第63話「魔法使いを仲間にしたい……」
『僧侶の書』が書物庫にあるはずだとミイニャは言いだし、夕食の後片付けを終えた瞬間、食休みもさせてもらえずに手を引かれ、ミラ家書物保管庫へ。
玄関でクレアと鉢合わせし、なぜかクレアも保管庫についてきた。
「優君、クレアは何の職業になればいいと思う」
「メイドじゃないか」
「違うよ! 戦闘時の話」
「ああ……」
クレアがついていくと言ってくれてから、俺はずっとクレアの適正と職業を模索していた。
3人パーティだと、攻撃(俺)+補助二人でもいいし、
攻撃二人(俺とクレア)+補助1人でも行けると思うけど……
「それなんだけど、俺パーティ編成とか戦略面は苦手でさ、基本シングル戦闘しかやってきてないし、誰か戦略面に長けていて、知力のある子が欲しいなって。2人がついてきてくれるのは嬉しいけど、危ないからな。なるべく危険回避していかないと……」
「私のうんのよさがあれば回避出来ます。不安ならメイドさんと別れてください」
脚立の上で、本に手を伸ばしていたミイニャはこちらに顔を向けずにそんなことを言う。
クレアはその言葉を聞いて不安になったのか俺の袖をぎゅっと握る。
「別れないから大丈夫。連れて行くし守るから」
「優君、優しい……ますます惚れちゃうよ」
誰か知力ある魔法使いでも居ないかな……
「おかしいです。僧侶の書が見当たりません。それに魔術と魔法使いの書がごっそり無くなっています」
「クレアが午前中に整理したときはありましたよ」
「ということは……その後に……お姉ちゃんだ!」
「なによ、あたしがどうかしたの?」
風呂上がりに見えるマアニャが、バスローブを身に纏いやってきた。俺を視線に捉えると自然と口元が緩んだ気がする。
俺を見てなぜ笑う?
あっ、いた。魔法使い!
「お姉ちゃん、僧侶の書持ってるでしょ。貸してよ」
脚立から降りてきたミイニャはマアニャと向かい合う。
「ミイニャ、あなたミラ家出たのよ。てことは、ここの書物保管庫から持って行くのもダメでしょ」
「魔法術、魔法使いの書もない。また何か企んでるの?」
「またじゃなく、まだよ。ほら僧侶の書。重要なとこには線引いておいたから、足手まといにならないように頭に入れておきなさいよ」
「えっ、ありがとう……ん、タイミングがいいなあ。もしかしてここに来ること予測してた?」
「どうかしらね。妹がお礼は言わないの。じゃあね……あら優斗、今夜もあたしの唇奪いに来たの?」
「なっ!」
俺は一瞬で顔を真っ赤にする。
ミイニャとクレアの視線が痛い。
「ふっ、冗談よ。やだなあ二人とも。どれだけ優斗のこと好きなのよ」
「……なあ、ちょっとだけ話があるんだけどいいか?」
「何かしらね? 2人きりなら、聞いてあげるわ。パジャマ着てくるから、階段の下で待ってなさい」




