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2 第二妃?

早速のブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。嬉しい〜〜

 第二妃……


 大神官は言いにくそうにそう言った。エル王国との力関係を考えるととかごにょごにょ言っている。キレそうになりながら、一回で分からなかったので、歯切れの悪い説明を繰り返聞いているとなんとか理解できた。


 つまり、カイリーには婚約者がいて、彼女を蔑ろにできないと言っているそうで、でも、国家として聖女の血は欲しい。じゃあ、第二妃で……おーいー!!


「大神官、それを受けたの?」


「え、まあ、その、エル王国の援助がなければ武器の調達もままならずで……そ、聡明なルーア、君の弟子オリビアの為にどうか納得して欲しい。今までも王妃となった聖女は居たけど、エル王国程の大国は滅多にないぞ。第二妃でも王妃は王妃。君の子供が王になれば皇太后な訳だし、その……」


 あり得ない。元聖女を側室にするなんて。私の頭は屈辱にグラグラと煮える。


 でも、今の私の立場は弱い。力を使い尽くした上、死んだことになっているから実家に帰って王女と言うわけにもいかないのよ。私の故郷は両親が行方不明で弟が王位を継いでいるんだけど、弟は私が聖女になったのではなくて、聖女見習いになって数日で死んだと思っている。


 カイリーも王も同じだ。私は2回死んだことにされた。訓練も受けていない子供を聖女にするのは反対意見があり難しいだろうと考えた神官が咄嗟に死んだのは聖女と、来たばかりの私で次期聖女は無事と報告したのだ。そのまま、私は次期聖女の訓練を受けていた12歳の少女として生きてきた。その子は捨て子で神官がつけた名前がランシェスだったので、私の名前のルーアと組み合わせて私はルーア・ランシェスということになった。


 まあ、あの時、そうしなかったら私は鏡の間に入るのに相当時間がかかったと思う。何もできないまま死んでいたかも知れないから、結果的には良い判断よ。


 二人が必死に鏡の中に押し戻した魔物。私が鏡の間に入った時には、結界が随分緩んでいた。


 私は、元聖女のおばあちゃんの手記で覚えていた魔法を使ってなんとか結界を補強した。そのまま、そこで呪文を教えてもらい、3日後に魔界の奥に押しやることができた。


 私は、天才!歴代最高の聖女!と皆にすごく褒められて有頂天になり、別人にされたことをあっさり流してしまった。一回死んでるし、まあ良いかと思ったのよ。


 でも、そのせいで、私が生きて聖女見習いになったのを知っていた人達も私が死んだと思ってしまった。


「ルーア……あの、その、子供を産んだら神殿に帰ってきても良いんだよ。ほらマルサもそうしてるし。特別に君の実家に説明に行っても良いし……」


 元聖女は普通、実家に戻らない。昔の顔を知っている人に今の顔を見せたくないからだ。心配されるのも同情されるのも、否定されるのも怖くて嫌だから。神殿からも聖女を元の暮らしに戻すのは避けたい。世間のイメージと本当の聖女が違いすぎるからだ。


 え?ちょっと待ってマルサ??あの、下働きの??ちょっと他の下働きより偉そうというか持ち上げられてるお局さんだと思ってたけど。


「ちょ、ちょっと待ってマルサは元聖女なの?」


「うん、そうだよ。と言っても君のように活躍した人じゃなくて、一年くらいで力を使い切ってしまって、貴族の家に嫁いだけど、顔や、世間擦れしているということで貴族暮らしに馴染めなくて子供を産んで離婚になって。」


 悲惨だ。戻ってきて神殿の下働きのさせられるの?


聖女は権限はないものの神殿の最高責任者である大神官と同列とされている。でも、それは現役の聖女。元聖女の地位は曖昧だ。


「あ、あ、いや、君ほどの聖女はそんな事にはならないよ。こちらに戻ってきたらそれなりの地位を約束する。それにマルサは本当に特殊だよ。元聖女があんな老婆になるまで生きるなんてあまり無いからね。」


「嫌なこと言うわね。」


「あ、ご、ごめん。」


 聖女の寿命はあまり長くない。聖女って祈りの力で、世界を平和にしてるとか思うじゃない。本当はバリバリ戦闘系だからね。戦闘で死ぬ人も多いし、生き残ってもあまり長生きしない。


 聖女の条件は鏡との親和性が第一で、神官達は今日もウロウロと親和性を持つ人材を探している。手鏡で検査して適性が有れば見習いとして採用。訓練して聖女の補助をさせる。聖具を扱えるかどうかも重要。聖女としての力を表すとされる聖具に力の残量が出れば次期聖女として現聖女から本格的な訓練を受ける。


 聖女に選ばれるのは名誉なこととされている。実情を知る人は少ないので、喜んで娘を差し出す。娘の方も徹底した教育で使命感を与えられ私のように身をすり減らすことにも誇りを覚えるのよ。


 それに末は王侯貴族と結婚して幸せに暮らすとも繰り返し言われていた。


 でも、現実は第二妃。しかもマルサ様のことを思えば子供産んだら捨てられるんじゃない!!うちのおばあちゃんは捨てられなかったけど、子供を産んで早死にしている。ああ、悲惨。なんなのこの人生。聖女にさえ選ばれなかったら、普通にカイリーの奥さんだったはずでしょ?世界守ってたら2号さんにされるの??しかも、既に婚約者がいるとか何よ!他の候補を脅して取り下げさせて2号にするの!?前から俺様気質だったけど、そんなに性格悪くなったのカイリー!!


「でも、あのお願いしますルーア様。なんなら、帰ってきたら僕と結婚しようよ。」


「え?」


「大神官の妻なら良い感じじゃない?君とは幼馴染だし、気心も知れてるし。」


 私はまじまじと大神官を見た。うむ!それなりに良い顔。大神官としての地位。年も5歳上なら許容範囲。こんなこと言うってことは私の事好きだったってことよね?わ、一気に大神官を、意識してしまったわ!!


「わ、分かったわ。」


 そして、エル王国に向かう馬車の中で、迎えにきた侍女から大神官と隣国の令嬢の婚約を聞いた。後から手紙で問い詰めたら第二夫人にはできると回答。ふざけんな!!馬鹿にしやがって!!

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