0215・王都トゥーラに到着
2000年 9月27日 水曜日 AM8:19
今日は昨日と同じく移動の日だ。とりあえず師匠に聞いた王都の酒場に行かなきゃいけないんだけど、馬車の旅が暇で暇でしょうがない。まあ、レベルを追い越されても、他の人が強くなっても焦る必要はないんだけどさ。それにしたって暇な時間が続くのはねえ。
ログインした僕は起き上がると、今日は既にラスティアもキャスティも起きていた。2人に挨拶した後でマイルームを出て、宿の部屋で拠点召喚を解除する。さて朝食を食べに行こう。
宿を出た僕達は昨日と同じ酒場に行き、朝食を食べたら移動馬車の店へ。6000デルを支払いオイク町への馬車に案内されると、乗って出発を待つ。他の客も乗り込んだので出発し、僕達はアットルマ町を後にする。
昨日と同じで会話も無くダラダラと時間が経ち、1つめの村に到着した。僕はトイレを気にしないけど、2人は行って戻ってきて、昨日と同じく愚痴を零している。隣の女性も同じような事を言われたのか、互いに愚痴を零しあってるなぁ。
再び進み2つ目の村へ。ラスティアとキャスティと女性達は、答えの無い雑談をひたすら繰り返していた。ある意味で凄いとしか言えないね。村に到着したので皆は降りたが僕達は残り、プレイヤーマーケットでサンドイッチを買って食べる。
僕はすぐにログアウトし、リアルでの昼食と雑事を終えたらログイン。まだ馬車は発車していなかった。やれやれ、セーフ。おそらく馬車の中だと大丈夫だと思うんだけど、外判定されてたら王都に……うん? その方法なら一瞬で着いてた?。
……せ、正規の手続きで行く必要があるから、そういう卑怯な方法とか駄目だから! ……今ごろ気付くなんて、僕も何処か抜けてるなぁ。外でマイルームに退避すれば、登録されている拠点のある国の王都に飛ぶじゃん。ある意味で無料転移だ。
とはいえ悪用すると悪行度が上がりそうだし、それはそれで嫌だから利用は止めとこう。使っても大丈夫だとなったら使うかもしれないけど、危険な事は止めておくべきだね。おっと忘れてた、2人にはリンゴを出しておこう。
出発したものの、相変わらずの女性陣の会話を聞きつつ、暇な時間をダラダラと過ごす。あまりに暇なので色々と考えてしまうが、これならドースで移動した方が早いかもしれない。明日はそうしてみようかな?。
ようやく町に着いたので降り、門番の質問などに答えて町中へと入る。ラスティアもキャスティも疲れた顔をしてるね。愚痴の零しあいだったけど、周りの女性達が強すぎて2人は終始押されてたもんねえ。
宿に行って3人部屋をとり、酒場に行って食事をする。2人も疲れているのですぐに宿の部屋に戻り、そのままマイルームへと退避した。少し早いけど2人に○まい棒を渡してログアウト。本日はここまで。
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2000年 9月28日 木曜日 AM8:22
今日でようやく王都までの移動が終わる。この後で更に移動しなきゃいけない可能性があるけど、とりあえずは今日で終わりだ。本当に疲れるよ、中世の人達って大変だ。
ログインして起きると、今日も2人は先に起きていた。なので僕はそこで2人に提案する、僕がドースに乗って一気に移動する実験をしたいと。おそらく馬車よりも速いから、王都に着くまではマイルームで休んでていい。
そう言うと2人はガックリしたように肩を落とし、昨日なぜしなかったんだと文句を言い始めた。なので昨日町に着く前に思いついた事を言う。僕も抜けてたけど、2人だって思いつかなかったろう?。
