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0178・第二回公式イベント・第8ウェーブ終了と本人不在の撮影会




 ユウヤやイルにアイテムを渡すと、2人の武器を渡された。僕は2人が中央にアイテムを持って行っている間に、2人の武器を強引に手直しする。ナツのメイスも厳しくなっていたので直すが、トモエは鋼鉄の短剣を使っていたらしく問題ないようだ。



 「ユウヤが研いでくれたからね。流石に持ってきた氷熊の鞭はそろそろマズいけど、コレは帰ったらコトブキに新しいのを頼めば済むし、特に厄介な物でもないしね」


 「まあ作るのは簡単だし、必要なのはフリーズベアの皮とスノートレウッドだけだしね。木に関しては持ち手の部分に使ってる程度だしさ」


 「最近は一気に授業を受けてるから、もう少ししたら余裕が出てくると思う。そうしたら私達も豪雪山に行くよ。新しい武器の素材も欲しいし、レベルが上がるようになるからレベル上げなきゃいけないし」


 「そうなのよね。明日は大型アップデートだから、明後日から本格的にレベル上げを始めないと。まあ、明日は残っている授業を適当に受けて終わらせておこうかな」


 「トモエもそれなりには残ってるからね。僕は殆ど終わってるから問題も無いけど。……それだけ勉強漬けというか授業漬けだったんだから、何か言われても困るよ?」


 「「………」」



 ゲームの為というか、遊ぶ為に終わらせておいたんだから、僕の作戦勝ちさ。そんな話をしていたものの、そろそろ第8ウェーブが始まるので最前線へと戻った。


 ちょうど最前線に戻ったタイミングで魔物が現れたので迎撃をしていく。それなりに武器をドロップしてくれるのはありがたいのだが、大量にドロップされても困るんだけどね。運が良いのではなくて、それだけ敵が多い所為なんだけども。


 今回のウェーブは妙に敵が多い気がする。これは冗談でも何でもなく、僕達が迎撃に全力な事からも明らかだ。今までならMPを適度に使いつつ戦っていたが、今は勢いを削ぐ為に結構な頻度で【ダークウェーブ】を使っている。


 何で急にこれほど数が多くなったのかは知らないけど、ドースやフォグにラスティアやキャスティもウェーブ系魔法を結構使っている。もちろん使えるようになったプレイヤーは多いだろうが、それにしても大きく消費させられる。


 怒涛の勢いで襲来していた魔物も少し落ち着き、ようやくMPを回復しながら戦えるまでに落ち着いた。いったい何だったんだ? と言いたくなるぐらいに酷かったね。拠点が大丈夫か心配になってくるが、それでも後ろを見たりする余裕は無い。



 ―――――――――――――――


 第8ウェーブが終了しました。これよりPM5:00まで休憩となります。次回の第9ウェーブは最終ウェーブとなっています。最も長時間であり、最も苦しいウェーブとなりますので準備を宜しくお願いします。


 尚、PM5:00までにログインが認められないと、強制的にアバターがワールドに戻されログインが不可能となりますのでご注意下さい


 ―――――――――――――――



 「おつかれー。さっきのウェーブ本当に大変だったけど、もしかして拠点が陥落しかけた?」


 「おつかれー。掲示板だと簡易砦の耐久が122まで減ったらしい。最大値が1000だからマズかったんだろうな。途中から怒涛の勢いで魔物が来てたから、取りこぼしはそれだけ多かっただろうさ」


 「おつかれさま。ちなみに拠点01の耐久力は10000あるらしい。そのうえ4重の堀と柵があるから篭もっているだけで勝てる。最後でポイントが半減するのも当然」


 「それはズルい感じもするね。とはいえ仕方がないのかな? レベル制限もあったし。それにここは一番難しい所だから、余計にそう感じるのかも」


 「それはあるんじゃない? 最終の第9ウェーブに向けて何かリアルでも食べておこうっと。確かバナナがあった筈だし、アレでいいや」



 ここまで頑張ってこれたんだから、最後まで生き残りたいね。皆もその覚悟が出来たのか、武器の修理を頼んできた。今まで以上に最大耐久値が減るけど、次が最後なので形振なりふり構わない事にしたらしい。


