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0240・スカルモンド領のダンジョン31階




 踊りの重要性を初めて知ったけど、同時にラスティアに怒られた。まあ、ただ踊るだけなのならサブ職業に設定されたりはしない。そう考えると納得したけど、踊りにも弱点はあった。魔力的な部分もあるからか、魔力で弾かれると効果が無いらしい。


 それは仕方ないんじゃないかと思いつつ、30階での休憩を終える。【昏睡眠】で回復した後、少し雑談を行い適度に緊張を緩和しておく。どんなボスが居るか分からないけど、そろそろ本格的に厳しいボスの筈だ。


 ボス部屋の中に入って出てくるのを待つと、現れたのは青いオーガが3体だった。前回のボス戦に続いて進化している奴か!。



 「相手は3体とはいえブルーオーガです。しっかりと流して攻撃を受けないようにして下さい。後ろの面々は援護をお願いします。ブルーオーガはゆっくりとですが傷を回復しますので、責めるときは一気に攻めて下さい」


 「それでもブルーは深い傷は治しきれない。深手なら十分なダメージになる。魔法は効きやすいから、そっちでも攻めるわよ!」



 通常のオーガよりも一回り大きいけど、放たれる圧も大きい。レベルが違うと言えばそれまでだけど、同時にランクが上の者の強さを感じるね。そんな事を思いつつ、僕は【ダークヒール】で隙を作る事に徹する。


 左端のブルーオーガがセスを殴りつけるも、セスはスパイクシールドで流す。かなり無理矢理だからか棘が幾つも折れたけど、流す事には成功した。その瞬間セナが飛び出し、右手に持っているヌンチャクを脛に思いっきり打ち付けた。


 痛みで絶叫するブルーオーガと喜ぶセナ。ああいう嫌がらせというか、痛がらせるのをセナは好むんだよね……Sなんだろうか? っと、戦闘中に考える事じゃなかった。集中しよう集中。


 右端のブルーオーガがシグマを殴りつけるも、シグマは綺麗に流し、手首に手斧を叩きつける。その横から飛び出したラスティアが、薙刀で脛の横を切り裂く。ブルーオーガの身長が大きいので深く踏み込めていない。


 少なくとも2メートル30は超えており、手足も長いので厄介であり、懐に踏み込むのに勇気が要る。飛び込んで一撃離脱と行きたいところだけど、それも簡単には許してくれそうにない。


 もっと大きければ動きも鈍いのかもしれないが、2メートル30だと鈍いという程でもなく、その反応の速さに苦労している。真ん中のブルーオーガは、今は手を出せない。それが分かっているのかキャスティを集中して攻撃している。


 脛を殴られて痛みに呻いていたブルーオーガが、前蹴りを放ってきたもののセスは回避。その隙にセナが攻撃しようとするがブルーオーガは素早く足を引き、今度は左手でセナに殴り掛かってきた。


 セナは急いで倒れて回避し、僕はブルーオーガの伸び切った左腕を攻撃する。槍で手首の辺りを突き刺すと同時に、師匠が言っていた螺旋する【魔刃】を叩き込む。それはさながらドリルのように抉りこまれ、ブルーオーガの手首を破壊した。



 「グォォォォォォッ!!?!!」



 あまりの痛みと手首の壊れ方に慌てるブルーオーガ。そんな隙を見逃す筈もなく一気呵成に攻め立てて、最後はセスの【サンダーバインド】で止められてからの、心臓に向かっての【魔刃】螺旋突きで勝利。1体を倒せた。


 こうなると形勢はこちらに向く。フォグの【幻惑魔法】も効いたのか、明後日の方向に攻撃したブルーオーガの隙を狙い、ラスティアが足首を【魔刃】で切り裂く。深く切れたのか態勢を崩して倒れるブルーオーガ。


