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0241・砂漠のモンスター




 先ほどからバインド系魔法で止めようとしているのだが、全く効いていない。もしかしたら暴走中はバインド系魔法が効かないのかも。そう思えるほどに効かないので、諦めて遠距離から魔法を撃つ事にした。


 理由は暴れ馬の如く手がつけられないからだ。ラクダって砂漠を歩いているイメージが強いけど、走ると思っている以上に速いんだ。四つ足の生き物だから当然なんだろうけどね。


 右に左に暴れ回るブラッディキャメルは適度に攻撃しつつ、サンドドッグの方を先に倒す事にした。理由としては、サンドドッグに噛みついて血を吸う事により、どうも回復してるっぽいんだ。暴走してるから分かり難いんだけど、傷口が塞がってる気がする。


 なので回復元を先に潰さないと、いつまでも戦い続ける羽目になりかねない。僕は仲間達に指示し、ブラッディキャメルは無視でサンドドッグを先に全滅させる。ブラッディキャメルの動きを止めたいが、全く止められないから仕方ない。


 まるでスーパーアーマー状態の如く、何を受けても気にせずに動き続けている。いや、正しくは犬に噛みつき血を吸って飲んでる。そんな奴が暴れ回ってるんだから手をつけられなくて当たり前だ。困っていると、突然前方の地面が揺れて大きなサソリが現れた。



 ―――――――――――――――


 <ブラックスコーピオン> 魔物 Lv24


 砂漠に生息する大きな蠍型モンスター。名前の通り真っ黒であり、その色の如く夜間に動き回る性質を持っている。昼間は近付いてきた者を突き上げて、叩きつけると同時に尻尾の毒針を突き刺し、毒を注入してくるので注意。毒性は強い


 ―――――――――――――――



 やっぱり居たね、サソリの魔物。それはいいんだけど、そのブラックスコーピオンは何故かブラッディキャメルに尻尾の毒針を刺している。ダンジョンのモンスターなのに何故か三つ巴? の状況だ。


 少々違うのは、サンドドッグは僕達と戦い、ブラッディキャメルはサンドドッグを襲い、ブラックスコーピオンはブラッディキャメルを襲っている事だろう。何故こんなおかしな構図になっているのか分からないが、絶妙に面倒な状況になっている。


 ブラッディキャメルが血を吸えるのは、僕達かサンドドッグしかいないので分からなくはない。サンドドッグは暴走しているブラッディキャメルよりは、僕達の方が戦いやすいんだろう。これも納得。……ブラックスコーピオンは何故ブラッディキャメルを襲ってるんだ?。


 もしかして誰かに関係無く、近付いてきた者は全て獲物と認識してる? だから僕達じゃなくブラッディキャメルを襲ってるんだとしたら、一応は納得できるね。本当のところは分からないけども。


 暴走しているブラッディキャメルを何とかしたいが、今は怪獣大決戦みたいになっているのでサンドドッグを倒す。運良く? 運悪く? 数が少ないのでさっさと処理し、倒してしまう。これで戦闘に変化が出るだろうか?。


 そう思っていると、ブラッディキャメルの血走った目が僕に向いた。そうして僕を襲おうとするのだが、背後から毒針を刺されているからか徐々に力が抜けていき、最後は泡を吹きながら消えていく。どうやら倒されたらしい。


 その後、僕達にターゲットを切り替えたもののバインド系の魔法を受け、その間にキャスティやシグマが攻撃を繰り返し、尻尾を根元から切断した。その瞬間、軋むような声でブラックスコーピオンが叫ぶ。



 「ギィィィィィィィッ!? ギチギチギチッ!!!」



 こちらに対しかなりの威圧を放ってきているが、残念ながら毒針の無いサソリなんて怖くも何とも無い。左右の鋏で攻撃してくるものの盾組が流し、その根元を切り裂かれた。どうやら片方はセナが【魔刃】で切り落としたらしい。



 「ギィー!! ギヂギヂヂヂギヂヂィ!?!!!」



 既に両腕の鋏が落とされ尻尾も無い。もはや挽回する方法も無いので逃げようとしたブラックスコーピオン、そこに無慈悲に【アイスバインド】が飛ぶ。拘束されているなら、後はボコボコにするだけだ。僕達は一斉に攻撃し、無事に倒す事が出来た。