 そういう覚悟が戦いには必要なんだよね。それはともかくとして、せっかくの乱戦なのに”アイツ”は全く起きてこない。何というか、ダラダラと戦い続けるだけなので心が躍らないんだろう。殺し合いではなく防衛なのも、つまらない理由だろうけど。


 ユウヤ達がリアルに行き、僕1人だけで作り変えていると、また【忍耐】の天使がやってきた。何故か仁王達は居ないけど、その手に桃を3個も持っている。アレは泉木の桃かな? なんだか嫌な予感しかしないけど。



 「コトブキ君。君ならコレを仙桃に変えられるだろう? 食べたくてね、すまないけど頼めるかな?」


 「まあ、それは構いませんけど、これ以上【魔闘仙】の出来る事を無闇に広めないで下さいよ?」


 「分かっているさ。流石に悪魔の星の者だからね、警戒したものの君からは悪意を感じない。ならば無闇に敵対する必要はないからこそ頼みにきたんだよ」



 僕は高度な仙力を練り上げ、それを泉木の桃に巡らせて仙桃に変えていく。1つずつ渡すと、何故かそれをラスティアとキャスティに渡した【忍耐】の天使。



 「うんうん、流石は【魔闘仙】。【仙人】程度の作る仙桃とはやはり違うね。とても美味しい」


 「パーシェルは味を覚えるほど食べた事があるんですね。私は1度しかありませんよ。むしろコトブキの作った仙桃は2度も食べてますから。【魔闘仙】の仙桃の方が多く食べてますね」


 「私は修行が好きだからね。新たな修行のヒントにならないかと<仙人の隠れ里>にも行った事があるし、そこで知り合いになった者もいるよ。結果として役には立たなかったけど、交流は出来たから良しというところさ」


 「徹底的に修行の事しか考えてないわねえ。ところで、あの仁王とかいう奴は強いの? 天使最強とも言えるアンタが契約したくらいだし」


 「いや? 彼はコトブキ君ほどの才能は無いよ。だからこそ助けてあげたくてね。彼はストイックに自分を追い込んでいるけど、それは才能が無い事を知っているからだ。自分はここまで努力しないと強くなれない。それを知っているからこそ、私は契約したんだよ」


 「パーシェル、貴方も才能が無いからですか? かつて努力する才能はあると大天使様に褒められていましたけど?」


 「確かに努力を続ける事も才能かもしれない。でもね、そんな僕よりも遥かに早く3対6枚の翼を持った者が居るんだよ。才能の有無はそれほど違うのさ。元の種族のままならとっくに寿命で死んでいる筈の期間を、ひたすら修行に費やしたんだけどねえ」


 「………」



 どれだけ生きてきたかは知らないけど、後輩が才能に優れていると大変だとは思う。表面に出さないで居られたのは彼が【忍耐】の天使だったからなのかもしれない。それでも心の中は大変だったろうけどね。


 そんな話を聞きつつ修理を続け、終わったタイミングで皆が戻ってきた。今度は僕がログアウトし、雑事を熟して夕食の準備などを終えておく。全てを終わらせて準備が完了したら、改めてログイン。


 何故か周りに多くの人がおり、なにやら大きな声で騒いでいた。何かあったんだろうかと思い起き上がるも、周りが「シーン」となり、一斉に蜘蛛の子を散らすように離れていく。………どういう事?。


 近くにユウヤと仁王が居たので話を聞くも、要領を得ない。なので困っていると、トモエが口を開いた。



 「さっきまで近くに居たのは<般若衆>と<スターライト>………そして<おすこい>よ。そこまで言えば分かるでしょ?」


 「ああ、ユウヤと仁王が狙われたの? 御愁傷様」



 何故か周りが一斉に首を左右に振っている。何で?。


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