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0174・第二回公式イベント・第3ウェーブ終了




 第2ウェーブが始まったけど、出てくる魔物は第1ウェーブと変わらない。敵の数は間違いなく増えてるけど、そこまで苦戦する相手でもないし、正直に言って周りを見る余裕すらある。


 僕達以外のプレイヤーも戦っているけど結構な後方だなぁ。流石にここまで突出して戦うのは僕達だけみたいだ。僕達は南の沼地の丁度中心で戦っているから、陣形的には下向きの三角。その頂点が僕達という事になる。


 それは横に置いておくとして、苦戦している者が居ないのは僥倖だ。まあ拠点10を選んでおいて、この程度の魔物に勝てませんは話にならないからねえ。そんな事を考えつつも、近くの魔物を手当たり次第に殺していく。


 未だ切れ味も落ちないので撫で斬りにしたり、串刺しにしつつ僕は槍を振るう。主食のおにぎりやパンが多いが、稀に味付きの物が手に入っているのを眺めつつ、仲間の戦いぶりも確認する。ああ、HPやMPは気にしなくても問題ない。誰もダメージを受けてないから。


 ファルは堅実に守りつつモーニンゲスターを振るっている。盾でキッチリ防いでいるので問題なし。セナは回避し辛そうにしているが、それでも左手のトンファーで防ぎつつ、右手の衝虎のナイフを突き立てている。伸びてくる舌は切り裂いているね。


 ドースはいつも通りに【疾走】を使って走り回っていて、合間に【風魔法】で攻撃したり、踏み潰したりしている。フォグは地味に【土魔法】で攻撃していて、沼地に沈むか沈まないかギリギリに居る為、敵は認識し辛いようだ。


 フィーゴはシグマに【憑依】しており、そのシグマはタワーシールドで確実に防ぎ、近付いてきた敵に片手斧を叩きつけている。ファルが堅実なら、シグマは重厚だね。フィーゴが【憑依】しているから動きは速いんだけど。タワーシールドが重厚感を醸し出している。


 そんな皆と戦っており、第1ウェーブの時と同じく適度に【ダークウェーブ】を放ちダメージを与えていく。ラスティアやキャスティは好きに戦っていて、今は薙刀と片手剣で戦っている。2人とも上手く敵の数を減らす動きが出来ているようだ。


 第1ウェーブと敵の種類が変わらないから楽だと思ってたら大間違いだった。既に第1ウェーブに比べて倍に近い時間を戦っているけど、まだ終わらない。敵の数は減ってきたんだけど、ダラダラ続いている。ふと後方を見ると、皆も間延びしてきて疲れているようだ。


 迂闊に持ち場を離れると、流れてきた魔物に突破されてしまうかもしれないので、迂闊に持ち場を離れる訳にもいかない。



 ―――――――――――――――


 第2ウェーブが終了しました


 ―――――――――――――――



 そんな焦れる時間も終了し、ようやく第2ウェーブが終わった。ウェーブが終わる毎に報せてくれるのは助かるよ、本当。ウェーブの始まりが分からないけど、それは備えていない奴が悪い、で終わる話だからねえ。



 「おつかれー。第2ウェーブも凌げたけど、第1ウェーブ以上に時間が長かったのと、最後間延びしたね? それとユウヤとイルが居ないのは交換に行ったから?」


 「おつかれさまー。そうだよ、イルは砥石を貰いに行くって言ってたのと、ユウヤはおかずを貰いに行くって言ってた。木と石は拠点の強化に使う物だから、交換はし辛いとも言ってたけどね」


 「石も拠点の防衛を強化するには必要でしょうしね。それに砥石が出るのは良いけど武器がねえ……砥石を使っても保つのか疑問があるのよ。私達の武器ならコトブキに作り変えてもらえば保つでしょうけど、普通の武器は……」


