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0229・踊り子の踊りとは




 2000年 10月5日 木曜日 AM8:21



 諸々のやるべき事は終えているので今日もログインするんだけど、まずは昨日の甲殻などをどうにかしないといけない。ログインして起きたら、プレイヤーマーケットの売り上げを回収して倉庫へ。


 次に倉庫からファルが作った物を取り出して、プレイヤーマーケットに流す。色々な素材が減っていたので補充し、僕は起きてきたラスティアとキャスティに挨拶してから、師匠の家のソファーの部屋へ移動する。


 ラスティアとキャスティを呼び出し、ファルを【拠点召喚】で移したら料理の手伝いに行かせる。昨日の甲殻をスノーウッド製の盾の前面に【融合】して作り、それをプレイヤーマーケットに流す。


 ついでに硬殻を【融合】した剣や槍に斧なども、作って売り出しておこう。



 ―――――――――――――――


 <剣> 雪木と大槌蟹の硬殻の剣 品質:6 レア度:3 耐久440


 スノーウッドとビッグハンマークラブの硬い甲殻を使って作られた剣。かなりの耐久を誇り、使いやすい剣ではあるが、硬殻が重いのが難点。ただし威力は高い

 攻撃力20 破壊力2


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <槍> 雪木と大槌蟹の硬殻の槍 品質:6 レア度:3 耐久430


 スノーウッドとビッグハンマークラブの硬い甲殻を使って作られた槍。かなりの耐久を誇り、鋭さも持つ槍ではあるが、硬殻が重いのが難点

 攻撃力21 破壊力1


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <斧> 雪木と大槌蟹の硬殻の片手斧 品質:6 レア度:3 耐久480


 スノーウッドとビッグハンマークラブの硬い甲殻を使って作られた斧。かなりの耐久を誇るものの、切れ味はそこまで良くない。ただし硬殻が重く破壊力が高いのが特徴

 攻撃力19 破壊力3


 ―――――――――――――――



 こうして並べると斧が優秀かな? やはり重さを直接威力に変換出来る武器は優秀だね。剣も使えなくもないけど、槍は重さが邪魔になってる感じか……。でもそうなると、ますます棍棒とかメイス向けなんだよねえ。


 とりあえず作るのは剣と斧かな? この辺りも使っている人は結構いるみたいだ。棍棒やメイスのような殴打武器を好まない人も一定数居るし、そういう人は頑丈で威力の高い斧を使う事もある。ソロで使うには大変だけどね。


 薪割りを想像してみれば分かるけど、本当の素人は斧を薪に対して垂直に振り下ろせない。人間は骨格と筋肉の付き方で左右どちらかに偏る為、意識しないと真っ直ぐ垂直に振り下ろす事は難しいんだ。


 そして真っ直ぐ垂直に振り下ろして断ち割る、これが斧を最大威力で使う使い方となる。なので斧と一口に言っても、それぞれの状況や態勢で最大威力を出すのは本当に大変だ。斧という物を簡単に考えていると、大抵の人は失敗する。


 <BUSHIDO>の中では斧も登場するので、僕は武器として練習した事があるんだけど、これが思っている以上に難しくて大変だった。今では使えるけども、かつてはリアルでも練習したぐらいだ。


 祖父母のかつての家には薪を使う物が幾つかあり、風呂やストーブの為の薪割りをやらせて貰った事がある。実際にリアルでやると、一刀で断ち割るのが大変な事がよく分かるんだよ。アレは良い経験だった。


 ファルから呼ばれたので食堂に行き、今日はログインしているナツとイルに挨拶する。朝食が終わったら着替えて豪雪山へと行き、鉱床を巡って木を伐って帰る。イルも矢の為に溜めこんでるし、ついでにナツまで伐り始めた。


 皆で伐って帰り、僕はマイルームへと素材を置きに行く。少し時間があるので<屍人の森>の浅層へと行き、新しく生えている<澱み草>を【クリア】を使ってから引っこ抜く。縮むので簡単に抜け、それを見ていた2人も真似し始めた。


