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第59話「ちょっとだけ鍛えてやるよ」

 朝食終え、クレアは部屋のお掃除。俺は洗濯物と布団を干すため庭に出る。

 今日も気持ちのいいお天気だ。昼寝にはもってこいだな。


 騎士団の掛け声を聞きながら、シーツを干していたら、


「おはよう優斗」

 イケメン騎士団長代理に話しかけられた。


「おう。サボってていいのか、団長殿」


「君と話すことは訓練以上のことだと僕は思っているよ」


 シーツを干し終えたので、次は洗濯物……


「で、今度は何の話だ? マアニャのことなら俺も惚れてるからな、譲らねえぞ」


「いきなりだね……その話はいいんだ。優斗相手じゃ勝算がない。マアニャ様にも言われたしね」


「ん、あいつに何を言われた?」


「言えるわけがない」


「じゃあなんだよ? 用事はなくてただの挨拶だけならすんだだろ」


「優斗、騎士団に入らないか?」


「えっ……なんで?」


「闇の教団と戦うつもりなんだろ? だったら騎士団に入って、戦略と団長から学べることも」


「ダークスフィクは俺がゼロにする。けど、騎士団には入らない。理由は、俺あんまり協調性がないし、誰かに合わせるのは苦手だから。それだけで迷惑をかける」


「そうか、断るとは思ったけど……残念だよ。君なら団長を超えられるかもと思ったんだけど……」


「おいおいその言い方だと、俺が団長さんより下だと言ってるみたいだぞ。グランド、昨日の戦闘が俺の本気じゃ全然ないからな」


「というと?」


「そのままの意味だ。お前は剣士として才能がある。けど日々の訓練だけじゃあんまり進歩しないぞ」


「じゃあ僕はどうしたらもっと強くなれるんだ? 教えてくれ」


 タオルを干していた手を止め、


「団長に聞けよ。強いんだろ、なら的確な助言をくれるだろ」


「いや団長は、あまり鍛えてはくれない。自分の鍛錬に忙しくてね」


「そりゃあ(おさ)とは言えないな。他の団員がたいしたことないのは、団長のせいなんじゃないのか? いくら個人が強くても騎士団自体の戦力強化をしていかなきゃ連戦や策が練りにくいだろうに。ほんとに強いのかまず疑問だな」


「強いぞ、団長は。1人で圧倒できる……が、教えることにはあんまり向いてないように思う。僕がこんなこと言ってはいけないんだが……」


 グランドは少し脅えたような表情で俺を見る。


「はあ~、要するに俺に指導してほしいのかよ。そう言え! わかりにくいんだよ……明日団長が戻ってきたら、俺はここを出て行く。だから教えるのは今日だけだ。それでいいなら少し鍛えてやるよ」


「本当か!」


「残りの洗濯物を干したらな。あと、仕事が遅れた分はお前が手伝えよ」

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