 そうなるともう逆転の目は無く、寄って集っての攻撃で倒された。残るは真ん中にいたブルーオーガだけだ。僕達はブルーオーガの攻撃が流された隙を狙って攻撃しようと思ったが、最後のブルーオーガはへっぴり腰でしか攻撃してこない。


 最初から回避する目的での牽制攻撃のみなので、僕やラスティアにドースとフォグ、そしてセスが一斉にバインド系魔法を使う。当然ここまで重ねて使われればどれかは効く。そして効いた隙に残りの全員が一気に攻撃して足を潰し、後はフルボッコで終了。長かった。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:セスのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 結構大変だったのにセスのレベルしか上がらなかったか。まあボス戦前の29階で大量に倒してレベルが上がってるから仕方ないとは思う。開いたので先へと進み、31階の転移魔法陣を登録する。


 先程のボス戦後にレアアイテムが出てるんだけど、コレ……どうしたもんかな?。



 ―――――――――――――――


 <食材> オーガの青リンゴ 品質:10 レア度:8


 オーガ種がよく食べている特殊なリンゴ。これはブルーオーガがよく食べている青いリンゴである。食べるとブルーオーガになれるが、それはオーガ種だけであり、他の種族にとっては美味しいリンゴでしかない


 ―――――――――――――――



 どうやらジャイアントゾンビの時と同じパターンのアイテムらしい。何となくサモナーかテイマー辺りが仲間にしてそうだなと思いつつ、青リンゴをさっさとプレイヤーマーケットに流し、31階を覗く事にした。


 すると次は砂漠の地形であり、非常に暑苦しく見える。定番のワームとかサソリとか居そうだけど、進まない訳にもいかない。防寒具が要るならまだしも、むしろ暑いエリアなのでこのまま進んでいこう。


 【精密魔力感知・下級】と【練気感知・下級】を使いながら進み、足下から奇襲を受けないように用心して進む。こういう時に下から突き上げるような形で登場するんだよ、ワーム系のモンスターが。


 そう思って警戒していると、この階の最初の魔物が見えた。



 ―――――――――――――――


 <ブラッディキャメル> 魔物 Lv21


 他者に噛み付き、生き血を吸うラクダ。彼らにとっては栄養補給と水分補給のようだが、血を飲むと暴走して暴れ回る。血が不足しても暴走し、血が足りている時しか冷静になれない悲しき魔物


 ―――――――――――――――



 悲しき魔物とか言われても、知らないよそんなの。少なくとも出会ったラクダは暴走しないでジッとこっちを見てるから、血は足りてるんだと思うけど……暴走する魔物って乱入してくる可能性が高そう。


 そんな事を考えていると、早速のように襲ってきた。



 ―――――――――――――――


 <サンドドッグ> 魔物 Lv16


 砂の地形に特化した不思議な犬の魔物。何故この厳しい環境に適応したかは不明だが、走り回りつつ【土魔法】を使い、敵を確実に弱らせていく戦いを得意とする。基本的に群れで狩りをする為、少数で現れる事は少ない


 ―――――――――――――――



 犬と思って舐めると痛い目に遭うだろうね。普通の犬の大きさだから素早い上に、周りを走りながら隙があると【アースバレット】を撃ち込んでくる。なかなかに厄介だが、何故かブラッディキャメルがサンドドッグを襲い始めた。


 そして血を飲んだからか暴れ回ってる。いったい何がしたいんだろうと思うけど、サンドドッグがメチャクチャに動き回る所為で戦い辛い。そのうえ僕達が傷を与えたサンドドッグを優先して狙うブラッディキャメル。地味に鬱陶しい。


 というかコレ、もしかして経験値を横取りされてない? そういうタイプのモンスターっていろんなゲームに居るけどさ、レベルアップしてランクが上がったりしないだけマシかな。レベル21だし。


 首狩り兎の時にそれがあるって分かったから警戒してしまうけど、大丈夫そうで何よりだ。それよりラクダをバインド系で止めて、さっさと倒そう。暴走を続けられても面倒だからさ。


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