第71話「マアニャとミイニャとクレアを連れて行きます」
「なんだよ? 触っちゃいけなかったのか?」
「何したの?」
「何って触れただけだけど……」
「その剣、バニアやグランドが抜こうとしたけど全然ダメだったのよ……優斗、いったい何者よ!」
てことは、力じゃなく俺の何かに反応したのかな?
「――でもこれは呪いじゃなかったぞ、たぶん。俺が呪いなんて解けるわけないし。お母さんの剣だろ」
「いえ、それ母のじゃないんです。母は細剣しか装備してませんでしたから」
じゃあなぜこんなところに?
第一、俺はちょっと触れただけだぞ。
俺は柄を持って剣を眺める。
なんだろ? 何か不思議な感じがするな。知っているけど名前が思い出せない友人に会ったときと感覚的に似ているか。
鞘から抜いてみると、キラリと刃が光る。この剣も俺に合いそうな軽さと仕様だな。まるで誰かが用意してくれたみたいだ。
「これ、持って行っていいかな?」
マアニャとミイニャ2人の了解を取るべく、尋ねた。
「いいんじゃないの。二刀流なら2本ないと困るでしょ」
「私を第一に守ってくださいね」
てことで、カチッと前で止めて右肩から柄が出るように装備した。
これで完全な二刀流だな。
「3人とも城の入り口で待っていてくれ」
「なんで? ここにいるわよ」
「いいから、聞かれたくない話があるんだよ」
「ふ~ん……いいわ。手短にね。行くわよ、ミイニャにクレア」
3人が階段を上ったのを確認してから、
「すいません……可愛い娘さんを2人連れて行きます。俺、このアイルコットンでは幸せでした。それは娘さん2人とクレアっていうメイドさんのおかげで……2人の為に、いえ自分の幸せの為ですね。その呪いは絶対に解きます。2人のこと好きになってしまったので……その呪いを解いたらまた改めて挨拶しに来ますね。クレアを選んでしまうかもしれませんけど……だからと言って闇の教団潰しに手を抜くことはないので……とにかくこんな優柔不断な俺ですけど、絶対娘さんは守るので、安心してその時を待っていてください」
2人のご両親は少し微笑んだ気がした。たぶん気のせいだとは思うけど……
「アイルコットンはあの強いおっさんとグランドが居るので、安心して出て行けます。じゃあまた会いに来ます」
双子姉妹のご両親に一礼して、ゆっくりと俺を待ってくれている3人がいる階段に向かって行った。
マアニャ「第1章は次でラストよ。ここまで読んでくれてありがとう。ブクマと評価で応援してくれたらもっとありがとうだわ」




