第三話 マリー
大変長く、お待たせ致しました
今回は、百合多めです\(//∇//)\♡
どうぞ!!ご覧ください
【前回までのあらすじ】
笠井優花は、両親との関係や
人間関係で悩み精神病みかけていた。
そんなある日、仕事を抜け出して
突然、走っていたらフロンセという
100年前のフランスのような異世界に
迷い込んでいた!?
住民に冷たくされ、道も分からず
商店街のブーランジェリーピエールという
パン屋に助けを求めた優花は
ミシェルという美少年と
パン屋の店員のソフィーと出会う
そして、そこから始まる
異世界のヴァカンスライフ!?
【第三話】マリー
ここは、なんて素晴らしい世界なんだろう!?
日照時間も長いし、ゆったりとした時間が
流れているし
いきなり友達もできて
二人とも裏表なくて親切だし
人と人との距離感も、ちょうど良くて
あの住民達は、ともかく…
他の人は、ほとんど干渉して来ない
さらに、緑豊かな街だ。
こんな街でヴァカンスだなんて
すごく、私には贅沢だなあ
考え事に、ふけりながら
街歩きを楽しんだ優花は目的地の湖に
たどり着いた。
その頃は、もうすでに夕方で
日が傾き沈みかけていた。
突然、優花は物悲しい気持ちになった
この幸せなヴァカンスにも
始まりがあれば、きっと終わりもある
私は、どんなに良い環境に身を置いても
なぜか嫌われたり、邪魔者扱いされるし
「私は、誰からも大切にされないし
理解されない存在なんだ
そんな私は…
幸せになってはいけない……」
なんだか底の無い感情に
優花は、どんどん引き込まれていく
そして、優花の足は湖に向かって
歩き始めていた。
湖の近くのフェンスを越えて
無意識に、足を一歩一歩進めた
気が付いたら優花は
湖の真ん中近くにいた
その時だった
湖は突然、優花の足がつかない
深さになった。優花は水を飲んでしまい
意識がなくなりかけていた
さよなら、私…
さよならフロンセ…
その時だった
マーメイドのような少女が
優花に近づいてきた
誰かが、私を助けに来たみたい
あなたはマーメイドさん?
目が覚めると優花はベッドの上に
横になっていた。
そしてキッチンからはバターたっぷりの
トーストと目玉焼き、それから
野菜がたっぷりのスープの香りがしてきた。
「服が乾いている!?
よく見ると、この服は私の服じゃないし
しかも、かわいいルームウェアだ〜」
「それよりも…
ここはどこ? 私は誰?
記憶は、しっかりあるけど」と優花は
独り言を言った。
「目が覚めたんだね?
良かったーー!!」と声をかけてきた少女に
優花は、目をやると
そこには、美少女が朝食の入った
トレーを抱えていた。
「あなたは、昨日のマーメイドさん!?」
「マ、マーメイド⁇私が?」と
マーメイドのような美少女は笑い出した。
意外とマーメイドさんは笑顔が素敵な
女の子なんだね
しかも、何気に胸も少し大きい(〃ω〃)
優花は、戸惑いつつマーメイドの
少女を見た。雪のような白く透き通った肌に
ステンドグラスのような繊細な青い瞳
長くて、少しウェーブがかった金髪に
優しい笑顔、シンプルで
かわいいドットのブラウスに
青いスカート
まるで、漫画の中から美少女が
飛び出して来たみたいだと
優花は感じた。
「私、マリーって言うの
よろしくね」
「私は優花」
優花の胸は、高鳴っていた
「突然だけど、優花は
いつも、一生懸命な人なんだなあって
思ったよ!!」
「どうして分かったの?」
「どうしてかって言われると
あなたの眉間には少し
シワが寄っているからかな
悪い意味じゃないから安心してね」
「実は、いつも周りの人の事を考えて
行動するんだけど裏目にばかり出てしまうんだ
マリーは、私よりも明るくて
よく笑うし、私よりも素敵だよ」
一瞬、マリーの目は曇ったが
再び明るい表情に戻った。
「ねぇ、マリー
ところで昨日、私を助けた後の事なんだけど
その後、どんな事があったの?」
「とりあえず、人工呼吸で
あなたの意識は、戻ったんだけど
服が、びしょ濡れだったから
私の家のお風呂に連れて行って
一緒に、お風呂に…\(//∇//)\」
優花の顔は赤くなった。
優花は、初対面の人にしては
なんて、大胆な事を言うんだろうと
思ったが、不思議と嫌な気持ちには
ならなかった。
「これ…
朝食のトーストと目玉焼きとスープなんだけど
私が作ったんだ(^O^)!!
上手く、できたか分からないけど食べてね」
「ありがとうマリー」
なぜか、無意識に優花の目には
涙が浮かんでいた。
「どうしたの?大丈夫?」
優花は最近、自分の居場所が無いと
感じていた。自分が住んでいる世界では
みんなと同じ事をして、みんなと一緒にいて
みんなと同じじゃないと生きていけない
しばしば、優花は宇宙人のようだと
言われたりもしたが
優香は、みんなに合わせようと
努力した事もあった。
だけど、上手くいかないし
優花には、むしろ
みんなと同じが性に合わないと
感じるようになっていた。
それでも、マリーは
こんな面倒くさい私に
優しくしてくれる
私は、生まれた世界じゃなくて
フロンセに生まれたかったとも思ったが
この気持ちは一旦、心にしまった。
「そう言えば私、昨日出会った友達に
お礼を言わないといけなかったんだった」
と優花はマリーに伝えると
慌てて着替え、出かける準備をした。
「マリー
わたし、夕方には、ここに
戻って来てもいいかな?
実は、全くホテルもペンションも
予約してないしその友達の店も
忙しいと思うから…
お願いします
私をここに泊めてください
家事でも、庭の草むしりでも
しますから!!」と優花は必死に
マリーにお願いすると
マリーは笑顔で受け入れてくれた
そして、優花はお礼を言うと
ブーランジェリーピエールに向かって
走り出したのだった。
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