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第1話「叶えたい願いの為に、いざ出発」

「いいお天気です。お散歩日和ですね」


「う~ん、久しぶりにアイルコットンの外へ出たわ。解放感すごいわね」


「広がる草原平野……二人きりのはずが、クレア、そしてなんでお姉ちゃんまで」


 黒髪セミロングのメイドクレア、赤髪ツーサイドアップのマアニャ、赤髪がかった茶髪のウエーブショートのミイニャの美女三人は、誰も俺の言うことを聞かずアイルコットン城を出て駆け出した後、数十メートルで止まり呑気に辺りを見回している。


 獲物ここに居ます! と、言っているようなもんだ。無謀にもほどがある。


 案の定、俺は危険を感知する。上空からモンスターが頭を食いちぎろうと向かってきていた。

 一瞬で三人を追い越して、跳躍しながら左手で剣を抜き鳥系の魔物を一刀両断にする。


「うわ~、お外って危ないんですね……」


「まったくよね。魔物撲滅を歌い、町から半径数キロは結界でも張った方がいいんじゃないかしら」


「カッコよく倒してくれる優斗君、普通ならこの瞬間にラブシーンのはずなんですけど……」


 三人は特別驚いている様子もなく、その視線は助けた俺を睨んでいるようにさえ思う。


「あのねえ、危ないから俺から距離を取るなってさっき言っただろ」


 カシャンという剣を鞘に戻す乾いた音を耳にしながら、俺は三人をじっと見つめた。


「あれ、優君のいうこと聞いてほしいなら、クレアの質問にも答えてくれるはずだよね」


「恥ずかしくても言わないといけないことってあると思うのよね。分からせておいた方がいいわよ。優斗はあたしが好きだって」


「あの大泣きを見てないから、2人は勘違いしてるんです。優斗君、プロポーズを」


 メイドのクレア。双子姉妹のマアニャとミイニャは、俺が誰と幸せになりたいかをはぐらかせたもんだからへそを曲げているのだ。


 このままじゃマジで危険だな。


「俺はこの先に答えを求めてる。本当は誰を一番好きか、誰が一番必要としているか……ころころと変わるかもしれないそれを今言ったらそれこそ卑怯だろ。3人とも絶対守るし、大切なことに変わりはない。だから頼むよ。傍にいてくれ」


 3人いなければ、傍にいてくれ自体がプロポーズにも受け取られるかもな。


「優君だなぁ、優君だ」


「絶対好きなの、あたしじゃん。言っちゃえばいいのに」


「さすがズルいです。最高にズルい言い回し……」


 まだ足りないか。それじゃもう一押し……


「俺のこと嫌いでないなら、近くに来て。遠ざけるなら評価を改めるかもしれない」


 卑怯だけどこういうしかない。ほんとに危ないんだからな、離れると。


「もうズルい!」


 クレアは相変わらず可愛い、口癖になりつつある『もう~』を使いちょっと膨れた顔で傍に寄ってきて、


「たくっ。覚えてなさいよ。からかいまくってやる」


 マアニャも不満を漏らしつつやってくる。


「優斗君、1つ言っておきますけど、絶対に私が一番優斗君を愛してますから! 愛は好きより上ですからね」


 最後にミイニャは俺にお説教するかのように人差し指を立て、諭すように言い放った。


「お、おうよ……」


 ミイニャの少し照れたその顔を目のあたりにして、直視することが出来ずに俺も思わず照れてしまう。


「そんなことない。クレアが一番想ってるもん」


「馬鹿ね、あたしが一番大好きに決まってんじゃん」


 クレアとマアニャのつぶやきを耳に届かせながら、


「とりあえずの目的は闇の教団、ダークスフィクをやっつけるのが主だけど……今のままじゃ単体ならともかく複数相手じゃ多分全滅する」


「えっ!」


 ミイニャだけがそんな……信じられません。みたいな反応を示してくれた。

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