が強ければいい素材になりそうではあるし、困ったな」


 「神のダンジョンはビッグフットが面倒だしね。王都のダンジョンにでも行く? この国は他の国と違ってダンジョンが2つあるからさ。他のダンジョンなら別の物が見つかるかもしれないわよ?」


 「他の国はあっても1つですが、この国は2つありますから珍しいんですよ。とはいえ王都が近い方が賑わいますから、こっちは寂れている印象を受けますが。それでも普通のダンジョンよりは、ちょっと少ないぐらいです」


 「そうよねえ。そこまでダンジョンに挑戦する者も多くないし、ちょっと少ない程度でしかないわ。狩人はそもそも村や町の近くで狩りをするし、ダンジョン専門は探索者だけど、探索者って元々数が少ないのよ」


 「何で?」


 「ダンジョンの中は外よりも遥かに危険だからです。まだそこまでの物は見かけてませんが、トラップもあるでしょう?」


 「ああ、そういう事ね。確かに外に比べれば危険だ」



 簡単にパパッと避けるからアレだけど、確かにダンジョン内にはトラップがちょこちょこあるんだよね。光って見えてるから問題ないけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