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0171・イベント前の最後の準備




 朝食が終わったので今日も豪雪山へと行く。トモエとユウヤとレイドを組み、昨日と同じように連れ立って行くんだけど、明日はイベント当日なんだよね。


 明日はナツとイルもログインするらしいって聞いたものの、2人の装備は大丈夫かな? 流石に差があるとフォローが……。



 「確かに厳しいかもしれないな。おそらく今一番良い装備が俺達のだろうから、鋼鉄も持ってるなら十分じゃね? もしくはナツのメイスだけ用意してやれば大丈夫だろ。イルはコトブキが渡してたサイクロプスの弓があるしな」


 「そういえば、サイクロプスは豪雪山の辺りに住んでるとかヤンキー君の親が言ってたけど、近くにサイクロプスらしき気配とかは無いんだよね。まあ、豪雪山って言ってもかなり広そうだから、この辺りじゃないんだとは思う」


 「もっと辺鄙な所なんじゃないの。ここも十分辺鄙と言えば辺鄙な場所だけど、それでもエンリエッタさんはここまで来て転移魔法陣を設置してる訳だし、そこまで大変な場所でもないでしょ」


 「俺は十分以上に辺鄙っつーか、人類未踏の地って感じはするけどな? そこんところはどんな感じ?」


 「微妙なところねえ。そもそもかつて私は豪雪山に来た事あるし、スノートレウッドを手に入れてた事あるのよ。もちろん他に仲間は居たけどね。その時はこんな場所じゃなかったと思う……んだけど、生憎と来るのも数百年ぶりだし、正直に言うと分からないわ」


 「天使の星にも万年雪の雪山はありますが、こことはちょっと違いますね。もう少しなだらかな場所が多いですし、スノートレントは居ますがフローズンエレメンタルは居ません。代わりにスノーホワイトが居ます」


 「ああ。あの毛玉みたいな精霊ね。ふわふわ飛んでるんだけど、いきなり【水魔法】を撃ってくるかなり厄介な奴なのよ。飛んで逃げるから魔法で撃ち落そうとするんだけど、妙に魔法に対する耐性があって簡単には倒せないの」


 「顔がアレですが、豪雪山のフローズンエレメンタルの方がまだ楽です。飛べませんし、所詮は濃い表情になるだけですので……」



 飛び回る敵って厄介だろうなぁ。そのうえ魔法に高い耐性を持つと。嫌がらせか何かかな? そう思えるぐらい面倒だとは思う。それはともかく掘り終わったからスノートレントを狩ろうか。そう言って石球を投げる。


 いつもの絶叫から戦闘を開始し、適当に魔法を撃ちつつ戦って2本手に入った。今日の運は悪くないらしい。なかなかの滑り出しに気分を良くしつつ、次は反対側の崖へと行って鉱石を掘る。


 途中に出てきたスマッシュタイガーを始末し、十分に掘り終えたらスノートレントを倒して帰路に着く。洞窟の前で確認すると、やはりフリーズベアが居たので準備し突入。【スモールピット】で転倒させてからのタコ殴りで勝利。皮が手に入った。


 バイゼル山に戻った僕はシャルロットさんの家の鍛冶場に行き、白曜石を精錬してユウヤに渡す。今のところ水精石は精錬しなくても良いらしい。どうもユウヤは扱えないのでシャルロットさんに渡しているようで、その代わりに青銅や鋼鉄に関して教わっているんだって。


 僕も水精石を精錬しているけど、水精石の中に含まれる水精結晶という物が、属性金属に必要だとラスティアとキャスティが教えてくれた。それを【抽出】して集めているんだけど、思っている以上に少ない。


 1キロで10グラム含まれていれば良い方で、それをひたすら地道に集めているのが現状だ。水精結晶が少なければ少ないほど、品質の低い属性金属になるらしい。だから属性金属の品質を上げるには、ある程度の量を一度に作る必要がある。


 水精結晶の量が多ければ高品質になるが、多過ぎると金属としてはゴミになる。なので必然的に水精結晶を多く添加するには属性金属を作る量を増やすしかない。水精結晶は多くあると共鳴作用のような事を起こし、それで品質が上がるみたいなんだ。


