0108・シグマのステータス
まずはシグマのステータスを確認するんだけど、その内容が何とも言い辛いものではあった。リビングアーマーだからか首から上はないものの、そこから下は全身鎧という形で存在する。それが変更不可なんだ。
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<シグマ>
リビングアーマー・ウッド Lv1
※能力
力:4
耐久:4
魔力:3
精神:5
敏捷:4
器用:4
※スキル
※装備
木製の全身鎧一式
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しかも精神が高いっていうね。ゾンビ以上の防御型だとは思うんだけど、肝心の防御タイプの筈のセナは格闘タイプになってるし……シグマもどうなるかは未知数だ。とりあえず、ボス扉前だけど気にせず武器と盾を作っておこう。
散々悩んだものの、今のところ仲間が持っていない斧を作って持たせる。多様な武器を持っていた方が様々な状況に対処できるし。それと盾は色々と相談した結果、タワーシールドという事に。アンデッドは疲れないから大丈夫みたいだ。
「私は先ほど活躍出来ていたと思うのですが、どうですか? 魔物も倒せていましたし、上手く後ろに行かせないようにしていましたよね?」
「さっきもそうだけど、何でわざわざアピールしてたのさ? ……はい、バナナ。アピールする意味がよく分からないんだけど?」
「えっ!? 役に立たないとお菓子が貰えないのでは? ………ラスティア、貴女騙しましたね!?」
「えー、騙してないわよ? 活躍できたらお菓子がもらえるかも、って私は言っただけ。活躍出来なければ貰えないとは言ってないし、活躍すれば絶対に貰えるとも言ってないじゃない」
「………騙した、とまではいきませんが、揶揄いましたね?」
「うん」
「…………ラスティア!! 貴女という人はモゴッ!?」
「とにかくバナナでも食べて落ち着きなさいよ」
「………(モグモグ)」
この2人相性が良いのか悪いのか、イマイチ判断がつかないんだよね。そこまで悪くはないと思うんだけど、どうにも軽いラスティアがちょこちょこ悪戯を仕掛けている。それに大してキャスティが真面目に反応するんだ。そこまで悪くはないと思うんだけど……。
とりあえず、お菓子を渡すのは食事の後だと言っておき、シグマの装備を整えたらボス戦へと突入する。シグマには迂闊に近寄らず、攻撃されそうになったらすぐに離れるようにと指示し、ハイ・ジャイアントゾンビとのボス戦を開始。
いつも通り顔面に【セイントバレット】をぶつけてタゲをとり、そのまま連射してヘイトを高めて固定する。後は皆と一緒に戦うだけで簡単に勝利、大した事の無いボス戦で終わった。
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召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
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まあ、こうなるのは当然だろう。とにかくボス戦を終えたので、11階まで下りて魔法陣を登録したら脱出する。その後、少し待って迷宮魔法陣に乗ると、やはり1階からスタートとなった。これは仕方ないね。
もう一度シグマを連れて5階まで行き、5階のオーク10体を倒すと、またもや<オーク玉>が出た。いい加減にしてくれと思うけど、確率で出る物に文句を言っても始まらない。諦めて迷宮魔法陣へ行き登録、そして脱出した。
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召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました
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まだ進化もしていないからレベルが上がりやすいけど、進化後は大変だろうなぁ。そう思いつつ再び迷宮魔法陣に乗ると10階まで表示された。良かった、また10階まで行かなくてもいいようだ。それだけ確認したら帰路に着く。
師匠の家に帰ってきた僕達は適当に過ごし、ファルから呼ばれたら夕食を食べてログアウト。五月蝿そうなのでポッキ○は渡しておいたけど、あれで良かったかな?。
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2000年 8月28日 月曜日 AM8:19
雑事が終わったので今日もログインするんだけど、近々ナツとイルが僕達の居るブラッディアに来るらしい。大型アップデート後に転移代金が下がったので、ブラッディアに移動するだけのお金が稼げたそうだ。
2人ともインベントリを2回拡充したので随分減ったとか愚痴ってたけど、ようやく取り戻せたようで移動すると昨日連絡があった。イルの解体士はスキルだけの【解体】より物が多く手に入るそうで、それをナツが【料理】して稼いでいる。
特にプレイヤーマーケットでの売れ行きが好調で、2人は随分と儲かったらしい。天使の星の食材は高いが買えない訳ではないし、バフ料理は目新しくなかなかの値段で売れるんだって。それでも一番の売れ筋は<唐揚げ>だって言うんだから、皆食べたい物が食べたいんだろう。
ログインした僕はギンをどけて木箱の所へ行き、売上金を入れたらギンを出して蓋を閉じる。必ずしなければいけない儀式か何かだろうか? そう思うぐらいに毎日同じ事をしてるなぁ。
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召喚モンスター:シグマが【斧術】を習得しました
召喚モンスター:シグマが【盾術】を習得しました
召喚モンスター:シグマが【握り】を習得しました
召喚モンスター:シグマが【体幹】を習得しました
召喚モンスター:シグマが【重心】を習得しました
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昨日適当に覚えたいスキルを覚えていいって言っておいたんだけど、どうやらラスティアやキャスティに教わったみたいだ。進化前だから5個までしか持てないし、今はこれだけしか無理だけど、たぶん今日で進化するでしょ。
ファルが呼びに来たので朝食に行き、今日も青銅と鉄を掘ってきて作った後はダンジョンに行く。それを師匠や皆に伝え、食事後はバイゼル山へ。ラスティアとキャスティは温泉に行ったので、僕達は情報交換をしながら掘っていく。
ユウヤはナツとイルが来る事を知っていたけど、何処に来るかまでは知らなかった。ここでいう何処は、ブラッディアの何処に転移するかだ。何となく首都の近くっぽいんだけど、どうなんだろうね?。
「それにしても転移代が4分の1、つまり5万デルぐらいだろ? 急激に安くなってるけど、流石に隣の国ぐらいだからなー。距離が遠いと物凄く高いし、転移魔法陣があるのは大国ぐらいだそうだな」
「そうみたいだね。やはり今のところは主要国からなるべく離れてほしくはないんだと思う。とはいえ無理矢理に押さえつけられるよりはマシかな。一応小国なんかにも行けなくはないらしいし。ただ、今のところは成功してないだけで……」
「そう簡単には成功しないでしょ。そもそも長旅が大変なうえ、十分な食糧と地理を知ってないと無理だし、それにお金も要る。プレイヤーマーケットで食事を購入するにしたって限度があるわよ。そのうえ死んだら一気に戻されるし」
「それが一番キツイんだろうなー。どこかにリスポン地点を変更できればいいんだろうが、できなきゃちょっとしたミスで一気に戻されちまう。そうなったら水の泡だもんなぁ。そこまでしてやる事とは思えねーし」
まあねえ。自己満足か、あるいは称号は手に入るだろうけど……メリットとデメリットを比べた場合、デメリットが大きすぎると思う。そもそも運営は好きにしろって感じだろうから、行っても何もない場合もある。
それも考えるとねぇ……意味あるのかな?。
24/12/28
急に感想が大量に書かれてビックリしておりますが、<複製男の浄化日記>と同じく返信は一律いたしません。あしからずご了承下さい。
ネタバレになったり先の展開の事もあり、こちらから情報発信は致さないことを改めてここに書いておきます。




