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0163・豪雪山の魔物




 一気に減っていくという程ではないが、安心していられる減少量でもない。つまり気付いたら武器が壊れていたとなりかねない減少量なんだ。攻撃一回につき耐久力が1減ると考えれば分かりやすい。


 1度の戦闘で何回攻撃するのか考えれば、その減少量が厄介なのが分かる。僕とトモエが渋い顔をするのも当然なんだよね。そのうえ修理できないから、出来るだけ素材を確保しておかないといけない。そう考えながら鉱床まで移動していく。


 鉱床に着いたらファルとシグマと一緒に掘り、トモエもリナと掘る。そうして手に入れたら近くの林に行き、スノートレントを探す。昨日と同じく見つけたら石をぶつけ、絶叫を上げたら戦闘開始だ。


 魔法を連発して倒しているとシグマが別のスノートレントの前に行き、斧を振り下ろしていく。特に効いてもいないが何度も振り下ろしながら攻撃している。何がしたいのかよく分からないが、後はそいつだけなのでシグマには諦めてもらい、魔法の集中砲火で倒した。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:シグマが【魔力操作】を習得しました


 ―――――――――――――――



 どうやらシグマは【魔力操作】の練習をしながら戦っていたらしい。どうりで無駄な攻撃を繰り返す筈だ。それでもこれからはダメージを十分与えられるだろう。そういえばファルにも覚えさせなくちゃ駄目なのか。


 調べてみるとファルのスキル枠は後1つなのでギリギリだった。何かの為に残しておいて本当に良かったよ。こういう事があるから気をつけておいた方がいいんだよね。セナには悪いんだけど。


 昨日と違い今日は2本のスノートレウッドが出たので幸先がいい。そう思いつつ洞窟の方へと歩いて戻る。ホワイトウルフやウサギを倒して戻り、次は洞窟から見て左側へと進む。


 トモエがウサギの鑑定がバグってると言っているが、僕も同じだ。そして今までウサギの魔物以外の鑑定がバグってた事ないんだよね。首狩り兎と、ここのウサギ。何が原因で鑑定結果がバグるんだろうか?。


 知識不足なのかそれとも別の理由があるのか、今のところは分かってないけど倒せるからって後回しにしてるんだよね。本を読んだりとか色々しないといけないんだけど、どうしても目先の事が先になる。ま、仕方ないんだけど。


 そういった事も含めてトモエと話していると、初めての魔物が現れた。



 ―――――――――――――――


 <フローズンエレメンタル> 魔物 Lv37


 雪の妖精とも言われる、悪魔の星にしか出現しない魔物。【水魔法】を使ってくる厄介な相手であり、出てくる場所の環境と相まって非常に危険。何処かの世界では雪だるまと言われる見た目をしている。


 ―――――――――――――――



 よし、鑑定できた。後はファルとシグマを前に行かせて魔法で一斉に攻撃するだけだ。そう思っていたんだけど、フローズンエレメンタルが【ウォーターボール】でファルに攻撃してくるのと同時にシグマが斧で攻撃。すると……。



 「GYAAAAA!!!」


 「うわっ、キモッ!!」



 雪だるまの可愛い顔をしていたんだけど、攻撃を受けた瞬間ビックリするほどの絶叫と叫び顔になった。劇画風の顔で叫んでいるので咄嗟にトモエも声に出たんだろうね。気持ちはよく分かるよ、僕も何とか言葉を飲み込んだぐらいだし。1人だったら多分声に出てたと思う。


 さっさと魔法を集中し、遠距離から劇画風の雪だるまを倒した。相手の魔法はファルとシグマが防いでくれたから問題なし。豪雪山の環境で【水魔法】なんて受けたら凍死しかねない。おそらくは何らかの状態異常を受けるんだと思うけど、試す気にはなれないね。


