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 夜中走り続け、いろんな鍛冶屋をハシゴしたセナは、ステータスこそ微妙だったが、かなりの質と量のスキルをゲットしていた。


 固有スキルもいくつか手に入り、かなり懐が潤った。


【接収】

【コピーシステム:アイテム】

【成形】

【収蔵】

【分解】


これらはある程度検証も必要だが、能力は事前の所持者の調査と照らし合わせてみたら想像できる。


 それも追々で使っていくとして、その日は日が昇り始める頃に一時間ほど眠った。


「セナ!一時間経ったよ!」

「……おはよう。」

「やっぱり寝たりなくない?ギルドの人の応対なら私がやっとくけど。」

「大丈夫。」


 寝起きにしては割とはっきりとした応答ができたセナだが、ユゥリは心配らしい。

 ただ夜更かししただけじゃなく、何人もの処分を行ったわけだから、疲労自体はそれなりにある。


「セナ様には私もついていきます。ユゥリ様は引き続きでお願いします。」

「むぅ。ちゃっかりして……ベルモットずるいんだから。」


 さりげなくセナの同行者枠を奪われてむくれるユゥリ。

ベルモットを引き連れて、セナは冒険者ギルドに赴くことにした。


◇◆◇


 冒険者ギルドに来たセナは、再びギルドマスターとの面談室に案内され、そこでまた昨日と同じ、奇襲されたときの状況を説明させられた。


 なんど同じことを聞かれても同じことしか言えないが、同じことを繰り返しているだけなのにも意味があるらしい。


 整合性とか、そういうのを確認したいということだ。


 そのため、何度も悪いがと言ってはいるが、ギルドマスターも衛兵筆頭の人も同じことばかりを繰り返しで聞いてくる。


「よし、多分これ以上状況説明を頼むことは無いだろう。多分。」

「ようやく鉱山の通常業務が再開できる。ここ一か月は鉄も何も採れなくて迷惑していたからな。」

「それについても感謝している。金はもちろん、鍛冶師の紹介や素材の融通なんかもしたいところだ。何か要望はあるか?」


 錬金ギルドのマスターと冒険者ギルドのマスター、そして商業ギルドのマスターの三人に囲まれ、そういわれたセナは、少し考えた後で


「とにかく剣を大量に打ってくれる鍛冶師いますか?」


 自分の本目的の一つを告げた。


「……質ではなく数か。」

「ファンはどうだ?そこそこの質を保ったまま数も十分揃えられるはずだ。」

「質を落としてもいいならやはりコークンだろう。」

「あいつのはダメだろ。鋳造以下ですぐ折れる。」


 セナの要望に応えるために、三人で会議が始まった。

何人かの鍛冶師の名前が挙がり、結局、三人に絞られた。


「ファン・ドレアス。モロテ・ランボー。マニアム・タリ。」

「この三人なら、我々の方から紹介できる。」

「もちろん、多少割引もさせてもらう。」


 そう出された鍛冶師の名前にセナはうなずき。


「じゃあ一人100本お願いします。」

「「「……」」」


 そう答えると、三人は一瞬で押し黙り


「「「ひ、ひゃっぽん!!?」」」


 掛け声でもかけたかのように同じタイミングで驚いて見せた。


◇◆◇



 マスターズとの会談は終わり、1人100本の注文も、すこし揉めたが、問題なく通りそうだ。

 しかし、一本にかかる時間を考えて、おそらく全部出来上がるまでに数か月時間がかかると言われ、セナはその間、鉱山で採掘の仕事をすることにした。


 もちろん、これからというわけではない。


 今日はもう話し合いで疲れているし、夜のこともある。

あまり激しい活動はやりたくない。


「自分の体力を過信しすぎた。」

「肉体的には強化されても、気疲れはします。精神的な強化はほとんどありませんから。」

「そうだな。これからは適度にやるよ。で、ユゥリの方はどう?」

「調査終わりそうです。先ほど春さん経由でこちらに連絡がありました。」


 スライムを通せば、【四季スライム】の四体で会話ができる。

最近知ったその機能だが、セナはイマイチ使い慣れなかった。


「昼からユゥリと回って、明日から採掘に参加するか。」

「私も同行しますね。例のモグラや鳥が再び来るかもしれませんし。」


 多分それ以外の目的がありそうな圧のある口調で言われて、セナは断る理由を見失った。


 ユゥリに頼んでいた調査は午前中で終わり、昼食をとりながら報告を聞く。

その情報を元に一緒に見て回ることにした。



 この街の奴隷商を

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