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0179・第二回公式イベント・最終ウェーブ開始




 そろそろ時間となったので僕は最前線へと向かう。今回のイベントは実に長く、また大変なものだった。まだ終わっていないけど、ここまで長時間に渡って苦しめられるものだとは思わなかったよ。


 運営は僕達の精神的な耐久力を試しているのかと思うほどだ。インターバルが10分ほどはあったと思うけど、それでも短いウェーブは20分ほど、長いウェーブは50分ほど襲ってくるんだ。それが交互とはいえ厳しい。


 第9ウェーブ前に1時間の休みがあったとはいえ、心の疲れというか、ストレスというのものは簡単には取り除けない。そんな事をボーッと考えるくらいには疲弊している。前から魔物が現れたので意識を切り替えて頑張ろう。



 ―――――――――――――――


 <イベント蛙3> 魔物 Lv33


 イベント専用の蛙モンスター。拠点9以降にしか登場しない。砥石と毒消しポーションをドロップする


 ―――――――――――――――


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 <イベント蜻蛉3> 魔物 Lv33


 イベント専用の蜻蛉モンスター。拠点9以降にしか登場しない。鉄の剣か鉄の斧をドロップする


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 <イベント泥鰌3> 魔物 Lv33


 イベント専用の泥鰌モンスター。拠点9以降にしか登場しない。鉄の槍か鉄の盾をドロップする


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 <イベント井守2> 魔物 Lv33


 イベント専用の井守モンスター。弱いものの毒を持つので注意しよう。拠点9以降にしか登場しない。鉄のメイスか鉄のガントレットをドロップする


 ―――――――――――――――


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 <イベント山椒魚2> 魔物 Lv33


 イベント限定の山椒魚モンスター。拠点9以降にしか登場しない。低確率ながらHPポーションかMPポーションをドロップする


 ―――――――――――――――



 全部真っ赤なモンスターに変わってる。間違いなく信号機の色なんだけど、泥鰌からは茶色とかだったのに、今は全てのモンスターが真っ赤だ。分かりやすくていいけど、これはこれでちょっと怖いね。とりあえず目の前の敵をどんどん始末していく。


 とにかく最終ウェーブなんだ、全力で防がないといけない。今まで何とか拠点を壊されずに戦ってきたんだし、ここまで来たなら最後まで壊されずに終わらせたい。そういう思いをもって戦っているものの、最終ウェーブだけあって敵の勢いが凄い。


 レベルが高いうえに勢いが凄いので、なかなか防げずに致命傷を与えるのが難しい。どうしたって取りこぼしが出てくるが、後ろが簡単には止められない。何といっても相手のレベルはこっちを上回ってるんだから、本当に大変だよ。


 それでもレベルが上の魔物というほどの苦労は無い。イベント限定の魔物だし、数が大量なので結構な調整をされているんだろう。大変な事に変わりはないが、これが通常の魔物と同じだったら防げなかっただろうね。


 皆も縦横無尽に動いて少しでも敵を倒してくれている。僕もそうだけど、仲間達も急所を突くのが随分得意になったようだ。流れ作業のように急所を突いて放っておくという行動が出来ている。それが出来ないドースとフォグなんかは上手く魔法などで倒しているようだ。


 まあ踏み潰したり、噛みついたりもしているんだけどね。そうやって皆で力を合わせて戦っていると、徐々に敵の勢いが増してきた。それでも僕達は懸命に戦い続ける。クリアする為にはそれしかないし。


 必死になって戦い続けていると、敵の勢いが落ちてきた。ようやく終わるのかと思いつつ戦っていると、前から大きな魔物がやってきた。気合いを入れ直して魔物を見ると、思わず僕達は拍子抜けしてしまう。



 ―――――――――――――――


 <イベントサイクロプス> 魔物 Lv33


 イベント限定のサイクロプス。本来の強さではないが、代わりにHPは高い。総力を結集して打ち勝て!


 ―――――――――――――――



 いや、打ち勝て! って言われてもさ。僕達は本物のサイクロプスを倒した事あるんだけど? こんな焼き直しみたいな奴を持ってこられても……。ま、とりあえず戦おうか。あの時と違って下は沼地だし。


 そう思って魔法で目を攻撃するも、片手で防ぎながらどんどん移動していくサイクロプス。コイツ、拠点優先型なのか。慌ててフレンドコールで皆に知らせる。



 『このサイクロプス、戦闘よりも拠点を狙ってる! あの時のスタンピードみたいに僕が注意を引きつけるのは無理だから、全力で倒すしかない!』


 『了解だ、コトブキ。それにしても最後でデカい拠点強襲型を持ってくるのかよ。運営も意地が悪いな』


 『ゲームだしそんなもの。前に倒した経験があるだけマシ。コトブキが作ったサイクロプスの和弓を使う。矢が4本しかないから倒せるかは分からない。後は普通の弓で頑張る』


 『私とナツは魔法で攻撃ね。目を執拗に狙っていれば、流石に動きも鈍るでしょ。それしか戦いようも無いしね』


 『了解。今回は戦闘ばかりだから、魔法はあんまり使えてないんだよね。最後みたいだし派手にいくよ!』



 僕達はズンズン進んで行くサイクロプスを追いかけながら、後ろから攻撃を加えていく。流石に泥に足をとられる僕達よりも早く進むので、魔法攻撃しか出来ないんだけど、それでも着実にダメージを与えて少しでも足を止めさせようと足掻く。


 それでも足を止めないサイクロプスを見て方針変更。僕はドースに頼んでラスティアとキャスティを地面のある所まで連れて行ってもらう。僕が2人に頼んだのは、スタンピードの時と同じアキレス腱を切り裂く事だ。それが出来れば確実に足は止まる。


 移動を優先しているサイクロプスには難しいだろうが、それでも地面に上がってからが勝負だ。流石に沼地の中で足をとられながらサイクロプスを止めるのは無理だし、諦めた方がいいと考えた。これが上手くいってくれると良いけど。


 僕達も移動を優先して硬い地面の上へとあがると、すぐに【クリーン】を使い泥を取る。こんな物をくっ付けていると足をとられるからね。既にラスティアもキャスティも準備しており、イルも準備を完了させている。


 そしてイルがサイクロプスの目に矢を放つと、明らかに直撃を嫌がったサイクロプスが足を止めて両腕で守る。足が止まったチャンスを元悪魔と天使の2人が見逃す筈も無く、雪怪木と白曜石の武器は魔力を帯びてサイクロプスのアキレス腱へと叩きつけられた。



 「ガァァァァァッ!?!!?」



 あの時と同じくアキレス腱を切り裂いた2人は、サイクロプスをうつ伏せに倒す事に成功。倒れたサイクロプスは左右に転がりながら絶叫を上げる。流石に大暴れしているサイクロプスには近づけず、僕達も静観するしかない。


 その大暴れが静まった後、顔を上げたサイクロプスに対し、準備が完了していたイルが矢を放つ。それは一直線にサイクロプスの目に刺さり、絶叫を上げる間も無く消えていった。ラストアタックはイルにとられたらしい。まあ、勝てたのなら何でもいい、勝つ事が大事だからね。


 周りに居る他のプレイヤーも大喜びし、歓声を上げたその瞬間、中央から大きな爆発音が聞こえてきた。何かと思って確認に行こうとした矢先、目の前にはウィンドウが。



 ―――――――――――――――


 拠点が破壊されました。これにより封印されていた<鬼面武者>が解放されます


 ―――――――――――――――



 どうやら拠点にはサイクロプスよりも強そうなボスが封印されていたらしい。


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