第23話「ミイニャの攻撃魔法」
動きに無駄がなく、防御も硬い。俺がその気になれば倒せるけど、それじゃあミイニャが成長しない。
どうする?
どうすればいい?
「ごちゃごちゃ考えてるからダメなんだ、お前は! 迷ったらシンプルに。相手の動きを見ろ! スタンスを見ろ! 攻撃を受けろ!」
頭の中にどっかで聞いたセリフが蘇ってくる。
「マアニャとは真逆で行くか……ミイニャ、手を離していいぞ。これから言うことをよく聞いて」
「はい」
「敵は3人。今から俺が2人を倒して、1人を残す。そいつを倒せとは言わない。いきなりの29ページだし。動きを見て、視覚に重きを置いて、観察力を高めるんだ。何が強くて何がウイークポイントなのか……ミイニャは強くなれる絶対に」
「はい……1人にしてくれたら試したいことが」
何かやりたいことがあるんなら、やらせてあげるべきだぜ。
「OK。じゃあ2人倒す」
左右の剣を抜き、向かってきていた三騎士に逆にこっちから向かって行く。
攻撃左と右。後ろは初撃射程の外……
俺は敵がモーションに入っている間に、左右の振り下ろしと返しの連撃で、2体を粉砕する。
「近くで見ると、ほんとに凄いです。ダブルページでも圧倒……」
剣を鞘に戻し、向かってきた一体の一太刀を避けて、蹴りで後方へと飛ばす。
「試してみたいことっていうのは?」
「さっき優斗君とお姉ちゃんが入っている間に、ソニアちゃんに1つだけ魔法を教えてもらいました。これは書に記載されていない、ソニアちゃんのオリジナル魔法。なぜか私にピッタリなんだそうです。本の中に攻撃魔法無しでは話にならないからと……」
もしかしてそれを教えるためにマアニャを先に行かせたんじゃ……
あの子、クレアに武術は教えてくれているんだろうな?
「まあここは29ページだからな。敵もそれなりに強いし、倒せるとは思えないけど、やってみ」
「では行きます……」
ミイニャは初心者の手を前に出し、
「ミナザブレス!」
そう口にした途端、杖からとんでもない衝撃波のような物が出たみたいだ。
俺はどうせ大したことないだろうと思っていたので、
「うそっ!」
と、おもわず声を上げてしまった。
ミイニャがその放った衝撃に耐え切れず飛ばされそうになったのを見て、俺は移動して後ろからミイニャの体を受け止める。
「踏ん張らないといけないと言われたのを忘れてました……ありがとうございます、優斗君」
「おう……て、おい、みて見ろ。敵粉砕してるじゃねえか」
「ほんとですね……」
「マジかよ……鎧騎士だったぞ。魔法耐性あるっぽかったけどな……」
砕かれた鎧を拾う。
(あっちいな。炎と風っぽい魔法なのか?)
「なあ、今の魔法ソニアちゃんは何て説明してたんだ?」
「えっと……敵によって攻撃が変化する魔法で、私にぴったりで絶対に出来ると言ってました」
ミイニャのうんのよさが関係しているんだろうか?
いずれにしても相当使えるのは間違いないか。
その呪文一つあれば、攻撃魔法は十分なんじゃないかと思ってしまう。