 「何か他の拠点だと武器とか出てきそうだよね。普通の鉄製の武器とか。そういう武器で最後は戦う事になりそう」


 「そういえばコトブキ君って、お馬さんの鞍に棒を着けてるんだね? そういう方法なら武器を沢山持ち込めたのかなぁ……」


 「サモナー系かテイマー系にさせるか、それとも仲間に手持ちで持ち込んでもらえば同じ事は出来るけどね。後は拠点で盗まれたりしないように警戒しなきゃいけないけど」


 「それもあるのよね。まだ第2ウェーブが終わっただけだから最強勇者も動かないみたいだけど、救い様の無いバカが後ろに居ると面倒臭いわ。嫌になってくるけど、何もしていない以上は排除出来ないし」


 「本当に面倒だよ、テロリストが居るのは分かってるのに排除出来ないなんて。だいたい何でゲームでそんな事するんだろうね? 私には意味が分からないよ」


 「気にしない、気にしない。それが分かったら精神異常者の仲間入りだよ。分からないって事は普通だって事。だから分かろうとするのは相手の沼に足を突っ込むだけでしかない。止めた方がいいし、碌な事にならないね」


 「そうなんだ……」


 「どんな人種だって、どんな国にだって一定数のバカは居るじゃない。そういう事よ。自分が最底辺のバカですってアピールしてる自覚が無いのよ、ああいう奴等は。分かりやすくしてくれてるんだから放っておけばいいの」


 「関わるべきでない事を自ら証明してくれているからね。だからこそ、関わらなくていいんだ」


 「そろそろ第3ウェーブが始まりそうよ。会話で息は抜けたけど、お昼までを考えるだけで既にゲンナリしてきた。今は……10時28分。まだ1時間30分ぐらいしか経ってないの?」



 僕はさっさと最前線に移動するけど、もう1時間30分ほど経ってたのか。零れてくるのを処理しているトモエと、最前線で戦っている僕の感覚は一致しないらしい。やる事は多いけど、暇じゃないからかな?。


 そんな事を考えつつ移動していると早速魔物が出てきた。最初は変わらないなと思っていたんだが、「クーー!!」とフォグが警戒を促す声を出した。


 慌てて【精密魔力感知・下級】と【練気感知・下級】を使うと、泥の中から近付いてくる魔物を発見。一気に突き刺して引っ張り上げると、どうやら大きな泥鰌どじょうらしき魔物だと分かった。色も茶色だし厄介な魔物だ。


 皆も僕が引っ張り上げた魔物で理解したのか、【精密魔力感知・下級】や【練気感知・下級】で調べ、泥鰌どじょうを倒していく。どうもコイツ、戦うよりも拠点への移動を優先しているらしく、こちらに向かって来ない。


 おかげで優先して倒さざるを得ず、非常に面倒臭い事になった。流石にトモエ達なら倒してくれるだろうが、他のプレイヤーは分からない。いちおうフレンドコールで情報は送っておいたから、ユウヤが何とかしてくれるとは思うけど。


 僕は最前線で戦わなきゃいけないので、正直に行って掲示板に情報を流すとか出来ないんだよ。唯でさえ泥鰌どじょう潰しが追加された訳だし。これが厄介だから、後ろに任せたんだ。


 移動を優先するタイプを討伐するのは骨が折れるし、あまり【ダークウェーブ】を連発する訳にもいかない。とはいえ沼地なので足がとられ、移動は大変だ。他のプレイヤーはもっと大変だろうから、僕達が踏ん張るしかないんだけどさ。



 ―――――――――――――――


 第3ウェーブが終了しました


 ―――――――――――――――



 移動しながら倒していると、第3ウェーブ終了の合図が流れた。第1ウェーブと同じぐらいの時間で終わった。という事は……。


 第四ウェーブは泥鰌どじょうが山ほど出てくるな。短い時間の奇数ウェーブで次の予測を行い人員を配置し、偶数の長時間ウェーブに耐える。おそらくはそんな形になっているんだろう。中央の指示がかなり細かくなっているのが、掲示板への書き込みで分かる。


 指揮する側も大変だなぁ、僕はそういうの得意じゃないからお任せだけど。


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