 それにしても、この階層の魔物は面倒臭い。いや、正しくはブラッディキャメルが鬱陶し過ぎる。暴走する魔物を作られるとやってられないね。そう思いつつもドロップを確認。サンドドッグは<魔石・中>だったので、どうでもいいや。


 それでもプレイヤーマーケットでは人気で売れていた。買ってる人を確認するとサブが鍛冶師の人が多かったので、魔力炉に使ってるんじゃないかと思う。魔石はいいんだが、問題はブラックスコーピオンだ。



 ―――――――――――――――


 <素材> 黒蠍の甲殻 品質:7 レア度:2


 黒蠍ことブラックスコーピオンの甲殻。思っているよりも硬く柔軟性がある素材。優秀ではあるが、毒が危険な為に挑む者も多くなく、その流通量は少ない。


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 ――――――――――――――― 


 <食材> 黒蠍の鋏 品質:8 レア度3


 黒蠍ことブラックスコーピオンの鋏腕。食材となっているが、硬い甲殻でもあるので武具の材料としても使える。ただし武具に使うなら、錬金術師が必要



 ―――――――――――――――

 

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 <素材> 黒蠍の尻尾 品質:9 レア度:3


 黒蠍ことブラックスコーピオンの尻尾。毒針と毒腺に毒袋まで付いている。危険な毒ではあるが、肌に付いたところで問題は無い。この毒は体内に入らないと効果を発揮しないので、粘膜などを保護してから触ろう


 ―――――――――――――――



 主に武具なんだけど、一つだけ食材に使うような物がある。毒はプレイヤマーケットに流すと、巡り巡って僕に使われそうで何か嫌だ。なので欲しがるならイルにあげればいいね。イルが要らないなら捨てて甲殻だけ利用しよう。


 もう少しこの階層の魔物と戦ってみた方がいいかな? できれば攻略法を見出しておきたい。毎回、暴れ回るブラッディキャメルの相手もしたくないしさ。ちょうど遠くに見えてるし。


 【精密魔力感知・下級】と【練気感知・下級】で砂の中の反応を窺いつつ、僕達は遠くのブラッディキャメルに魔法攻撃を加える。届いて当たったからだろう、早速襲い掛かってきた。


 暴走したように噛みつきにくるものの、盾で防いだ瞬間ラスティアが強化した一閃で足を切り落とす。流石にこの一撃で暴れる事は出来なくなり、首を切られたブラッディキャメルはあっさりと沈んだ。



 ―――――――――――――――


 <食材> 血駱駝の肉 品質:7 レア度:2


 ブラッディキャメルの腹部分の肉。滋味に富んでおり、体に良いと古くから珍重される肉である。血ばかり飲んでいるような魔物に思われがちだが、普段の食料はサボテンであり雑食ではない珍しい魔物


 ―――――――――――――――



 たとえ普段はサボテンを食べているだけでも、血を飲み暴走するという行動のイメージが悪過ぎる。アレが無ければ「ラクダの肉ってどんな味だろう?」と純粋な好奇心で考えられるのにね。


 ブラッディキャメルは四つ足にありがちな、足を切れば勝利できるタイプだったので、今度からは出来るだけ早く足を潰そう。例えスーパーアーマー状態でも、怯まないだけで切り落とせば動きは制限できる筈。


 持って帰った甲殻や肉がどうかは分からないけど、役に立つならここに長く居る事になるかもしれない。もう少し気合いを入れて集めよう。


 ………魔物をある程度倒して素材を手に入れたのはいいんだけど、こうなったかぁ。


 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 おめでとうございます。規定のレベルに達した為、種族:魔闘仙はランクアップします

 種族:魔闘仙は、種族:魔闘仙・弐格へとランクアップしました


 使い魔:ラスティアの種族レベルが上がりました


 使い魔:キャスティの種族レベルが上がりました


 召喚モンスター:セスのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 弐格……<にのかく>って事かな?


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