頑張れ、私! 魔法レッスン開始!!
「はぁ。」
ルカが言い忘れていたこと。それは2つの条件よりも、もっと重要なことだった。
「レインちゃん、ため息ついて、なにか嫌なことでもあった~?」
優しく心配してくれる女性。私の母親ローズ・アマリリス。
「レインちゃんは、いつも頑張ってるけど、少し休憩も必要だと思うわよ~」
「心配してくれて、ありがとう。お母さん。」
「ふふ、母親なんだもの当然よ!」
母親だから心配して当然だと言うわけではないと私は知っている。だからこそ、お母さんの気遣いがとても嬉しい。
「お母さんが心配してくれて嬉しいよ、私。」
「レインちゃん……」
少し、しんみりとしてしまった。
「えっと、私、ご飯食べ終わったら、もう少し練習しに行くね!」
「ええ~! まだ練習するの~!」
「うん。あと少しやっておきたいことがあるから。」
お母さんは、せっかくレインちゃんとお話出来ると思ったのに!なんて、ブツブツ呟いていたが、仕方ないのだ。
「それじゃあ、いってきます。」
「気をつけてね、レインちゃん。」
「うん。」
ご飯を食べ終わったあと、まっすぐ森へ向かう。家のすぐ近くに森があって良かったと思う。
「この辺でいいかな?」
森の奥の方までいき、人がいないことを確認する。回りに人がいないと分かったら、そっと名前を呼ぶ。
「ルカ。」
「は~い!」
ルカは呼ぶとすぐに出てくる。前、どこに隠れてるの?と聞いたが、隠れてないよ。いつもレインのそばにいる。とよく分からない返事をされた。
「練習、付き合って。」
「いいよ!」
ルカは私のお願いをなんでも聞いてくれる。この事も前に、なぜ?と聞いたが、レインはボクの一番だから。と言われた。ルカは少しよく分からない。
私はルカに名前をつけてから毎日、魔法の練習をしている。
それはなぜか。
理由はあの時、ルカが私に言い忘れたこと。
「レインはこれから毎日魔法の練習しないとダメだよ。じゃないと死んじゃうからね。」
言い忘れてたけど……なんて、言うからそれほど重要じゃないと思っていた。でも、魔法の練習をしないと死ぬ。なんて、メチャクチャ重要だった。
「え!? どうして? どういうこと? 死ぬ!?」
私は慌てているのに、ルカは冷静だった。
「ん~と、レインがボクと契約したから、魔力のコントロールはボクがするから大丈夫なの。でも、魔力量のコントロールはボクも出来ないんだよ。」
魔力のコントロール?魔力量のコントロール?同じでは?
「つまり、どういうこと?」
「つまり~、魔法を使うためにどのくらい魔力を使えばいいか~とか、普通にしてると溢れちゃう魔力を抑え込んだり~とか、レインはそういうのはもう出来るんだよ。でも、魔力量が多すぎて、レインは魔力量をコントロール出来ない。じゃあボクがと思ったんだけど、魔力量が多すぎて、ボクにもできない。溢れる魔力を抑え込んでも、魔力量そのものが変わるわけじゃないし。そのままにしてると体が壊れちゃうの。レインはやっぱり特別なんだよ!つまり、そんな感じってこと!」
(どんな感じ!?)
ルカが何を言っているか分からなかった。だから、分かるまで説明をしてもらった。何時間もの説明を聞き、ようやくほんの少し理解した。
ルカが言っていたことをまとめると『魔力のコントロール』とは、魔法を使う・魔力を抑えるなど、『魔力』という物をルカが操作する事らしい。
一方、『魔力量のコントロール』とは、魔力を持っている人──私の魔力の量の調整らしい。
魔力の量、それは生まれたときに決まる。今存在しいる人の半分程は、魔力量が少なすぎて魔法を使うことが出来ない。魔力はすべての人が持っている。魔法が使えないのは量が少なすぎるから。これは、この世界でも、一部の人しか知らないこと。それを私が知っていていいのだろうか?と思うが……
とにかく、生まれたとき、普通の人より魔力量が多いと魔法を使える。魔力量のコントロールは普通、意識せずとも行えるらしい。それは、持つ魔力がその人にあった量だから。
それなのに! 私の魔力量は私がコントロール出来ない量!
私がコントロール出来ないからルカが生まれたのに、ルカにもコントロール出来ない……こんなことはありえないらしい。
「私の魔力ってそんなに多いの?」
「うん、信じられないくらい多い。」
「それってどれくらい?」
「え~、普通こんなことないんだよ。魔力が多くて自分でコントロール出来ない人は時々いるの。でも、普通しばらくすれば魔力が減るか、コントロール出来るようになる。ボクみたいなのが生まれるて魔力をコントロールする場合もあるけど、凄くレアケースだよ。それが、ボクでもコントロール出来ない魔力量とか、ホント信じられない!!」
「でも、なんで練習するの?」
「それは、魔力量を調整するためだよ! 魔法を使って短時間でも魔力を減らすの。そうすれば死なないから。」
異世界転生した挙げ句、魔力量が多すぎて魔力を使わないと死ぬなんて……信じられない。
誰か助けて~と叫びたくなったが、その前に確認しないといけないことがある。
「ルカ、その練習って今日から?」
「うん!」
凄く良い笑顔でうなずかれた。
そうして、私の『魔力量安定させよう大作戦!!』(ルカ、命名)が始まった。
長くなってしまいました……
これからもよろしくお願いします!!