 一緒に居るのはフォグとセスだけなんだけど、2人もウロウロしながら<澱み草>を抜いてくれている。浅層からは無くなったようなので戻り、トライボーンウルフに全て燃やして貰った。


 【クリーン】を使ってから師匠の家に戻ると昼食だったので、食事を済ませたら一旦ソファーの部屋でログアウト。リアルで昼食を食べて雑事を終わらせたらログイン。今度はダンジョンへと行く。



 「昨日と今日の朝に作ってた武器ってどう「ぎゃあ!!」なの?」


 「それな「ぐぇ!?」りには性能の良い物だったよ」


 「ビッグハンマークラブですから、それ「ぐぶっ!」なりの値段では売れるでしょう」



 盗賊に襲われていた新人っぽい男女8人組が居たので助けたんだけど、会話をしながら殺戮していく姿に微妙な顔で見られている。僕達に救援を頼んだんだから、これぐらいは我慢してほしいね。


 一応感謝を言ってきたけど、微妙そうな表情を直す気も無さそうだったので、僕は何も貰わずに立ち去った。代わりに2度と関わる気も助ける気も無いから、ブラックリストに放り込んでおいたけどね。これで関わる事も無い。


 気を取り直してダンジョンに行き、転移魔法陣で21階へと進む。昨日と同じく再びの素材集めだけど、ラスティアには<踊り子>のレベル上げもするように言っておく。そういえば<踊り子>ってスキルあるの?。



 「当然あるに決まってるでしょうが。敵を大量に集めているのもスキルなんだけど、私は自分でやってるわ。魅了の力を持つ魔力に変換して拡散するというものなんだけど、その変換にちょっと特殊なステップが必要なのよ」


 「そういえば<踊り子>の踊りによる魅了は、魔物にしか効きませんね? あれには理由があるのですか?」


 「魔物にしか効かないんじゃなくて、魔物にしか使ってないの。ちなみに人間種に対して踊りの魅了を使うと罪に問われるわよ? 踊りの効果は半分魔法的なもので、半分は物理的なものなの」


 「半分ずつ?」


 「簡単に言うと魅了の魔力を放っているけれども、同時に踊りに集中させているのよ。つまり踊りで目を引きつけながら、魅了の魔力で魅了するという形ね。………そして<踊り子殺し>と言われるのがオークどもよ」


 「それは……踊らなくても女性と言うだけで襲うからですか?」


 「そう。だから踊り子にとっては敵なのよ、オークは。あいつら魅了の魔力に関係なく襲ってくるから、引きつけたい奴に関係なく動かれるとコントロールが出来なくなるの。無差別に引きつけるのは新人の失敗よ? 本来はね」


 「あー、魔物に襲われすぎて危険だからだね?」


 「ええ。普通のパーティーなら、あんな危ない事はしないのよ。敵を大量に引きつけて全て倒すなんて事は。出来るだけの実力があればいいけど、普通の踊り子としては頼まれてもやっちゃいけない事なのよ。元悪魔の私には関係無いけど」



 話をしながらも冷静に敵を倒し、素材を得ていく僕達。まだラスティアには踊ってもらってないけど、海に近付き盾組に並んで構えてもらう。


 そしてラスティアには海に向かって踊ってもらい、出てきたり近付いてきたマーマンを投擲で殺していく。


 思っているよりも簡単に死ぬが、密集していない所為か殺せた数は少ない。ラスティアのMPが随分減ったが、その価値はあったと思う。何といっても不意打ちの確率を減らせたのは大きい。



 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアのサブ職業【踊り子・下級】のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 意外に簡単に上がったなーと思っていると、キャスティからマイルームの庭を使いたいと言われた。詳しく聞くと、どうやら畑で農業をしたいらしい。


 マイルームに関する物はポイント交換で手に入れたんだけど、今は運営マーケットでも売っている。そして、そこに農地があった筈。確か30万デルだったかな?。


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