 フローズンエレメンタルのドロップは魔石だった。……うん、会ったら倒すけど無理して倒す必要は無いや。さっさと先に進もうか。



 「それにしても、さっきのは駄目。【ドミネイト】を試そうか迷ってたんだけど、あの気持ち悪い声と劇画風の顔はお断り。流石に勘弁してほしいわ。何で雪だるまの顔が劇画風なのよ、どう考えてもおかしいでしょ」


 「何だか古い時代劇漫画みたいな感じの顔だったもんね。見慣れれば面白いのかもしれないけど、第一印象は気持ち悪いだけだっ、トモエストップ!!」


 「え、なに?」



 僕は皆も止めて、ジッと前方の魔力を探る。【練気感知・下級】には反応が無いけど、【精密魔力感知・下級】には反応がある。僕がその場所に【ダークボール】を撃ち込むと、魔物が飛び出してきた。



 ―――――――――――――――


 <アイススライム> 魔物 Lv33


 凍結属性を持つスライム。粘液を飛ばしてくるが、その粘液を受けた箇所は凍ってしまい非常に危険。また雪山などでは雪に埋もれて見え辛い為、更に危険度が上がる。動きが遅いので遠距離攻撃、特に魔法で仕留めよう。


 ―――――――――――――――



 その事を皆に説明し、前に誰も置かずに一斉魔法攻撃でさっさと倒した。スライムも魔石しかくれなかったので、雪だるまも含めて雪山のハズレモンスターと言える。レアアイテムは分からないけど、積極的に狩りたい相手じゃない。


 その後も雪だるまやスライムを倒しつつ進んで行くと、崖になっている所に採掘ポイントを発見した。そこから少し離れた所にも採掘ポイントがあるので、ここの2ヶ所は並んでいる感じなんだろう。ある意味では楽だけど、ここまで来るのは大変だよ。


 僕達やトモエ達が掘っていると音を聞きつけたんだろう、魔物が近くまで来て唸り始めた。セナ達に警戒してもらっていて正解だったな。そう思いつつ武器を手に取り、戦闘態勢に移行する。



 ―――――――――――――――


 <スマッシュタイガー> 魔物 Lv39


 主に高地に生息する虎の魔物。獣型の魔物にしては珍しく、噛みつきよりも腕の一撃の方が強い。名前の通り強烈な一撃を繰り出してくるので要注意。魔力で強化する事も合わせて注意するべきだが、魔力が少なく、無くなると逃げるので勝つ事は難しくない


 ―――――――――――――――



 逃げるんだ……。勝てないなら魔力が無くなるまで耐えろって事なんだろうけど、わざわざ敵を逃がす理由は無いよねえ。素早く前に出たファルとシグマ。盾を構えている2人に対して突っ込んでくるスマッシュタイガー。


 「ドゴォッ!!」という音がした後でファルが吹き飛ぶ。防御を固めていたものの、凄い威力で吹き飛んでしまった。しかしそこまで大きなダメージは受けていないらしく、元気に立ち上がっている。


 スマッシュタイガーの攻撃は強力な一撃だったが、その隙を見逃さずセナが攻撃を加えていて、昏倒したり気絶しなかったもののスマッシュタイガーは即座に離れた。頭を振ったりしているので、セナの一撃はかなり効いたらしい。


 再びファルとシグマが前に立ち、スマッシュタイガーに対してじりじりと近付いていく。スマッシュタイガーも近付かれるのは嫌らしく、四肢を折り畳み、再び跳躍するように突っ込んできた。


 右手でしか強力な一撃が使えないのか、再びファルが吹き飛ばされる。しかし今回は踏ん張っておらず、ワザと後ろに跳んだようで「ガァン」という音しかしなかった。おかげで然したるダメージは受けていない。


 その隙にセナのヌンチャクとシグマの斧の攻撃が決まり、更に僕とラスティアの【ダークヒール】が効いたのか麻痺した。ここでスマッシュタイガーの命運は尽き、首を切られてスマッシュタイガーは絶命。僕達の勝利となった。


 やれやれ、本当に豪雪山の魔物は強いよ。一体だけ劇画風のおかしな奴が居るけど。


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