第15話「3つの魔法術式」
「待ってくれい。ソニアちゃん、戦闘能力がありそうだけど、なんでバッジ付けてないんだ?」
「バッジ? 優斗はなんでそんなセンスのない金色付けてるのか、逆に聞きたいん」
「いや、この街強者を求めているらしくて、入るときに戦闘履歴見られて付けさせられたんだよ」
「地上から来るからそうなるんな。飛んでくれば手間省けるん」
「いや俺飛べないし」
「人は飛べるんよ」
いや、飛べないよ!
「バートンの言ってた通り、強いんな。ちょっと見せてほしいよ。ステータス……」
ソニアちゃんは俺の前に人差し指を出し、ウインドウを表示。
「物凄く強いん! これは凄いん! けど魔法力がないんな……残念、魔法剣士ってかっこいいノン。そう思わん?」
「ねえ、どうやってステータスって観られるの?」
「変なこと聞くん。普通にウインドウみればいいん」
「そのウインドウ、どう開くの?」
「出来ないん!」
「出来ないよ」
「てことは、基本術習ってないん? 討伐パーティとかも入ってないのん」
「基本術?」
「よくそれでここまで強くなれるん。信じられません。基本術は誰でもどの職業でも会得できるん。何を鍛えるにしてもまずこれから始めるん」
「えっ、あたしたちも出来ないわよ」
「おてんば2人は、わたしのいうこと聞かないで、ハチャメチャやってたから教えてないん。ていうか、教わる態度じゃないん。父ちゃん、母ちゃんが甘いノン」
「ソニアちゃん、優斗君は魔法術を3つ持っているみたいで、ちょっと見てくれませんか?」
「ミイニャは昔に比べると丸くなったんな。猫被りおぼえたん……3つとは珍しい。では拝見するん」
ソニアちゃんは俺の額に人差し指で触れる。
「どう? ソニアちゃん」
「気が散るん! ちょっと黙る」
ソニアちゃんの人差し指が光ったあと、俺のお腹の当たりが光、次に左右のわき腹が光り出す。
「確かに3つの魔法術式を所持してるん。でも、魔法力はほとんどないのはなんでなん? 優斗、どうやって強くなったん?」
「剣術をひたすら教えられた。ちょっといい?」
みんなに聞かれない様に、内緒話を。
「俺スキルを2つ持ってるんだけど、1つは外れ不幸スキルだから、おまけスキルも貰ったんだ」
「まさかそのスキル、両方とも覚醒してるん!」
「そう。その為に強さが必要で……」
「外れスキル覚醒って出来るん! 信じられません。スキルは何なん? すいません、答えなくていいん。スキルはあんまり他言しない方がいいん。わたしはなぜ優斗が3つの魔法術を持っているのかわかりました」
「どうして?」
「たぶん外れの方は関係ないん。おまけのスキルって両利きで、覚醒して二刀流になっているんな、その剣見れば何となくわかるん……最初から一つ魔法術を持っていたけど、おまけスキル両利きを取得したことで目に見えないくらい薄い術式が浮かんだんな、それがスキルを覚醒したことによって出て来てるんよ。稀にスキルは魔法術式に影響するんよ」
「ってことは俺、魔法使えるんだ」
「と言っても、大元の魔法術式が小さく薄くなってしまってるん……けど、わたしならその状態でも大魔法を一つ教えられるんよ」
「マジかよ!」
俺もついに魔法デビュー出来るのか!
剣一本でも運命を切り開けるはずだけど、覚えるだけならいいだろ、覚えても。




