表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/225

第6話「もう子供! もう禁止! もう鈍感!」

 命令の正座を完遂したあとは、クレアと共に雑用仕事に戻った。


 今日はからっと晴れている良いお天気なので、洗濯がはかどるし、お布団も干せるとは……ふかふかの布団で寝られると言うことがどれだけ幸せなことか……


(ミイニャは布団を干せる時間があったかな……久しぶりにこっちで就寝するのもいいかなと思うけど……あいつ、すげえ怒るだろうな……)


 掃除を一通り終えた後は、ランチの用意に取り掛かり始めた。


「えっと何人分だっけ?」


「マアニャさまの会合に集まった方たちは、お召し上がりにならないようなのでバートン(執事)さんとわたしたちの4人分でOKかな」


「お姫様は何の会合開いてるの?」


「さあ……詳しくは。難しいお顔をされてたから、あんまりいいお話ではないのかも」


「ふ~ん……」

 俺はサンドイッチの生地にマヨネーズを塗り込む。


「もう悪戯は我慢しようね」


 明らかに俺は園児で、クレアはその園児を見守っている先生みたいな関係が、その一言に込められている気が……


「甘いな、クレア。正座の恨みを返さないとならない」


「もう子供!」

 クレアは口を尖らせて俺をじっと見つめる。


「……なんかその言い方はもろに可愛いぞ……」


 メイド服姿のクレアは途端に顔を紅くして視線を逸らす。

 クレアは黒髪のセミロングが似合う、ザ・メイド。口元を緩めた表情の破壊力は絶大だ。


「出来ればもう一度リクエストしたい」


「……もう禁止!」


 可愛い……俺は心の中で盛大な拍手を送った。今度スマホで写真を撮らせてもらおうかな。


「君、さっき何かしたの? 訓練場、騒ぎになってたよ」


「特別には何も。喧嘩を買ったけど」


「……それは何かしたってことだよ……多勢に無勢でしょ」


「そうなんだけど。悪人って気がしてね、我慢できなかったと言うか……」


 パンにレタスを敷いてその上にハムを乗っける。


「前から気になってるんだけど、訊いてもいい?」


「仕事中だよ」


「……もうズルい!」


「おほん、可愛さに免じて1つだけなら答えよう」


「もしかしてなんだけど、勘違いされてない?」


「……」


 俺はパンを重ね、それを積み上げてラップに包んでいたところで手を止めてしまった。

 クレアの質問は的を射ていて……


「図星?」


「質問は1つだけだぞ。回答は無言ってことに。第一、気にするようなことか?」


「それは……ねえ……クレアは君と話をするのが楽しいと思っているから。一緒にいたいというか……それが訊いた理由だよ」


 なぜにそんなお恥ずかしそうな顔を……


「そいつは奇遇だな。俺もそう思ってるぞ」


 隣で作業していたクレアの動きが止まる。また顔赤いし。一緒にいるとき1回は赤面するよな……


「今だって一緒にいるじゃないか」


「……」


「どうした? 手は動かしながらお喋りしてないと、お昼に間に合わないぞ」


「もう鈍感!」


 珍しくクレアに睨まれた……なんか最近女の子に睨まれることが楽しくなって来たりしている。

クレアと君(優斗)との仲を応援してくれると言う方は……ブクマと評価をしてくれるんですか!

嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
『異世界には外れ~』のスピンオフを不定期連載中です
異世界カフェ「グランデ」は新メニューが加わり、リニューアルしました。ぜひご来店くださいませ~
ブクマ・評価等いただければ執筆の励みになります
新作です
桜狐の姫は今日も懐かない~追放された底辺調伏師はヒーローの夢を見る~
ブクマ・評価等いただければ執筆の励みになります
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