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第8話「カスラニクスに到着! いきなりのランク付け」

 カスラニクスの街。アイルコットンよりもさらに栄えている雰囲気があり、街全体の面積も1・5倍はありそうだな。嫌な臭いもしない。綺麗な街と傍目からなら思う。


 だが、普通の街ではどうやらないようで……


 ふふふ~んと陽気に街への一歩を踏み入れようとしたマアニャの手を踊り子の様な服装をした女の子が引き戻した。


「なっ、なにするのよ!」


 いきなり出鼻をくじかれたもんだから、マアニャは少々お怒りモードに。


「不法滞在者じゃないわよ! ほら、これ証明書よ。後ろの3人の分も」


「それを疑ったわけじゃない。街に入りたいなら、戦闘履歴を見せてもらう」


 やっと聞こえるような小さな声で踊り子少女は言う。


「戦闘履歴?」


「この街は魔物の討伐数や倒した魔物のランクによって、滞在者をランク付けしている。強者を求め優遇。弱者には冷遇を」


 踊り子の女の子が、マアニャにの胸のあたりに人差し指を伸ばすと、ウインドウが表示された。

 ステータス閲覧か、どうやってるんだろ?

 教わりたい。


「討伐数2。魔物のランクは最弱……あなたは最低Gランク」


「G!」


 その子は続けざまに、ミイニャとクレアのステータスも閲覧し、


「最低Gランク!」


 と宣言する。


「そのランクでこの街の滞在を希望するなら、宿はおんぼろ。体で稼いでもらうことになる」


 体で……やばい、いけない想像が頭によぎる。


「じょ、冗談じゃないわよ! あたしはミラ家のマアニャよ」


「何家とか、地位は関係ない。ミラ家ということはアイルコットンから……そのステータスでよくここまで無事に。この街は強者を求めている。強者の言いつけに従う。求められたことすべて従う」


「なんですって! それじゃあ力の強い人が支配するようなもんじゃない」


「マアニャ落ち着けよ。それで、名も存じないそこの君、なんで強者を求めてるんだ?」


 俺は地団駄を今にも踏みそうなマアニャをなだめ、女の子の前に出る。


「どうせあなたもGランクでしょ。弱い者に話すことなんてなにもない……一応は調べてみる」


 俺の前に人差し指を出し、ウインドウを開いたようだ。

 これ道具じゃなさそうだけど。


「ん……」


 その子は表示されたデータを見て、信じられないか見間違いと思ったのだろう。一度画面から視線を切り、目をごしごし擦ったあと、再度両目で確認した。


「えっ! 魔物討伐数184566! 討伐魔物ランク上位独占! なにこれ!」


 珍獣でも見るかのような視線が。


 ふっ、討伐数はほぼ地獄の2年間の累計であり、魔物ランク上位もおそらくあの森だか山だかの魔物が強いんだろうな。


「俺のランクは?」


「文句なしの最上位Sランク。騎士団団長か、それ以上の力をお持ちです」


「そう。じゃあこの3人は俺の連れでパーティだから、同じ待遇っていうのは可能ですか?」


「はい、可能です」


「もう街に入っても?」


「待って。ランクがすぐわかるように、あなたはこれを付けてください」


 金色のバッヂを手渡される。なんかセンスを感じないが、目立つは目立つだろうな。


「ロイヤルスイートのホテルにお泊りできます。ここから真っすぐのところにホテルが。わからなかったら案内所があるのでそこに」


「どうもです」


 まだ何か言いたそうだった女の子に頭を下げマアニャの背中を押して歩き出す。


 こうして俺たちはカスラニクスの街へと入った。


 アイルコットンではマアニャとミイニャの召使いを存分に堪能し、超平和スローライフだったけど、このカスラニクスはなんか居心地が悪そうだな。


 強者を求めている街カスラニクスか。悪い予感しかしない。

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