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0189・国境へ




 「ちょっと聞きたいんだけど、アンタってグーラなの?」


 「そうですよ。私は元々天使の星のタチバナの国で巫女をしていました。七柱の神に仕えていたのですが、亡くなった後に此方で生を受けたのです、グーラとして。その後は色々と旅をしたりしていましたが、ここの辺境都市を何故か強引に任されまして……」


 「あー、あの女王ならやりそうですね。実力のある者であれば、簡単に辺境伯にでもしそうです。それより貴女はグランドですか? それともアークですか?」


 「私はアーク・グーラとなります。流石にオリジンの位階にまで上がるのは簡単ではないので。女王陛下に目を付けられたのは、私が非常に珍しい<破霊ノ巫女>という職業だからでしょう。今も国境に結界を張っていますし」


 「【探知結界】ですか? それなら私達が来る必要は無いと思うのですが、何故あの女王は私達というかコトブキに頼んだのでしょうね?」


 「国境は森に囲まれていて、そこに曲がりくねった道を配しています。その道と付近に【探知結界】は張ってありますが、それ以外の森の中には張っていません。少し前から獣王国の間者などが入り込んでいるという報告はあるので、森の警戒をお願いしたいのです」


 「森の警戒って事は夜? 流石に夜の森に踏み込めっていうのは自殺行為よ?」


 「いえいえ、流石にそんな事は申しませんよ。国境の森の入り口付近には砦もありますので、そこの者達が夜間は監視しています。昼に森を迂回して出てこられると、獣王国からの旅人か間者か分からないので探してほしいという事ですね」


 「つまり国境の森からこちら側にも森は続いていて、その辺りから人知れず出てこられると分からないという事ですね? あくまでも【探知結界】は森の中の道と、その付近にしか使われていないと」


 「ええ。そして間者を捕まえたら、こちらまで生きたまま連れてきて下さい。私は【悪心想破】と【邪心喝破】を持ちますので、嘘を吐かれても分かるのですよ。皆さんの言葉にも嘘が無いのが分かっていますので」



 ニッコリと笑顔で言ってくるけど、なかなか怖ろしいスキルだなー。とはいえ巫女さんなら分からなくもない。というか投げてきた紙ってもしかしてお札なのかな? お札を投げて戦う巫女さんで……レトロ……うーん、何だろう?。


 僕達は執務室を後にし、辺境伯の屋敷を出て町へと繰り出す。ちなみに屋敷に転移紋があったのは、一日一回報告をさせる為だそうだ。サーヤ辺境伯は女王陛下に国境監視の者を連れてくるとは言われていたが、誰とは聞いてなかったらしい。


 なので僕が来ても分からなかったようなんだ。思っている以上に雑だけど、ワザと問題が起きるようにしてないかな? 仮に何かあっても僕なら復活するしね。ついでに問題を起こすと、それで手を突っ込んで色々出来そうだし。その辺りも狙った気がする。


 辺境伯が信用できないんじゃなく、大手を振って手助けする為かな? わざわざ直々に連れて来たっぽいし、女王の狂信者が騒いでないなら辺境伯には問題が無いって事になる。なら問題は周りかな? その辺は僕が考える事じゃないけど。


 僕達は町を出て北に向かい歩いていく。どうも国境まではそこまで遠くないらしいので、暢気にブラブラと歩きながらだ。そこまで多くないものの馬車などは通行している。おそらく砦に供給する物資を運んでいるんだろうけど、人通りはあるんだね。


 ある程度歩いていくものの、周囲の魔物はそこまでではない。だいたいはウサギとネズミだし、そこまで変わらない。一部で野犬が居るけど、こんな感じ。



 ―――――――――――――――


 <ワイルドドッグ> 魔物 Lv11


 魔力を持っただけの犬。噛み付き攻撃は怖ろしいものの、それ以外は然して強くない。噛み付き攻撃を行ってくる魔物の対処を習おう


 ―――――――――――――――



 言いたい事は分かるけども、悲しい扱いをされている魔物だ。まるで噛み付いてくる魔物のチュートリアル扱いだけど、それでも役どころを与えられているだけマシなのかな? そんな事を思いつつ槍で刺し殺す。


 今さら噛み付きがどうとか言われても困るし、そんな魔物とは戦ってきている。豪雪山のホワイトウルフやフリーズベアだって噛み付いてくるしね。僕達にとってはあまりにも今さらすぎる魔物だ。


 そんな中を砦まで歩き、迂回して国境の近くへ。砦の中では簡易宿舎などがあるらしく泊まっていく者は多いらしいが、僕達には関係ない。なのでそのまま国境の道に入り、適当に近くから森の中へと入っていく。


 実はサーヤ辺境伯から<方旋札>という物を貰っており、これを使うと北が分かる。なにやら草書体が書かれていてよく分からないが、片方の端が朱色に塗られていて、魔力を流すとそちらが北を向くようになっている。


 どれだけ道に迷っても、この国境の道は南北に作られているので南に行けば出られると聞いた。なので軽い気持ちで森に入ったのだが、あっと言う間に何処に移動しているのか分からなくなったんだ。



 「流石は森よねえ、あっと言う間に位置が分からなくなるなんて。まあ、この札があれば簡単に北が分かるから楽だけど、あの辺境伯コレを売るだけで巨万の富を得られるでしょうに」


 「敵国に使われるとマズいので売れないと言っていましたし、その理由は納得ですけどね。獣王国が持てば都合よく利用してくるに決まってます。それより。思っていたよりも見つかりませんね」



 僕達は下を向いて<ロットン草>と<ティロエム>を探している。ロットン草はヨモギっぽい感じの草で、ティロエムはアロエっぽいと考えれば分かりやすい。アロエのように葉がトゲトゲしていない物となる。


 その2つを探しつつ魔物の相手をしているのだが、それなりに面倒ではある。



 ―――――――――――――――


 <ハイゴブリン・アーチャー> 魔物 Lv28


 ハイゴブリンのアーチャータイプ。矢に魔力を纏わせて射ってくる為、思っている以上に厄介な相手。当然、コブリン・アーチャーのように鏃に毒を塗っている


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <ハイゴブリン・ソードマン> 魔物 Lv29


 剣に特化したゴブリン。魔力を纏わせた斬撃や、剣のアクティブスキルを使用してくる。ゴブリンだと甘く見ていると危険な相手であり、気を引き締めて戦おう


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <ハイフォレストウルフ> 魔物 Lv30


 森林に住む狼の中でもそれなりに強い魔物。鼻が良く、どこまでも追跡してくるので逃げるのはお薦めできない。早めに倒してしまおう


 ―――――――――――――――



 こういった魔物が出てくるんだけど、ハイゴブリン・アーチャーが無駄に精度が良いのと、隙を狙ってくるので面倒臭い。石を投げているものの、もう普通の石だと禄に効かないね。魔力強化の所為とはいえ、厄介な。


 それでも魔法を連発すればそこまで難しい相手じゃない。十分に戦える。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました


 使い魔:ラスティアのレベルが上がりました


 使い魔:キャスティのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 久しぶりのレベルアップの通知だけど、豪雪山では上がらなかったんだよね。ここからは大変そうだ。


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