第2話「1強3弱をなんとかしよう」
「でしょうね。4人のパーティ編成は理想だけど、1強3弱じゃ話にならない。あたしたちは完全に足手まといだもの」
マアニャは腕組みしたあと、魅力的な口元に触れる。
「お前も戦力にならないのか? オリジナルで闇の教団の識別できるんだろ?」
「えっ、うん……一応、全部の魔法契約は済ませてるけど、それだけじゃ使えないのよ。えっとタンクはあるけど呼び水がないって言ってもわからないわよね……家系限界突破で最初から魔法力、マナ、MPとか色々言い方あるけど、それは尽きないくらい無限にあるわけ。魔法契約っていうのはこの魔法を使いますって自分の魔法術に記すこと。ここまで意味わかる?」
「えっと、魔法使いは体内に魔法契約の術式を持っていて、使える魔法をそこに記憶して呼び出しているってことか?」
「なによ、結構頭いいじゃない。完璧」
「マアニャは魔法力が無限だけど、記憶しただけでは使えないと……それはなんで?」
「鍛えてないって思ってくれればいいわ。オリジナルで闇の教団の見分けることを優先にしてきたから、本来暗記しておかなきゃいけない呪文の名前も自信ないし……えっと、一番優しい炎の魔法は何だったかしら?」
悪戯っぽく口元を緩め、右手を広げたマアニャはそれをなぜか俺に向ける。
「ファイラァ!」
マアニャがその言葉を口にすると掌から勢いよく炎が噴射する。
「あちっちっ! あちい!」
俺はその炎から逃れるべく火を噴く手から距離を取る。
「あっ、出たわ! 基本魔法なら出来るみたい」
「出たわ、じゃねえ……出来るみたいじゃねえわ! 知っててわざと俺に向けやがったな。火は危ないから他人に向けるな。火傷するだろ」
「団長と戦っていた時とは違って随分と警戒心が薄いのね。かわすのかと思ったのに」
「俺はお前らに気を許してるんだ。24時間警戒中とかよほどのことがない限りは、しんどすぎてもう嫌なんだよ」
「過去にそんな辛い日々を過ごしてたの? 仕方ないなぁ。あたしが温かく包み込んであげよっか?」
両手を広げ、おいでと言っているような気配。からかわれているのか、本気なのかわからない――いや、ここはせっかくだし抱き着いても――いい匂いとその魅力に俺は吸い寄せられていく――
「お姉ちゃん、何いちゃつこうとしてるの。馬鹿みたい……」
ミイニャの殺意のこもった視線を目にし、進みかけていた足を停止せざるを得ない。
「姉にむかって馬鹿とは何よ!」
「喧嘩するなよ。えっとマアニャ、基本魔法は一通りできるんだな?」
「うん。訓練積めば契約してる強力魔法も出来るようになるはず。とりあえずカスラニクスに行きましょう。あそこなら優斗が協力してくれれば、短期間で基本レベルが上げられるかも」
「マジで! カスラニクスって街? それどこ?」
「ずっと東よ」
「あっ、なあ、各個人のステータスやスキル確認って把握できる方法って何かあるのか?」
たしか俺を鍛えてくれたあのお姉さんはどうやってかステータス確認を頻繁にやってた。
「えっ……たしか道具でそんな機能を持ったものがあったはずだけど……それもカスラニクスで探してみましょう」
「おう」
カスラニクス、最初に向かう場所が決まったぜ。
どんなところなのか楽しみだ。




