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0153・ギルド長の捕縛と解決




 狩人ギルド長の顔が段々と赤くなってくる。怒りを持つのは筋違いなんだけど、そんな事にも気付いてないとは……。だから今回のような事を仕出かすんだろう、ね!。



 「キ、サ、マァーッ!! ガッ!?!?!!」



 あの少年と同じように武器を抜こうとしたけど、ナイフじゃなく剣だから多少時間がかかる。最初から何かしてくるだろうと構えてたんだ、その時間の差は致命的さ。しかし、今日は股間を蹴ってばかりだな?。


 慌てて兵士の人が取り押さえてるけど、本人は呻いているだけだ。そこまで強くは蹴ってないけど、強く蹴ってないから逆に衝撃がきたのかな?。



 「しっかし……あの子供もこのオッサンも、何も理解してないんだよなー。俺達からすればバカバカしくて呆れるけど、知らないならこんなもんなのか?」


 「ん? ユウヤ君それはいったい……?」


 「いや、アドムートさん。俺は確かに<不沈のシャルロット>の弟子なんだけど、ここに居るネクロマンサーのコトブキは<破滅のエンリエッタ>さんの弟子なんだぜ? <破滅の魔女>の弟子に喧嘩売ってるっていう自覚が無いんだよなー、って思ってさ」


 「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」


 「………あー、うーん。ネクロマンサーの彼は、魔女様のお弟子さんなのかい?」


 「そうそう。そもそもウチの師匠の家の近くに転移魔法陣が置いてあって、ブラッディアの<屍人の森>と繋がってるんだよ。俺も向こうに何回も行ってるし、エンリエッタさんにもチラリとだけど会った事あるし」


 「私達なんてコトブキ繋がりでエンリエッタさんの家に住まわせてもらってるから、この前なんてブラッディアの女王様に会ったわよ? 普通にサラっと女王様が来るんだからビックリするし、フットワークが軽すぎる気はするけどね」


 「帰る時は影に潜って消えていったから吸血鬼系のスキルだと思うけど、アレって凄いよねー。絶対私達には使えないし」


 「はぁ……最初からどうにもならかったのに、下らぬ事をしたという事か。そもそも町の為に利用しようとしたのに、腹が立ったから殺そうとするとは……。とてもではないが他者の上に立つ資格などない」


 「バルンカとメードの夫婦を悪ガキみたいだって言ってたけど、このオッサンも変わんねーな。だから悪ガキを怒る事も指導する事もしなかったんだろうぜ。そもそも悪ガキなんて体に教え込むしか無理だろうに」


 「そうだな。我々のように兵士になれば徹底的に扱いてやるのだが、悪ガキというのは大抵根性が無い。だから我々のような所には近付きもせんのだよ」



 そう言いつつ兵士の人は連行される狩人ギルド長と一緒に行った。これから取り調べだろうけど大変だね。アドムートさんも仕事に戻ったようだけど、僕達としてはこの時間からは帰れない。既にお昼も過ぎてるしね。


 走って帰るのもなー、と思ったのでもう一泊する事に。宿に行って雑魚寝部屋を借り、お金を支払ったら部屋へ。やっと昼食を食べてゆっくりするも、気が抜けるとさっきの話になった。僕が2人にたいやきを渡すと、何故か女性陣から催促が。



 「今回のコレって多分だけどイベントよね? ただ……イベント内容としては微妙だけど、どういう事なのかしら。特に誰かがどうのこうのって感じはしないけど……」


 「実質シャルロットさんの弟子がどうのこうので終わったから、これってシャルロットさんの弟子のイベントじゃないのかな? バイゼル山を下りて町へのお使いイベント的な感じ。僕達の場合、何故か防寒具を買いに来て起こったとか?」


 「うん、何となくは分かる。ようするに<不沈のシャルロット>の弟子がこの町に来たら起こるイベント。腐った狩人ギルド長とバカな狩人家族が失脚するイベントだと思う。スタンピードでも被害は出てないし」


