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第24話「本日の訓練は終了です」

 僧侶の書内はほんとにページの順番がでたらめだった。


 29ページの次は7ページ、3ページ、4ページとなったと思ったら、52ページに……


 デカい、速い、そのくせ頑丈で、見た目はゴブリンみたいなのだけど、なぜかミイニャを狙ってくるので、俺は助言する余裕もなく、ただミイニャをおんぶして、逃げ回っていた。


「いきなりレベルアップしましたね」


「呑気な事言ってる場合じゃない。分析しろ!」


「はい。敵は巨大で頑丈ですか、攻撃モーションに移る際、少しのインターバルと、ボディに隙が生じます。私の魔法詠唱時間を待ってくれることはありませんが、強い強い、私の旦那様優斗君なら、問題なく倒せるでしょう」


「……」


 まっ、間違った分析ではない。怖がらずに相手を見据えることは出来ているし、成長していることは確かだな。


「戻ったら、私用の武器を一緒に選んでください」


「俺もそう思っていたところだぜ。初心者の杖は使いやすそうじゃないか」


「攻撃力が高くて、自動回復される杖が欲しいです。その辺に落ちてませんかね?」


 まだ言っているのか。ほんとにうんのよさでそのうちに巡り合いそうだ。


「落ちてはいないだろうな……しっかり掴まってろよ。懐に入って一瞬で終わらせる」


「はい……」


 言葉通りにギュ、ムギュウ、とそれは、それはしっかりと掴まる。

 こん棒の一撃を避け、一気に間合いを詰めて俺は二刀流のちょっとした技を使用し殲滅した。




 本の中から戻って来た時にはすっかり日が暮れている時間になっていて、さすがにちょっとだけ体が疲れているなという実感がある。


 クレアとソニアちゃんは武術の訓練を真面目に行っているようで、祠の外から声が聞こえてきていた。


「遅いわよ! 3分もオーバーしてるでしょ」


 マアニャだけは中に居て、戻ってくるなり俺を問い詰めてくる。

 やれやれ3分くらい大目にめてくれよというのが本音だ。


「数分くらい誤差だって。もう今日は武器屋を見てホテルに帰ろうぜ」


「優斗君、ありがとうございました。色々……」


 いろいろの部分を強調して、姉を見てふっとミイニャは意味深に笑う。


 だぁ、いらんことを……


「色々って何よ! 優斗、二人でいったい何してたのよ!」


「訓練だよ。マアニャとはやり方少し変えたけど……ミイニャ、あとで僧侶の書読ませてくれ。いきなりダブルページはメンタル的にきつすぎたぜ」


「ミイニャ、ちゃんとページ別にあたしが並べ替えておいたでしょうが!」


「順序どおりは嫌いなので。緩やかなカーブではなく、浮き沈みの波が好みです」


「……優斗はどっちがいいの?」


「緩やかなカーブで上昇」


 これは答えさせてもらおう。


「ほら見なさいよ!」


 マアニャお姉さんは勝ち誇ったお顔に。


「ちっ……体験していれば、浮き沈みのよさがわかります。お姉ちゃん、負けたときは潔く譲ってね」


「あなたこそ、文句言わないでよね!」


 こええ……

 怖え……

 と、思っていたら、ギロリ、キラリと同タイミングでもの凄い眼力を受けたのでした。

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