 逆に言うと、多く作っても初めてじゃ当然高品質にはならない訳で……在庫の山を作りかねない金属になりそう。それでもやるしかないんだけどね。


 師匠の家に戻り白曜石を精錬しつつ過ごしていると、ファルに呼ばれたので昼食へ。昼食後、リアルで食事をする為にログアウト。2人にはココナッ○サブレを渡しておいた。何故かあった善哉ぜんざいでも良かったんだけどね。


 リアルの昼食と雑事を終わらせてログイン。午後からは物作りなんだけど、スマッシュタイガーとフリーズベアの素材が余ってるんだ。コレをどうしようか悩みながらも、とりあえずで作ってみた。



 ―――――――――――――――


 <短剣> 衝虎のククリナイフ 品質:5 レア度:3 耐久440


 ひらがなの「く」の字の形をした短剣。衝虎ことスマッシュタイガーの爪を用いて作られており、柄や鞘はスノートレウッドで作られている。魔力の馴染みも良く、非常に使いやすい

 攻撃力21 破壊力1


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 ―――――――――――――――


 <短剣> 氷熊の短剣 品質:4 レア度:3 耐久430


 いたって普通で平凡な形状の短剣、ただし万人向けで非常に扱いやすい。氷熊ことフリーズベアの爪を用いて作られており、柄や鞘はスノートレウッドで作られている。魔力の馴染みも良く、魔力を通すと弱い水属性を帯びる

 攻撃力22 破壊力1


 ―――――――――――――――



 「思っているより優秀だなぁ。とりあえずセナとラスティアはこのナイフと短剣と交換しておいて。幾ら鋼鉄でも、魔力を通して使えないなら役に立たないしね。2人の武器は面倒だからそのままプレイヤーマーケットに流すとして……後はどうしよう?」


 「作る物が無いなら、身の周りの物も白曜石とスノートレウッドにしておいたらどうですか? 斧とか鉈とか。採取道具も良い物の方が良いですよ」


 「まあ、それもそうだね。そろそろ寿命が近そうだし、今の内に良い物にしておこうか。まずはツルハシからだけど」



 白曜石の掘れる鉱床からは稀にサファイアが出るくらいで、それ以上何も無いんだよね。もしかしたら道具を更新すれば良い物が出るかも……とかちょっと思ってる。なのでツルハシを作っていると、トモエからも注文が入った。


 なのでトモエから渡された素材でさっさと作って渡しておく。他にも斧や鉈を作ったら、その時点で素材が終了してしまった。特に斧にはそれなりの素材が必要だったのが大きい。さて、残りの素材は……フリーズベアの皮かー。


 取り出して色々眺めてみるも良い案は出ず。折角だからとファルの新たな帽子とジャケットとズボンにした。



 ―――――――――――――――


 <兜> 氷熊の毛皮の帽子 品質:5 レア度:3 耐久210


 氷熊の毛皮で出来た簡単な帽子。毛皮をそのまま帽子にしただけだが、毛の御蔭で防御力はそれなりにある。庇が着いている為、日光が強くても眩しくない

 防御力4 耐寒(小)


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 ―――――――――――――――


 <服> 氷熊の毛皮のジャケット 品質:5 レア度:3 耐久300


 氷熊の毛皮で出来たジャケット。毛皮をそのままジャケットにしただけだが、毛の御蔭で防御力はそれなりにある。暖かい為、衣服としては優秀である

 防御力7 耐寒(小)


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 <服> 氷熊の毛皮のズボン 品質:5 レア度:3 耐久270


 氷熊の毛皮で出来たズボン。毛皮をそのままズボンにしただけだが、毛の御蔭で防御力はそれなりにある。暖かい為、衣服としては優秀である

 防御力6 耐寒(小)


 ―――――――――――――――



 あれ? ……思ってるより強くない? これはアレかな、セナの分も作った方が良いんだろうか? ソフトレザーに分類されるだろうから動きやすそうだし、案外自分の分を作っても良さそう。イベントが終わってじゃないと無理だけど。


 呼びに来たファルに着替えさせて、食堂で夕食をとる。リナが羨ましそうに見ていたのでトモエから頼まれたが、僕はログアウトするので明日の朝、イベントが始まる前に作る事を約束しておく。


 夕食後はソファーの部屋に戻り、2人にカ○ルを渡してログアウト。


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