 「それって……どういう事ですか? 誰かが勝手にスタンピードを起こしたという事になりかねませんが?」


 「誰かって言ったって……たぶん神様? 一切被害もなく終わらせる事が出来たでしょう? これで当分スタンピードは起きないでしょうし、ワザと起こさせてついでに腐った奴等も解決しろって感じじゃない?」



 神様という名前の運営が、イベントという名前の出来事を作ってるからね。ゲームの中のキャラクターであるキャスティからすれば、誰かが意図的にスタンピードという災害を起こした。そう聞こえたんだろう。



 「神様がですか……それでもスタンピードです、被害が出たかもしれないのにそんな事……」


 「多分だけど、俺達が解決出来る規模に調整してあるんだと思うぜ? そうじゃねーと腐ったギルド長を潰すトコまでいかねーと思うし。さっきも言ってたけど、ついでに将来のスタンピードも防げるしな。町の人に危機感も出ただろうから、良かったと思う」


 「災害が減るのは良い事だけど、危機感が減るのは大きな問題。災害をゼロには出来ない。で、ある以上は備えが要る。でも危機感が減ると備えなくなってしまう」



 上手い形に話を纏める事が出来たね。やれやれ、ラスティアやキャスティが居なければプレイヤー目線で話しても良いんだけど、2人が居る場では気をつけた方が良いね。変に誤解されておかしな事になっても困るし、そういうイベントもあるかもしれない。



 「結果として万事解決できたけど、まさかスタンピードで足止めを喰うとは思わなかったよ。………コトブキ君、それって弓?」


 「そう。サイクロプスの腱を何に使うか悩んでさ、結果として弓にするぐらいしか思いつかなかったんだよね。もう1つ思いついたけど、スリングショットはねぇ……」


 「ああ、パチンコとも言われるアレな。Y字の棒の先にゴムが付いてて飛ばす武器……って、思ってるよりデカい弓だな」



 ―――――――――――――――


 <大弓> 一ツ目の皮と腱の和弓 品質:4 レア度:5 耐久590


 サイクロプスの皮と腱で作られた大型の弓。大きさも然る事ながら、最大の武器はサイクロプスの高反発を齎す腱。非常に強力な弓だが、大型で少々扱い辛い。尚、和弓という名称の弓は悪魔の星には存在しない。

 攻撃力21 破壊力4


 ―――――――――――――――



 「強い……。強いけど、専用の矢を作らなくちゃいけない。………でも、欲しい」


 「ここまで強いとプレイヤーマーケットには流せないから別にいいけど、代わりに鋼鉄の弓は返してよ? 後さ、作った僕が言うのも何だけど、イルは和弓使えるの?」


 「あれ? コトブキは知らない? 私は子供の頃から弓道を習ってる。むしろ和弓の方が得意」


 「じゃあ、何で洋弓を使ってるんだよ?」


 「そんなのゲームでしか使えないからに決まってる。リアルで使ったら先生に怒られて出禁にされかねない」


 「そういう厳しい人に教えてもらってる訳ね。弓道だから分からなくもない」


 「別に厳しくないけど、基本が完璧に出来るまで和弓以外は持つなと言われてる。私はもう完璧に出来るけど、先生の採点が厳しすぎて持てない」


 「それって結局は持たせたくないんじゃないの? 何かそんな気がするんだけど?」


 「うん。多分そう」



 話をしていると夕方近くになっていたので、プレイヤーマーケットで夕食を買って食べる。その際に木工道具を持ってないかとイルから聞かれたので、ファルが持っている事を伝えておいた。


 どうもプレイヤーマーケットに材料が出ているので、自分で矢を作る気になったらしい。ファルにもイルを手伝ってあげてほしい事を頼み、他の皆には夜間の守りを頼む。2人にはプ○チンプリンを渡してログアウト。


 木のスプーンが付いてたから大丈夫でしょ。何故かアイスのスプーンと同じだったけども。


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