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0111・ダンジョン攻略と帰り道の般若衆




 朝食を終えた僕達はバイゼル山へと行き3ヶ所の鉱床を回る。青銅製の武器はそれなりに高いが品質は店売りより良くなった。その御蔭か多少は売れてくれている。特に店売りの物は普通の物しかないからか、個性があると売れやすい。


 剣でも唯のショートソードより、ハンドガードが付いている方が高くても売れたりする。それと青銅で刀を作ってみたんだが、分類は両手剣になった。木刀や石と木の刀だと片手剣の分類だったのに、何故か青銅では両手剣に分類されている。



 ―――――――――――――――


 <両手剣> 青銅の打刀 品質:6 レア度:1 耐久290


 青銅で出来た刀。本来は両手で扱うものなので両手剣に分類される。コレを扱うのに大切なのは、スキルではなく本人の技量である

 攻撃力14 破壊力1


 ―――――――――――――――



 このゲームにおいて攻撃力や破壊力の数値は、武器の種類によって補正を受けている。それは分かっているのだが、おそらく刀は破壊力の補正が一番少ない。もしかしたらマイナスに振ってあるのかもしれない。そう思うほどに破壊力が無いんだ。


 代わりに鋭い切れ味をしており、よく斬れるのは間違い無い。僕としては刀は使えるんだけど、無理に使う気が無いんだ。もし使うとしたら大太刀だろうか? ゲームだから【身体強化】をすれば多分だけど振り回せる。そこまでのリーチがないと使う気にならないんだよね。


 武器は格好良さで選ぶんじゃなく、敵が殺せるかどうかで選ぶべきだ。そもそも武器とは敵を殺す為の道具であり、見せびらかす物でもなければ美術品でもない。たとえ美しく高い値段がついても、武器として劣っているなら大した価値は無いと思ってる。


 そうは言っても飛ぶように売れるのは刀だからなんだろうね。青銅を全て刀にしたけど全部売れたよ。盾を持っている人が多いから、珍しさで売れてるだけだろう。これからも需要があるかといえば難しいところだ。メイスの方があるだろうね。


 次は鋼鉄で物作りなんだけど、ファルとキャスティの剣作りが先か。2人の剣は片手で使える剣なので、思い切ってファルシオンにした。切っ先で突きも出来る片刃の剣だ。ササッと製作してさっさと2人に渡す。



 ―――――――――――――――


 <剣> 鋼鉄のファルシオン 品質:4 レア度:1 耐久360


 片刃であるものの切っ先は両刃であり、緩く湾曲している片手剣。切り裂く力が強く、それでいて突きもしやすい便利な形状をしている

 攻撃力18 破壊力1


 ―――――――――――――――



 なかなか優秀な武器になったなぁ。特に片手剣としては驚きの耐久値だ。これで鋼鉄が無くなったけど、後は短剣と僕の武器を残すだけだな。色々作ってきたけど、やはり品質が4を越えられない。まあ、鉄製は売ってても鋼鉄製は売ってないから仕方ないのかな?。


 少々先取りして作っているのかもしれない。そう思いながらも早めに良い武器を手に入れる事は悪い事じゃないと思い直す。とりあえず作成が終わったので、次はダンジョンだ。でも、その前に昼食が先だな。


 ファルに頼んで昼食を作ってもらい、仲間を【クリーン】と【クリア】で綺麗にしておく。昼食が終わった後で2人に歌舞伎○げを渡してログアウト。雑事と昼食をとったらログイン。師匠の家を出る。


 ちなみに召喚モンスターにお菓子をあげないのは、味を一切感じないからだ。あげても喜ばないんじゃ、あげる意味無いよねって事。代わりに【クリーン】と【クリア】は喜ぶんだけど、フォグとフィーゴが使えるからそこまででもない。


 ダンジョンに着いた僕達はキャスティの行ける11階からスタート。石壁迷宮を進んで行く。キャスティがアンデッドの弱点である【光魔法】を使うものの、【光魔法】で倒しても魔石しか落ちなかった。


