私たち、友達でしょ。
今回のテーマは「友達」です。
一日一小説企画中です。
「頑張れない」
「え?」
私の言葉に、さっきまで笑って励ましの言葉を掛けていた友達の顔色が曇った。
何言ってんだ、私。
いつものように笑顔で「ありがとう、頑張るよ」と言うつもりだったのに。それよりも早く本音が零れてしまった。
私なんかより、彼女の方が辛いし大変に決まってる。彼女は親からの期待に応えるために日々頑張っているし、自分で決めた目標や部活まで本気で頑張ってる。学校行ってそこそこの成績しか残していない私には、想像も出来ないほどの苦労があるに違いないのだ。
そんな彼女に弱音を吐くなんて、ありえない。許されない。
それに、登校中に言うことじゃない。
「あ、ごめん……なんでもな__」
「頑張らなくていいよ」
私が言い終わるより先に、彼女は言葉を被せた。
「え、?」
「頑張れない日に頑張るのって、効率悪いよ」
「それは分かってるけど……」
でも、そんな日があっても彼女はきっと頑張ってる。
「よし、今日は学校サボろうか」
彼女の言葉に驚く。
理解できずにいると、彼女は痺れを切らしたように私の手をとって走り出した。
「ちょ、どこ行くの!?」
「さあね! 疲れたところで止まって、そこで遊ぼ!」
そう言った彼女は、振り返って太陽のように弾けた笑顔を私に向けた。
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