「まあ、そうだけどさー。幾ら移動馬車が速いって言ったって、絶対荷物も無いゾンビホースの方が速いに決まってるじゃない。何たってスタミナが無いのよ? 全力疾走し放題の馬の方が速いに決まってる」
「そうですよ、本当。今までの時間は何だったのかと言いたくなります。場合によっては昨日王都に着いていた可能性すらありますよ」
「まあ、とにかく今日は僕だけで移動するから、2人はゆっくり寝てていいよ。食事ならファルが作ってくれると思うけど、一応プレイヤーマーケットで適当に買った物も入れておくから」
僕はそう言って、適当に買った物を倉庫に詰めていく。ついでにう○い棒やカ○ルにココナ○ツサブレ、それに各種煎餅も詰めておいた。取り出して勝手に食べるだろうから、これでいいね。
僕はドースに呼び出して乗せてもらう事を言い、快く了承を貰ったら宿の部屋へ。宿を出て行く時に従業員に不審な目で見られたけど、スルーして酒場へと向かい朝食を食べる。
朝食後、町を出て少し歩き、ドースの拠点召喚をキャンセルして呼び出す。ドースは鼻息荒く、走る気満々だった。そんなドースを落ち着かせつつ、僕は鞍に跨ってドースに許可を出す。
するとドースはいきなり疾走し出した。外を思いっきり走りたかったのだろう、僕はぶつからないようにだけ言い、後はドースに任せる事にする。向かい風を強く受けながらもドースは走り、簡単に1つめの村を越えた。
そのまま走り続け2つ目の町に到着したものの、まだ昼になってもいない。それでもドースと共に王都手前のカームト町に入り、僕は酒場を探す。……どうも酒場は昼時には開いてないらしい。
食堂に行って昼食を食べ、公園のような場所でログアウト。アバターはドースに見張って貰う。こちらも早いものの昼食を終え、できる雑事を終えたらログイン。ドースに挨拶し、問題なかった事を確認したら町を出る。
再びドースに乗って疾走し、気付けば昼過ぎには王都前に到着していた。やはりスタミナが存在しないって凄い、全力疾走し続けられる訳だし。そんな事を考えつつ王都の前の列に並び、順番が回ってくるのを待つ。
入るのにお金は要らないみたいだが、流石に犯罪者みたいな者は弾かれる。正しくは弾かれるというより連れて行かれるようだ。今も横にある詰め所に誰かが連れて行かれたから、何かの犯罪に加担してたんだろう。
僕も色々聞かれたので正直に答え、王都の中へと入る。近くの人に話を聞き、良心的な宿を聞いて1人部屋をとる。部屋の中からマイルームに移動し、ドースをマイルームに戻したらラスティアとキャスティに声をかけた。
どうやら昼過ぎまで惰眠を貪ってたらしい。……昨日の愚痴ラッシュで疲れてたんだろうね。
2人には王都に着いたから呼び出す事を言い、宿の部屋に戻って2人を呼び出した。僕達は宿の部屋を出て酒場へと向かうんだけど、宿の従業員に「ギョ」っとされた。いきなり女性が2人出てきたらビックリするのも仕方ないか。すみませんね。
師匠に聞いていたスラム近くの酒場はまだ開いてなかったので諦め、代わりに王都観光と称してウロウロする事にした。色々な物を見て回るが流石は王都だ、値段が高い。他の町ならもっと安く売ってる物も結構な値がする。
仕方がないんだろうし、運送費用を考えたらどうしようもないんだろう。そんな事を話しつつも武具や雑貨に食料も見て回っていたら、結構な時間になっていた。なので師匠に聞いていた<ベイズナムラ>へと移動。どうやら開いているようだ。
酒飲みのガラの悪い声が聞こえてくるが、僕は構わず扉を開けて中に入る。すると一気に「シーン」として、中の客がこちらを一斉に見てきた。こういう事ってあるけど、新しい客に注目する必要あるのかな?。
僕達は気にせず店主であろう男性に近寄り、まずは店主かどうかを聞く。そこが間違っていたら何にもならないからね。