 アンデッドを倒して<浄石>が出るのは【浄化魔法】を使った場合だけらしい。それは分かったけど楽しそうにアンデッドを倒しているので、口を挟むのは止めよう。別に損している訳じゃないし。


 11~13階を突破し、そして14階。数が多いので大変だが、昨日よりは2人多いので楽に進めている。そのまま敵を倒し続けて強引に突破し、15階のボスへ。今日の目的は16階の魔法陣登録と肉だからね。<浄石>は二の次だ。


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 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


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 ボス戦が始まったら僕とラスティアの【ダークウェーブ】で一気にダメージを与え続け、そのまま何もさせずに勝利。さっさと魔法陣を登録する。



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 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 16階の荒野に出たらタンブル・ゴーストを始末しつつ、シャープホーンバッファローを探して歩く。見つけたらフォグの【スモールピット】で転倒させ、足を切りつつキャスティに角を圧し折ってもらう。


 流石はウォーハンマーというべきか、平面部の叩き付けで簡単に圧し折れた。ファルがメイスを使うより遥かに簡単だったので、やはり合った武器を使うのは重要なのだと改めて思う。ここまでアッサリだと流石にね、鍛冶屋の大将が怒る筈だよ。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました

 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 肉をゲットしつつ乱獲し、十分に手に入れたので脱出。思っているよりもシグマのレベルが上がったけど、16階の魔物ってレベルが高いんだよね。だから上がるのも当然かなって勢いでレベルが上がってる。そのうち落ち着くだろうけど。


 師匠の家に戻っていると、<屍人の森>の途中で<般若衆>に出会った。僕が会釈すると向こうも会釈してきて、そのまま擦れ違う。何か言いたそうな感じだったが、配信中だし話す事も無いのでそのままスルーした。



 「何か向こうは話したそうな感じだったけどいいの? まあ、コトブキも話す事なんて無いでしょうけど」


 「そうだね。昨日の帰り道でさ、盗賊に襲われてたところを介入したんだけど、それで何かを寄越せと言う気もないし興味も無いんだよね。ストンピングで盗賊のリーダーを瀕死にさせたのと、何人かを叩きのめしただけだし」


 「それで十分では? むしろ向こうからすれば御礼をしなければいけないくらいでしょう。でなければ礼儀知らずと言われてしまいますよ」


 「そうかな? 勝手に助けただけだし、正しくは助けたというより邪魔されるのを嫌った盗賊が僕達の方に向かって来ただけだよ? しかもリーダーだけで何とか出来ると思ったのか、バカみたいに1人で向かって来たしね」


 「あー、それは駄目ね。こう見えて凄まじい殺気と殺意を持って暴れ回るからね、コトブキは。顔を見て舐めてかかると酷い目に遭うのよ。私なんて復活したら石球投げられて、苦しんでるところをボコボコよ?」


 「うわぁ……一切の情け容赦がありませんね。ある意味で悪魔より悪魔では? 【憤怒】は暴れ回るだけで理性がある訳ではありませんしね」


 「アイツはねえ……何というか、コンプレックスを刺激されるとキレるのよねー。で、暴れ回るの。それ以外では普通なのに、禁句を言うとブチギレるから気を付けないとね。まあ背の事を言わなければ大丈夫だけど」


 「へっ!? ……背?」


 「そう。【憤怒】って背が小さいのよ。それがずっとコンプレックスでね、【傲慢】とかがバカにするの。で、それでキレて喧嘩すんのよ。面倒臭い奴等だから関わりたくないのよねー」


 「ああ、分かります」



 そうなんだ。七大罪の割には……ま、いいか。


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― 新着の感想 ―
>>召喚モンスターにお菓子をあげないのは、味を一切感じないからだ。 召喚モンスターという括りで言ってるということは天使側のサモナーの召喚モンスターも味覚は無いのかな 種族の問題じゃないとなると...…
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